自社のホームページは「会社の顔」として、24時間休むことなくお客様や取引先に情報を届ける大切な資産です。特にWordPressは世界中で利用されているため利便性が高い一方で、サイバー攻撃や不正アクセスといったリスクにも常にさらされています。もしサイトが改ざんされたり停止したりすれば、信頼の失墜や機会損失といった経営に直結する大きなダメージにつながりかねません。
だからこそ、経営者にとって重要なのは「トラブルを未然に防ぎ、安心して継続的に運営できる仕組み」を整えることです。本記事では、WordPressサイトを安全に保ち、ビジネスを止めないために実践すべきセキュリティ対策をわかりやすく解説します。これからホームページを強固な基盤として活用していきたい経営者の方にとっての“完全ガイド”としてご覧ください。
目次
あなたのWordPressサイトは安全ですか?
「Webサイトが突然表示されなくなった」「身に覚えのない情報が投稿されている」「顧客情報が漏洩したかもしれない…」
もし、あなたのWordPressサイトがこのようなセキュリティの脅威に晒されたら、ビジネスに甚大な被害が及ぶ可能性があります。
WordPressは世界中で最も利用されているCMS(コンテンツ管理システム)であり、その利便性の高さから多くの企業や個人事業主が活用しています。
しかし、その人気の高さゆえに、サイバー攻撃の標的となりやすいという側面も持ち合わせています。
「うちのサイトは小さいから大丈夫だろう」と油断していませんか?攻撃者はサイトの規模に関係なく、常に脆弱なサイトを探しています。一度ハッキングされてしまえば、サイトの停止、データの損失、ブランドイメージの失墜、さらには法的責任を問われる可能性まであります。
この記事では、WordPressサイトをハッキングから守るための具体的なセキュリティ対策を、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。基本的な設定から高度な対策、万が一の際の復旧方法まで、あなたのWordPressサイトを安全に運用するための「完全ガイド」としてご活用ください。ソシオラが提供する専門的な保守運用サービスについてもご紹介します。
なぜWordPressサイトは狙われるのか?その理由とリスク
WordPressサイトがサイバー攻撃の標的になりやすいのには、いくつかの明確な理由があります。これらの理由を理解することが、適切な対策を講じる第一歩となります。
1.世界的なシェアの高さとオープンソースの特性
WordPressは全世界のWebサイトの約43%[1]を占める圧倒的なシェアを誇ります。日本では83.1%[2]のシャアを誇っています。これは、攻撃者にとって「効率の良い標的」となることを意味します。一つの脆弱性が見つかれば、それを悪用して数多くのサイトを攻撃できるため、常に狙われやすい状況にあるのです。
また、WordPressはオープンソースソフトウェアであるため、そのプログラムコードは誰でも閲覧可能です。これにより、セキュリティ研究者による脆弱性の発見・改善が迅速に行われる一方で、悪意のある攻撃者も脆弱性を探し出しやすいという特性があります。
参考文献
[1] W3Techs.”Usage statistics of content management systems.” Accessed September 14, 2025.
[2]W3Techs.”Distribution of content management systems among websites that use Japanese”
2.プラグイン・テーマの脆弱性
WordPressの大きな魅力である豊富なプラグインやテーマは、同時にセキュリティリスクの温床となることがあります。
開発元が不明なものや、長期間更新されていないプラグイン・テーマには、既知の脆弱性が放置されているケースが少なくありません。これらを安易に導入することで、サイト全体が攻撃の対象となる可能性があります。
3.WordPressサイトが直面する主なセキュリティリスク
WordPressサイトがハッキングされた場合、以下のような深刻な被害が発生する可能性があります。
•不正ログイン: 管理者アカウントが乗っ取られ、サイトの内容を自由に操作される。
•マルウェア感染: 悪意のあるプログラムがサイトに埋め込まれ、訪問者に被害を与えたり、サイトが検索エンジンからペナルティを受けたりする。
•サイトの改ざん: サイトのコンテンツが書き換えられたり、不適切な情報が表示されたりする。
•情報漏洩: 顧客の個人情報やクレジットカード情報などが盗み出される。
•DDoS攻撃: 大量のアクセスを集中させ、サイトをダウンさせる。
•SEO評価の低下: 検索エンジンからの評価が下がり、検索順位が大幅に下落する。
これらのリスクを未然に防ぐためには、継続的かつ多角的なセキュリティ対策が不可欠です。
今すぐできる!WordPressサイトの基本的なセキュリティ対策
WordPressサイトのセキュリティを強化するために、まず実施すべき基本的な対策を9つご紹介します。これらは比較的容易に導入でき、大きな効果が期待できます。
1.WordPress本体・テーマ・プラグインの常に最新の状態に保つ
