この記事の要点
- AI検索対策の費用は、単独施策なら20万〜80万円、ホームページ制作に組み込むなら100万〜300万円が中心的な価格帯です。
- 料金体系は一括制作型・月額運用型・診断コンサル型・成果報酬型の4タイプ。同じ「AI検索対策」でも中身が別物なので、体系から確認します。
- 金額を左右する最大の要因はページ数ではなく「既存サイトの構造」。JS依存や1ページ多トピックの構成だと、実装より先に作り直しが必要になります。
- 月5万円以下で「AI検索対策」を謳うサービスは、構造化データの一括挿入だけのケースが大半です。作業範囲を工程単位で確認してください。
- 見積を比較するときは総額ではなく、「診断」「情報設計」「実装」「コンテンツ」「計測」の5工程がどこまで含まれるかで並べ替えると差が見えます。
結論:費用相場の早見表
AI検索対策(LLMO/AIO)の費用は、依頼する範囲によって20万円から300万円以上まで幅があります。まず全体像を把握してください。
| 依頼範囲 | 費用相場(税別) | 期間の目安 | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
| AI検索露出診断のみ | 0〜30万円 | 1〜2週間 | 現状を把握したい/社内稟議の材料が欲しい |
| 既存サイトへの対策のみ | 20万〜80万円 | 3〜6週間 | サイトは作ったばかり/構造に大きな問題がない |
| 小規模サイト制作+対策 | 50万〜150万円 | 1.5〜3か月 | 1〜10ページ/サービス単位のサイト |
| コーポレートサイト制作+対策 | 100万〜300万円 | 3〜4か月 | 10〜30ページ/会社の顔となるサイト |
| ブランディング+対策 | 250万〜600万円 | 4〜6か月 | 30ページ以上/撮影・コンセプト設計から |
| 公開後の運用 | 月5万〜30万円 | 継続 | すべてのケースで推奨 |
この記事の金額について
本記事の金額は、当社が実際に提示している価格帯と、Web上で料金を公開している制作会社・SEO会社の情報をもとにした目安です。地域、業種、依頼先の規模によって変動します。正確な金額は必ず個別見積で確認してください。
ここから先は、この金額がどのように積み上がっているのか、そして何を確認すれば見積の妥当性を判断できるのかを工程単位で分解していきます。
同じ「AI検索対策」でも、依頼範囲によって金額は20万円から600万円まで30倍の幅があります。見積を比較する前に、まず自社がどの範囲を求めているかを決めてください。
自社の場合いくらかかるか知りたい方へ。無料診断では、現状の課題と概算をあわせてお伝えします。
無料でAI検索診断を依頼する →なぜAI検索対策の相場は分かりにくいのか
「AI検索対策 費用」で検索しても、20万円と書く会社と300万円と書く会社が並びます。これは、どちらかが不当というわけではなく、次の3つの理由によるものです。
理由1:同じ名前で、別のことをしている
AI検索対策という言葉には、まだ業界標準の定義がありません。実務上は次の5つの工程が想定されますが、どこまでを「AI検索対策」と呼ぶかが会社ごとに違います。
- 診断:現状、AIが自社をどう扱っているかを調べる
- 情報構造設計:AIが誤解しないページ構成・見出し設計を組む
- 技術実装:構造化データ、robots.txt、llms.txt、レンダリング方式
- コンテンツ制作:引用されうる一次情報を記事として整える
- 計測・改善:言及状況を追い、施策を回し続ける
20万円の見積は3番だけ、300万円の見積は1〜5番すべて、という違いであることがほとんどです。金額だけを並べても比較になりません。
理由2:既存サイトの状態によって工数が数倍変わる
構造化データを実装するだけなら、テンプレートに埋め込む作業なので工数は読めます。しかし実際の現場では、実装する前の段階で止まるサイトが少なくありません。
- 本文がJavaScriptでしか描画されず、HTMLとして取得できない
- サービス紹介ページが1枚に全事業を詰め込んでいて、主題が特定できない
- 見出しがすべて画像で作られており、テキスト情報がない
- 会社概要が画像1枚で、所在地も事業内容も機械的には読めない
これらは実装以前の設計上の問題です。土台が崩れている状態でタグだけ足しても効果は出ないため、改修を含めた見積になり、金額が跳ね上がります。
理由3:成果の定義が会社ごとに違う