これは最も重要かつ基本的な対策です。WordPressの開発元やプラグイン・テーマの提供元は、脆弱性が発見されるたびにセキュリティパッチを含むアップデートをリリースしています。これらのアップデートを適用せずに放置すると、既知の脆弱性を悪用した攻撃の格好の標的となります。
•対策: 管理画面から定期的にアップデート通知を確認し、速やかに適用しましょう。自動アップデート機能を有効にするのも有効です。ただし、アップデート前に必ずバックアップを取ることを忘れないでください。
2.強固なパスワードを設定し、二段階認証を導入する
「admin」のような安易なユーザー名や、推測されやすいパスワードは、ブルートフォースアタック(総当たり攻撃)の標的になります。また、パスワードが漏洩した場合に備え、二段階認証の導入も必須です。
•対策:ユーザー名は「admin」以外に変更する。
•パスワードは、大文字・小文字・数字・記号を組み合わせた12文字以上の複雑なものにする。
パスワード管理ツールを活用し、使い回しを避ける。
Google Authenticatorなどのプラグインを利用し、二段階認証を設定する。
3.不要なテーマ・プラグインは削除する
使用していないテーマやプラグインは、それ自体が脆弱性の原因となる可能性があります。また、サイトの表示速度低下にも繋がります。
•対策: 現在使用していないテーマやプラグインは、必ずWordPress管理画面から削除しましょう。無効化するだけでなく、完全に削除することが重要です。
4.セキュリティプラグインを導入する
WordPressには、セキュリティ機能を強化するためのプラグインが多数提供されています。これらを導入することで、不正ログイン対策、マルウェアスキャン、ファイアウォール機能などを手軽に強化できます。
•対策: 「Wordfence Security」や「SiteGuard WP Plugin」などが有名です。これらのプラグインを導入し、推奨される設定を行いましょう。ただし、複数のセキュリティプラグインを併用すると競合して不具合を起こす可能性があるので注意が必要です。
5.定期的にバックアップを取得する
万が一サイトがハッキングされたり、データが破損したりした場合でも、バックアップがあれば元の状態に復旧できます。バックアップは、サイトのデータ(ファイル)とデータベースの両方を取得する必要があります。
対策:レンタルサーバーのバックアップ機能を利用する。
「UpdraftPlus」などのバックアッププラグインを導入し、定期的に自動バックアップを設定する。
バックアップデータは、サーバーとは別の場所に保管する(例: クラウドストレージ、ローカルPC)。
6.ログインURLを変更する
WordPressのデフォルトのログインURL(wp-login.php)は広く知られているため、攻撃者からのアクセス集中を招きやすいです。ログインURLを変更することで、不正ログインの試行回数を減らすことができます。
対策: 「SiteGuard WP Plugin」などのセキュリティプラグインを利用して、ログインURLを推測されにくいものに変更しましょう。
7.WAF(Web Application Firewall)を導入する
WAFは、Webアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃からサイトを保護するセキュリティシステムです。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの攻撃を検知・防御します。
対策: レンタルサーバーによってはWAF機能を提供している場合があります。提供されていない場合は、クラウド型WAFサービス(Cloudflareなど)の導入を検討しましょう。
8.ベーシック認証を導入する
管理画面配下のアクセスはベーシック認証を設定いたします。
さらに強化!高度なセキュリティ対策
基本的な対策に加えて、さらにセキュリティレベルを高めたい場合に検討すべき高度な対策をご紹介します。
1.サーバーレベルでのセキュリティ強化
WordPressサイトの基盤となるサーバー自体のセキュリティを強化することも重要です。
•SSH/SFTP接続の利用: ファイルのアップロード・ダウンロードには、FTPではなくSSH/SFTPを利用し、通信を暗号化する。
•IPアドレス制限: 管理画面へのアクセス元IPアドレスを制限し、特定のIPアドレスからのみログインできるようにする。
•不要なポートの閉鎖: サーバー上で使用しないポートは閉鎖し、攻撃経路を減らす。
2.データベースのセキュリティ対策
WordPressのデータはデータベースに保存されています。データベースのセキュリティも疎かにできません。
•データベースプレフィックスの変更: WordPressインストール時にデフォルトの「wp_」から変更する。
•データベースユーザーの権限最小化: データベースユーザーに必要最小限の権限のみを与える。
3.ファイルパーミッションの適切な設定
ファイルやディレクトリのパーミッション(アクセス権限)が不適切だと、攻撃者にファイルを書き換えられたり、不正なファイルをアップロードされたりするリスクがあります。
対策:
•ファイル: 644
•ディレクトリ: 755
•wp-config.php: 600または400
これらの推奨パーミッションに設定しましょう。FTPクライアントソフトなどで変更可能です。