SEOであれば「指定キーワードで◯位」という共通の物差しがありました。AI検索にはそれがありません。「AIに引用されること」をゴールとする会社もあれば、「AI経由の流入が増えること」「問い合わせが増えること」まで見る会社もあります。ゴールの置き方が違えば、必要な工程も金額も変わります。
料金体系の4タイプと、向いている企業
提示される料金は、大きく4つの体系に分かれます。まず自社がどのタイプを求めているかを決めると、見積比較が一気に楽になります。
タイプ1:一括制作型(初期費用中心)
相場:50万〜600万円 / 期間:1.5〜6か月
ホームページの新規制作またはリニューアルに、AI検索対策を組み込む形です。設計段階から対策を織り込めるため、費用対効果は最も高くなります。
納品時点でAIが読みやすい状態が完成するため、その後の運用コストも下げられます。既存サイトのリニューアルを検討している企業には、この形が最も合理的です。
タイプ2:月額運用型(ランニング中心)
相場:月5万〜30万円 / 契約期間:6か月〜1年が一般的
既存サイトに対して、記事の追加、構造化データの保守、AI言及状況の計測とレポートを継続的に行います。初期費用を抑えられる一方、構造上の問題がある場合は月額だけでは解決しません。
月額型を検討するときは、初月に構造の棚卸しが含まれているかを必ず確認してください。含まれていない場合、毎月記事を足しても土台が改善されないまま費用だけがかさみます。
タイプ3:診断・コンサル型(スポット)
相場:0〜30万円 / 期間:1〜3週間
現状のAI検索での露出を調査し、改善提案書を納品する形です。実装は自社または既存の制作会社が行います。社内稟議のために現状の数値が必要な場合や、複数社を比較する前の判断材料として有効です。
無料で提供している会社もありますが、その場合はレポートの粒度を確認してください。「競合が出ています」という定性的な指摘だけの資料と、プロンプト50件の実測結果と優先度つき改善案が並ぶ資料とでは、判断材料としての価値がまったく違います。
タイプ4:成果報酬型
相場:初期費用+成果に応じた変動費
一部の会社が提供していますが、AI検索では成果の定義が難しいため、契約条件の精査が不可欠です。最低限、次の4点を契約書に明記してください。
- 対象とするプロンプト(質問文)のリストと件数
- 対象とするAI(ChatGPT、Gemini、Perplexity、Copilotのどれか)
- 測定の頻度と、成果とみなす出現率(例:10回中3回以上)
- 測定結果のスクリーンショット等、証跡の保存方法
注意
生成AIの回答は、同じ質問でも実行するたびに変わることがあります。「1回出たから成果」という条件では、実質的な効果がなくても報酬が発生します。複数回の測定の平均で判定する条件にしてください。
費用の内訳|5工程それぞれの相場
見積を評価するには、工程ごとの相場を知っておくのが最短です。以下は、コーポレートサイト規模(10〜30ページ)を前提とした目安です。
| 工程 | 作業内容 | 費用目安 | 省略した場合の影響 |
|---|---|---|---|
| 1. AI検索露出診断 | プロンプト設計、各AIでの実測、競合の言及分析、改善提案 | 0〜30万円 | 施策の優先順位が決められず、効果検証の基準点も失う |
| 2. 情報構造設計 | サイトマップ、ページ分割方針、見出し設計、内部リンク設計 | 20万〜60万円 | 最も影響が大きい。土台がないまま実装しても引用されにくい |
| 3. 技術実装 | 構造化データ、robots.txt、llms.txt、レンダリング方式、表示速度 | 15万〜50万円 | AIが情報を取得・理解できない |
| 4. コンテンツ制作 | 一次情報の抽出、記事設計・執筆、FAQ整備 | 1本3万〜15万円 | 引用される「材料」がない状態が続く |
| 5. 計測・改善 | プロンプト単位の言及調査、GA4設定、月次レポート | 月5万〜30万円 | 効果が判断できず、次の打ち手も決まらない |
この表で注目すべきは、2番の情報構造設計が最も高く、かつ最も省略されやすいという点です。目に見える成果物が少ないため見積から落とされやすいのですが、ここを抜くと3番以降の効果が大きく下がります。
逆に、3番の技術実装だけを切り出して安価に提供するサービスが増えています。それ自体は否定しませんが、1・2番が済んでいる前提のサービスであることを理解した上で選んでください。情報構造の考え方はAIに引用される文章の書き方で詳しく解説しています。
注目すべきは2番の情報構造設計が最も高く、かつ最も省略されやすい点です。目に見える成果物が少ないため見積から落とされやすいのですが、ここを抜くと3番以降の効果が大きく下がります。
金額が変わる7つの要因
同じ「10ページのコーポレートサイト+AI検索対策」でも、見積が80万円になる場合と250万円になる場合があります。差を生む要因は次の7つです。
要因1:既存サイトの構造(影響度:大)
最も影響が大きい要因です。既存サイトがWordPressのシンプルなテーマで、本文がHTMLとして取得できる状態なら、対策は追加作業で済みます。一方、JavaScriptフレームワークでクライアントサイド描画しているサイトは、レンダリング方式の変更が必要になり、実装工数が2〜3倍になることがあります。
要因2:ページ数と情報量(影響度:大)
ページ数はそのまま設計・実装・検証の工数に効きます。ただし単純比例ではありません。テンプレート化できるページ(実績詳細、記事詳細など)は10ページでも20ページでも工数がほぼ変わらない一方、それぞれ構成が異なる独自ページは1枚ずつ設計が必要です。見積時は「総ページ数」ではなく「テンプレート数」で聞くと精度が上がります。
要因3:コンテンツの有無(影響度:大)
掲載する原稿が社内にあるか、制作側が取材・執筆するかで大きく変わります。取材を伴う記事執筆は1本あたり8万〜15万円、既存資料をもとにした再構成なら3万〜6万円が目安です。10本作れば、それだけで30万〜150万円の差になります。
要因4:撮影・素材の有無(影響度:中)
写真撮影は1日あたり10万〜25万円(カメラマン+ディレクション)、イラスト制作は1点1万〜5万円が目安です。AI検索対策の観点では画像そのものは評価されませんが、人物写真の有無は発信者の実在性(E-E-A-T)に影響します。特に執筆者・監修者の顔写真は、費用対効果が高い投資です。
要因5:CMSの要否と種類(影響度:中)
静的HTMLでの納品なら実装は軽く済みますが、更新のたびに制作会社への依頼が必要になります。WordPress等のCMSを組む場合は20万〜60万円程度の追加ですが、記事の継続追加が前提のAI検索対策では、結果的にCMSを入れたほうが総コストは下がるケースが多くなります。
要因6:計測体制の作り込み(影響度:中)
プロンプトを何件設計し、何種類のAIで、月何回測るか。20プロンプト×2AI×月1回なら軽い作業ですが、100プロンプト×4AI×月2回となると、自動化の仕組みを含めて相応の費用がかかります。まずは20〜30プロンプトから始め、当たりが見えてから拡張するのが現実的です。
要因7:依頼先の体制(影響度:中)
フリーランス、小規模制作会社、中堅制作会社、大手代理店では、同じ成果物でも金額が2〜4倍変わります。体制の厚みは、担当者の交代や長期運用時のリスクヘッジとして意味を持ちます。どちらが正しいということはなく、案件の重要度と社内の管理工数で判断してください。詳しくはAI検索対策会社の選び方で整理しています。
規模別・費用シミュレーション3ケース
実際にどう積み上がるのか、3つのケースで示します。金額は税別、いずれも当社の価格帯を基準にした概算です。
ケースA:既存サイトへの対策のみ(従業員20名・BtoBサービス業)
状況:2年前にWordPressで制作。構造に大きな問題はないが、構造化データは未実装。AIに聞くと競合しか出てこない。
| 項目 | 内容 | 費用 |
|---|---|---|
| AI検索露出診断 | 30プロンプト×3AI、競合分析、改善提案書 | 0円(無料診断) |
| 情報構造の見直し | サービスページ1枚を3ページに分割、見出し再設計 | 18万円 |
| 構造化データ実装 | 全ページにJSON-LD、検証まで | 15万円 |
| robots.txt / llms.txt | 整備・設置・疎通確認 | 5万円 |
| FAQページ新規作成 | 15問、FAQPageスキーマ実装 | 12万円 |
| 初期費用 合計 | 50万円 | |
| 運用(任意) | 月次言及調査+記事1本+レポート | 月8万円 |
ケースB:コーポレートサイトのリニューアル+対策(従業員80名・製造業)
状況:8年前に制作したサイト。スマホ対応が不十分、更新できていない。採用にも使いたい。
| 項目 | 内容 | 費用 |
|---|---|---|