4.XML-RPCの無効化
XML-RPCは、WordPressを外部アプリケーションから操作するための機能ですが、ブルートフォースアタックの踏み台として悪用されることがあります。特に利用していない場合は無効化を検討しましょう。
•対策: セキュリティプラグインで無効化するか、.htaccessファイルに記述を追加して無効化する。
万が一ハッキングされた場合の対処法
どれだけ対策を講じても、100%安全とは言い切れません。万が一サイトがハッキングされてしまった場合の冷静な対処法を知っておくことが重要です。
1.サイトをオフラインにする
これ以上被害が拡大しないよう、すぐにサイトを閉鎖するか、メンテナンスモードに切り替える。
2.バックアップから復元する
ハッキングされる前の安全な状態のバックアップデータからサイトを復元する。
3.パスワードを変更する
WordPressの管理者パスワード、データベースパスワード、FTP/SSHパスワードなど、全てのパスワードを強固なものに変更する。
4.マルウェアスキャンと駆除
セキュリティプラグインや専門ツールを使って、サイト全体をスキャンし、マルウェアを特定・駆除する。
5.脆弱性の特定と修正
ハッキングの原因となった脆弱性を特定し、修正する。必要であれば専門家の協力を得る。
6.Googleに再審査をリクエスト
Google Search Consoleでマルウェア感染の警告が出ている場合、サイトをクリーンにした後、再審査をリクエストする。
7.再発防止策の強化
今回の件を教訓に、セキュリティ対策をさらに強化する。
これらの作業は専門知識を要するため、自社での対応が難しい場合は、速やかにソシオラのような専門業者にご相談ください。
WordPress保守運用サービスで安心を
WordPressサイトのセキュリティ対策は、一度行えば終わりではありません。日々進化するサイバー攻撃に対応するためには、継続的な監視と対策が必要です。
ソシオラでは、お客様が安心してビジネスに集中できるよう、WordPressサイトの専門的な保守運用サービスを提供しています。
ソシオラの保守運用サービスでは、以下のようなセキュリティ対策を網羅的に実施します。
定期的なアップデート代行
WordPress本体、テーマ、プラグインのバージョンアップを安全に実施。
セキュリティ監視と脆弱性診断
24時間365日の監視体制で、不正アクセスやマルウェア感染の兆候を早期に検知。定期的な脆弱性診断で潜在的なリスクを洗い出す。
強力なバックアップ体制
毎日自動でサイト全体のバックアップを取得し、万が一の際には迅速に復元。
WAF導入・設定
Webアプリケーションファイアウォールを導入し、外部からの攻撃をブロック。
トラブルシューティング
サイトの不具合やハッキング発生時に、原因究明から復旧まで迅速に対応。
SEO対策AIO(AI検索最適化)対策支援
セキュリティ対策だけでなく、SEOに強いサイト運用やAIO検索に強いサイト運用のサポート。
ソシオラに保守運用をお任せいただくことで、お客様はセキュリティの専門知識がなくても、常に最新かつ強固なセキュリティ環境でWordPressサイトを運用できます。
大切なビジネス資産であるWebサイトを、プロの目でしっかりと守りませんか?
まとめ:継続的なセキュリティ対策でWordPressサイトを守り抜く
WordPressサイトのセキュリティ対策は、現代のWebサイト運営において避けて通れない重要な課題です。世界的なシェアの高さゆえに狙われやすいWordPressですが、適切な対策を講じることで、そのリスクを大幅に低減することができます。
本記事でご紹介した基本的な対策(最新状態の維持、強固なパスワード、不要な要素の削除、セキュリティプラグイン、バックアップ、ログインURL変更、WAF導入)は、すべてのWordPressユーザーが実践すべき最低限の防御策です。さらに、サーバーやデータベースの強化、ファイルパーミッションの最適化といった高度な対策を組み合わせることで、より強固なセキュリティ体制を構築できます。
しかし、セキュリティ対策は一度行えば終わりではなく、継続的な監視と更新が不可欠です。自社での対応が難しい場合は、ソシオラのようなWordPress専門の制作・保守運用会社に依頼することで、安心してサイトを運用できる環境を手に入れることができます。
あなたのWordPressサイトをハッキングから守り抜き、ビジネスの成長を加速させるために、今すぐセキュリティ対策を見直しましょう。ソシオラは、あなたのWebサイトの安全と成功を全力でサポートいたします。
WordPressサイトのセキュリティに関するご相談はソシオラへご相談ください。
この記事を書いた人
株式会社SOCIOLA 河田邦昭株式会社SOCIOLA代表取締役。 2009年よりWEB業界に従事し、2016年に株式会社SOCIOLAを設立。 これまで1000件以上のホームページ制作/運用の実績を経験。 WordPress制作、WordPressカスタマイズ、通販サイト制作、SEO対策、WEB広告など幅広く経験。 お客さまの「成功」を目的に、最高のホームページを常に追求し、結果に繋がるホームページを提供します。 WEBについてわからない方に、わかりやすくコミュニケーションを取れると評価を頂いております。 ホームページに困ったこと、相談したいことがある方はお気軽にご相談ください。