| 診断・戦略設計 | AI検索診断、キーワード/プロンプト設計、サイトマップ | 25万円 |
| 情報構造設計 | 18ページ分の構成・見出し・内部リンク設計、ワイヤーフレーム | 40万円 |
| デザイン | トップ2案、下層テンプレート5種、スマホ設計 | 55万円 |
| 実装・CMS構築 | コーディング、WordPress、構造化データ、表示速度最適化 | 60万円 |
| コンテンツ制作 | 取材2回、原稿18ページ、AIO記事3本 | 45万円 |
| 撮影 | 1日・社内および人物カット | 15万円 |
| 計測設定 | GA4、Search Console、プロンプト計測の初期構築 | 10万円 |
| 初期費用 合計 | 250万円 | |
| 運用 | 月次調査、記事2本、構造化データ保守、改善提案 | 月15万円 |
ケースC:小規模サイト+対策(従業員5名・士業事務所)
状況:サイトがない、または名刺代わりの1ページのみ。地域+業種で指名されたい。
| 項目 | 内容 | 費用 |
|---|---|---|
| 診断・設計 | AI検索診断、地域KW設計、6ページ構成 | 12万円 |
| デザイン・実装 | 6ページ、レスポンシブ、構造化データ(LocalBusiness含む) | 48万円 |
| コンテンツ | 既存資料をもとに原稿整理、FAQ 12問 | 18万円 |
| 技術設定 | robots.txt、llms.txt、GA4、Search Console | 7万円 |
| 初期費用 合計 | 85万円 | |
| 運用 | 月次調査+記事1本 | 月5万円 |
読み方のコツ
3ケースに共通するのは、情報構造設計とコンテンツ制作が費用の3〜4割を占める点です。この2つが極端に薄い見積は、実装作業だけの見積である可能性が高いと考えてください。
月額運用費の相場と内訳
AI検索対策は公開して終わりではありません。生成AIの仕様は頻繁に変わり、競合も同じ施策を始めます。運用費の相場を、作業量ベースで整理します。
| 月額 | 含まれる作業の目安 | 適した状況 |
|---|---|---|
| 3万〜5万円 | 構造化データの保守、簡易レポート、軽微な修正(月2〜3時間相当) | 公開直後で、大きな改修予定がない |
| 5万〜10万円 | 上記+月20〜30プロンプトの言及調査+記事1本+改善提案 | 小〜中規模サイト。最も選ばれる価格帯 |
| 10万〜20万円 | 上記+記事2〜3本+競合分析+四半期ごとの構造見直し | 問い合わせ獲得を主目的にしている |
| 20万〜30万円以上 | 上記+50〜100プロンプトの多AI計測+広告・SNS連携+定例会 | Web経由の売上比率が高い、複数事業を持つ |
運用費で確認すべき3点
- 記事の本数と、取材の有無:「月1本」でも、既存資料の再構成と新規取材では工数が3倍違います
- 計測するプロンプト数とAIの種類:件数が明記されていない契約は、実質的に計測していない可能性があります
- レポートに改善提案が含まれるか:数値の羅列だけでは次の打ち手が決まりません
計測の具体的な方法はAI検索対策の効果測定で詳しく解説しています。
安すぎる見積・高すぎる見積の見分け方
安すぎる見積に共通する特徴
- 作業内容が「AI検索対策一式」とだけ書かれている:工程が定義されていない
- 診断と情報構造設計が含まれていない:実装だけの見積である可能性が高い
- 構造化データが「主要ページのみ」となっている:全ページに入れないと効果が限定的
- 計測方法の説明がない:効果を検証する仕組みがない
- 納品後の保守が含まれない:CMS更新で構造化データが消えても対応されない
安価であること自体は問題ではありません。作業範囲が明確で、その範囲において妥当な金額であれば適正です。問題なのは、範囲が曖昧なまま安い場合です。
高すぎる見積に共通する特徴
- 「AI」を冠した独自ツールの利用料が高額に積まれている:中身の説明を求めてください
- ページ数に比例して情報構造設計費が積み上がっている:テンプレート化できる部分は逓減するはずです
- 成果保証と称した高額な初期費用:AI検索の成果は保証しづらいことを踏まえて条件を確認
- 他社にも当てはまる汎用提案書に、自社向けの金額だけが載っている:診断が実施されていない
要注意
「AIに必ず表示されます」「掲載を保証します」という提案は避けてください。生成AIの回答は各社のアルゴリズムに依存し、外部から確約できるものではありません。確約する提案は、根拠か誠実さのどちらかを欠いています。
見積書のチェックポイント10項目
複数社から見積を取ったあと、この10項目で並べると比較しやすくなります。そのままチェックリストとして使ってください。
| # | 確認項目 | 見るべきポイント |
|---|---|---|
| 1 | 工程ごとの内訳が記載されているか | 診断/設計/実装/コンテンツ/計測の5区分 |
| 2 | 構造化データの実装範囲 | 「全ページ」か「主要ページのみ」か。スキーマ名の明記 |
| 3 | 情報構造設計が含まれるか | 成果物としてサイトマップ・見出し設計書が出るか |
| 4 | コンテンツ制作の本数と単価 | 取材の有無、修正回数の上限 |
| 5 | 計測の仕様 | プロンプト件数、対象AI、測定頻度 |
| 6 | URL変更時のリダイレクト対応 | リダイレクト表が成果物に含まれるか |
| 7 | 修正回数と、超過時の単価 | 「デザイン2回まで」等の上限と追加費用 |
| 8 | 別途費用の範囲 | サーバー、ドメイン、有料フォント、写真素材 |
| 9 | 納品物と著作権の扱い | ソースコード・デザインデータの権利帰属 |
| 10 | 保守範囲と対応時間 | 構造化データの保守が含まれるか、障害時の対応 |
特に6番は見落とされがちですが、抜けると損害が最も大きい項目です。既存URLで蓄積した評価を失うだけでなく、AIが参照していたURLが404になります。詳しくはリニューアルのチェックリスト22項目で解説しています。
契約後に発生しやすい追加費用5つ
見積書に載っていないのに、進行中に発生しがちな費用があります。事前に把握しておくと、予算の組み方が変わります。
1. 原稿作成費(発生率:高)
見積時に「原稿はご支給ください」となっているケースは非常に多いのですが、実際に社内で原稿を書ける体制がある企業は限られています。着手後に「やはり書けないので依頼したい」となり、1ページあたり3万〜8万円が追加されます。18ページのサイトなら50万〜140万円の差です。見積段階で、原稿を誰が書くかを必ず確定させてください。
2. 写真素材費(発生率:高)
「イメージ写真はストックフォトで」と決めていても、業種によっては適切な素材が見つからず、撮影に切り替わることがあります。ストックフォトは1点1,000〜5,000円ですが、撮影は1日10万〜25万円です。製造業の工場、士業の事務所、クリニックの院内など、実物の写真が信頼性に直結する業種では、最初から撮影を前提に予算を組むほうが安全です。
3. 既存データの移行費(発生率:中)
ブログ記事や実績データが数十〜数百件ある場合、その移行作業に費用が発生します。CSVで一括インポートできれば5万〜15万円ですが、旧CMSの構造が特殊だったり、記事内の画像パスを一括変換する必要があったりすると、20万〜50万円になることがあります。移行対象の件数を、見積依頼時に伝えてください。
4. 修正回数の超過分(発生率:中)
多くの見積は「デザイン修正2回まで」といった上限を設けています。社内の決裁者が多く、途中で方針が変わる組織では、この上限を超えやすくなります。超過分は1回あたり3万〜10万円が目安です。誰が最終決定するかを事前に決め、初回提示前に要件を固めることで、この費用は大きく抑えられます。
5. 公開後の緊急対応(発生率:低〜中)
保守契約に含まれない範囲での修正依頼や、サーバー障害時の対応です。保守契約の内容によっては、時間単価(1万〜2万円/時間)での請求になります。「何が保守に含まれ、何が別料金か」を契約書で確認してください。特に、構造化データがCMSの更新で消えた場合の復旧が含まれるかは重要です。
追加費用を抑えるコツ
見積依頼の段階で「この見積に含まれないものを列挙してください」と依頼してください。誠実な会社ほど、この質問に具体的に答えます。逆に「特にありません」という回答は、要件が詰められていないサインです。
投資判断は「AI検索対策が流行っているか」ではなく、平均受注単価 × 粗利率 × 成約率で決めてください。単価が高く、検討期間が長いビジネスほど投資対効果は高くなります。
費用対効果の考え方と回収シミュレーション
「250万円をかける価値があるのか」を判断するには、平均受注単価と成約率から逆算するのが確実です。
回収に必要な件数の計算式
必要な追加受注件数 = 投資額 ÷(平均受注単価 × 粗利率)
必要な追加問い合わせ数 = 必要な追加受注件数 ÷ 成約率
計算例
| 前提 | ケースA(50万円) | ケースB(250万円) |
|---|---|---|
| 平均受注単価 | 80万円 | 300万円 |
| 粗利率 | 40% | 30% |
| 問い合わせからの成約率 | 20% | 15% |
| 回収に必要な受注 | 約1.6件 | 約2.8件 |
| 回収に必要な問い合わせ | 約8件 | 約19件 |
| 1年で割った月あたり | 月0.7件の問い合わせ増 | 月1.6件の問い合わせ増 |
この数字を見ると、問い合わせが月1〜2件増えれば1年で回収できる水準であることが分かります。逆に、平均受注単価が10万円以下のビジネスでは、同じ投資額の回収難易度は跳ね上がります。
判断の目安
投資判断は「AI検索対策が流行っているか」ではなく、平均受注単価 × 粗利率 × 成約率で決めてください。単価が高く、検討期間が長く、比較検討されるビジネスほど、AI検索対策の投資対効果は高くなります。
もうひとつの評価軸:機会損失
費用対効果は「増える売上」だけで測りがちですが、AI検索では対策しないことによる機会損失も無視できません。競合が先に引用される状態が定着すると、あとから追いつくには相応の時間がかかります。特に、AIが参照しやすい形で情報を整えた企業が業界内に数社できてしまうと、その後の逆転コストは上がります。
依頼先タイプによる価格差
同じ要件でも、制作会社・SEO会社・広告代理店・専業のどこに依頼するかで金額は2〜3倍変わります。代理店は再委託の管理費が乗るため高くなり、専業は範囲が限定されるぶん安くなる傾向があります。タイプ別の強みと限界はどこに頼むべきかで比較しています。
いずれも既存サイトを作り直さずに実施でき、将来リニューアルする際も無駄にならない施策です。ここで整理した情報は、そのまま流用できます。
この図のどこに自社が当てはまるか判断がつかない場合は、無料のAI検索診断で現状をお調べします。
無料でAI検索診断を依頼する →予算が限られている場合に優先すべき3施策
いきなり数百万円を投じられないケースは多くあります。その場合、次の3つだけを先にやってください。合計20万〜40万円程度、期間3〜4週間で実施できます。
優先1:AIクローラーのアクセス確認と許可設定(費用:3万〜5万円)
robots.txtでGPTBot、OAI-SearchBot、PerplexityBot、Google-Extendedなどを意図せずブロックしていないか確認します。CDNやWAFの設定で弾かれているケースも珍しくありません。ここが閉じていると、他の施策がすべて無効になります。設定方法はllms.txtとrobots.txtの使い分けで解説しています。
優先2:構造化データの実装(費用:10万〜20万円)
Organization、BreadcrumbList、Service、FAQPageの4つから着手します。会社の基礎情報が機械的に読める状態になるだけで、AIが自社を誤認するリスクが大きく下がります。実装コードは構造化データ実装ガイドに掲載しています。
優先3:FAQページの新設と、サービス説明の具体化(費用:8万〜15万円)
顧客から実際に聞かれている質問を10〜15問、そのまま見出しにしてページを作ります。あわせて、サービス説明の抽象的な表現を数値と固有名詞に書き換えます。「実績豊富」を「制作120件、うち製造業32件」に変えるだけで、引用される確率が変わります。
この3つを選ぶ理由
いずれも既存サイトを作り直さずに実施でき、かつ後から本格対策をする際に無駄にならない施策だからです。将来リニューアルする場合も、ここで整理した情報はそのまま流用できます。
参考:当社の料金プラン
比較の基準として、当社の価格帯を掲載します。いずれも税別、すべてのプランにAI検索対策と構造化データの実装を含みます。
| プラン | 規模 | 費用 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| AIO LIGHT | 1〜10ページ | 10万円〜 | 診断、情報構造設計、構造化データ実装、llms.txt整備、レスポンシブ実装 |
| AIO STANDARD | 10〜30ページ | 60万円〜 | 上記+AIO記事5本、E-E-A-T設計、CMS構築、公開後3か月のモニタリング |
| AIO BRANDING | 30ページ以上 | 200万円〜 | 上記+ブランドコンセプト設計、撮影、AIO記事15本、外部サイテーション設計 |
| 運用プラン | — | 月5万円〜 | 月次のAI引用状況レポート、記事追加、構造化データ保守、改善提案 |
初回のAI検索露出診断は無料です。想定される質問文を設計し、各AIに実際に投げて、現状の露出・引用されている競合・優先度順の改善提案をレポートにしてお渡しします。見積を取る前の判断材料として、また他社と比較する際の基準としてご活用ください。
見積依頼の前に用意しておくとよいもの
- 現在のサイトURL(リニューアルの場合)
- 受注したい案件の種類と、想定している顧客像
- 平均的な受注単価と、Web経由の問い合わせ件数(分かる範囲で)
- おおよその予算感と、公開したい時期
- 社内で更新する体制があるか(CMSの要否判断に使います)
この5点が揃っていると、初回の打ち合わせで概算をお伝えできます。分からない項目があっても問題ありません。整理するところからご相談ください。
まとめ:金額ではなく「工程」で比較する
本記事で繰り返しお伝えしてきたのは、AI検索対策の見積は総額では比較できないということです。同じ100万円でも、実装作業だけの100万円と、診断から計測まで通した100万円では、得られる結果がまったく違います。
比較の手順としては、まず各社の見積を「診断/情報構造設計/技術実装/コンテンツ制作/計測改善」の5工程に分解して並べ替えてください。空欄が多い見積は、その分だけ自社または別会社で埋める必要があるということです。そのうえで、埋めるコストを足した実質の総額で比較すれば、判断を誤ることはありません。
依頼先の選定基準についてはAI検索対策会社の選び方、要件を文書化する方法はRFP(提案依頼書)の書き方にまとめています。あわせてご覧ください。
よくある質問
Q.AI検索対策だけを単独で依頼できますか?費用はいくらですか?
A.既存サイトを作り直さずにAI検索対策だけを依頼することは可能で、費用は20万〜80万円程度が中心です。構造化データの実装、robots.txtとllms.txtの整備、会社基礎情報のテキスト化、FAQの追加といった施策は既存サイトのまま実施できます。ただし1ページに複数トピックが混在している、本文が画像化されている、JavaScriptに依存して本文が取得できないといった構造上の問題がある場合は、実装だけでは効果が出にくく、サイト改修を含めた見積になります。まず現状診断で切り分けることをおすすめします。
Q.月額5万円のAI検索対策サービスは安すぎますか?
A.一概に安すぎるとは言えませんが、作業範囲の確認が必要です。月額5万円前後の場合、実務としては構造化データの保守、月1〜2本の記事更新、簡易的なレポート提出のいずれかに限定されているのが一般的です。プロンプト単位の言及調査を数十パターン行い、改善提案まで含めるとなると、工数だけで月10万円前後が下限になります。金額の高低ではなく、その金額で何時間分の作業が行われるかを確認してください。
Q.成果報酬型のAI検索対策はありますか?
A.一部に存在しますが、注意が必要です。SEOの順位と違い、AI検索での露出は質問文の言い回しやタイミングによって結果が変動するため、成果の定義が曖昧になりがちです。「AIに社名が出たら課金」という条件の場合、どのプロンプトで、どのAIで、何回中何回出れば成果とみなすのかを契約前に明文化してください。定義が曖昧なまま契約すると、成果の解釈で揉める原因になります。
Q.ホームページ制作とAI検索対策は分けて発注したほうが安いですか?
A.多くの場合、まとめて発注したほうが安くなります。AI検索対策の中身は情報構造の設計と実装が中心で、これは制作工程と不可分です。分けて発注すると、制作会社が作った構造をあとから対策会社が組み替えることになり、手戻りのぶん工数が増えます。目安として、設計段階から組み込む場合の追加費用は制作費の10〜20%程度ですが、公開後に後付けすると同等の状態にするのに制作費の30〜50%相当かかることがあります。
Q.見積に「AI検索対策一式」としか書かれていない場合はどうすべきですか?
A.工程ごとの内訳提出を依頼してください。最低限、診断・情報構造設計・構造化データ実装・コンテンツ制作・計測レポートの5工程について、それぞれ含まれるか、何時間または何ページ分かを明示してもらいます。内訳が出せない場合、実作業の定義が固まっていない可能性があります。内訳が出れば他社比較も可能になり、契約後の「それは範囲外です」というトラブルも防げます。
