この記事の要点
- AI検索対策の実力は「構造化データを全ページに実装するか」「AI言及をどう計測するか」の2問でほぼ判別できます。答えが具体的でなければ実務経験がありません。
- 依頼先は制作会社・SEO会社・広告代理店・専業に大別されます。設計段階から関与できるかどうかが、実行力の分かれ目です。
- 「AIに必ず表示されます」と保証する会社は避けてください。生成AIの回答は外部から確約できるものではありません。
- 実績は「制作本数」ではなく「その会社自身がAI検索で引用されているか」で確認できます。自社サイトで検証してみてください。
- 選定は3社までに絞ってください。4社以上は比較軸がぶれ、判断が遅れて競合に先行されます。
結論:2つの質問で実力は判別できる
AI検索対策を掲げる会社は急増しました。しかし実務経験の有無は、次の2つの質問への答え方でほぼ判別できます。
判別のための2問
質問1:構造化データは全ページに実装されますか。実装するスキーマ名を具体的に挙げてください。
質問2:AI検索での露出は、どのように計測して報告いただけますか。
質問1で見るべきポイント
「対応しています」で終わる回答は要注意です。実務経験がある会社なら、Organization、BreadcrumbList、Service、FAQPage、Article、LocalBusiness といったスキーマ名が具体的に出てきます。さらに、実装後にリッチリザルトテストとSchema Markup Validatorの両方で検証するという手順まで説明できれば、信頼度は高いと判断できます。
実装対象を「主要ページのみ」としている場合も確認が必要です。BreadcrumbListは全ページに入れるのが基本で、一部だけに入れるのは合理性がありません。
質問2で見るべきポイント
ここで検索順位の話しか出てこない場合、AI検索対策の実務経験はほぼありません。順位ツールでAI検索の露出は測れないからです。
実務経験のある会社なら、次のような答えが返ってきます。
- 想定される質問文(プロンプト)を数十件設計し、定期的に各AIへ投げて記録する
- 自社名が挙がるか、何番目か、どのページが引用元として提示されるかを追う
- GA4のリファラーでAI検索経由の流入とコンバージョンを分離する
- Search Consoleで指名検索数の推移を見る
計測方法の詳細はAI検索対策の効果測定にまとめています。この記事の内容を相手が説明できるかどうかが、ひとつの基準になります。
なぜ今、AI検索対策の会社選びは難しいのか
ホームページ制作会社を選ぶこと自体は、以前から難しい作業でした。品質の差が発注前には見えにくく、価格の根拠も分かりにくいからです。AI検索対策が加わったことで、その難しさはさらに増しています。理由は3つあります。
理由1:専門を名乗るハードルが極端に低い
AI検索対策には、公的な資格も業界団体の認定もありません。サービスページに「LLMO対応」と1行書くだけで、その日から専門会社を名乗れます。実際、2025年以降、既存のSEO会社や制作会社が一斉にこの言葉を使い始めました。
問題は、その中に実際の案件で構造化データを実装したことがない会社が相当数含まれていることです。発注側から見ると、看板だけでは実力が判別できません。だからこそ、冒頭に挙げた2つの質問のような、具体性を問う確認が必要になります。
理由2:成果が見えるまでに時間がかかり、途中の判断材料が乏しい
広告なら翌日には数字が出ます。SEOも順位ツールで週次の変化が追えます。ところがAI検索での露出は、公開から1〜3か月かけて現れ、しかも標準的な計測ツールが確立していません。
結果として、契約から半年近く「効いているのか分からない」状態が続くことがあります。この期間を乗り切るには、施策の理屈が説明でき、途中経過を可視化できる会社を選んでおく必要があります。「とりあえずお任せください」で進む相手だと、半年後に何も残っていないという事態になりかねません。
理由3:発注側が判断基準を持ちにくい
デザインの良し悪しであれば、発注側にも一定の判断ができます。しかし「構造化データが正しく実装されているか」「情報構造がAIにとって読みやすいか」は、専門知識がないと評価できません。
この非対称性は避けられませんが、緩和はできます。本記事で挙げているような「確認方法」を持っておくことです。ソースを開いて ld+json を探す、実績サイトをスマホで開く、AIに聞いてみる。いずれも専門知識がなくても実行できて、実力の差がはっきり出ます。
前提の共有
AI検索対策は、まだ「正解が確立された領域」ではありません。だからこそ、断定的に語る会社より、根拠と限界を説明できる会社を選ぶほうが、長期的には安全です。分からないことを「分かりません、検証します」と言える相手のほうが、実務では信頼できます。
依頼先4タイプの強みと限界
AI検索対策を請け負う会社は、出自によって4タイプに分かれます。それぞれ得意領域が違うため、自社の状況に合うタイプを選ぶことが第一歩です。
| タイプ | 強み | 限界 | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
| ホームページ制作会社 | 設計段階から構造を組める。デザインと両立できる | 計測・改善の継続体制が弱い会社もある | リニューアルを伴う。ブランド表現も重視したい |
| SEO・コンテンツ会社 | キーワード設計と記事制作の蓄積がある | 実装は制作会社任せになりがち。デザイン対応は難しい | サイトは維持。記事とテキストで改善したい |
| 広告代理店 | 体制が厚い。広告・SNSと横断で設計できる | 実作業が下請けに流れ、細部の精度が落ちることがある | 複数チャネルを統合管理したい。予算規模が大きい |
| AI検索対策の専業 | 最新動向への追随が速い。計測ノウハウがある | 会社が新しく実績が浅い。制作は範囲外のことが多い | すでに良質なサイトがあり、対策だけ足したい |
タイプ選びで最も重要な観点
4タイプを比べたとき、判断の分かれ目になるのは「設計段階から関与できるか」です。
AI検索対策の効果は、ページ構成・見出し設計・URL設計といった土台で大きく決まります。すでにデザインとコーディングが終わったあとに呼ばれても、できることはタグの追加に限られます。もしリニューアルを検討しているなら、AI検索対策の話は制作会社の選定と同時に始めてください。
依頼先タイプごとの比較はSEO会社・代理店・制作会社、どこに頼むべきかでさらに詳しく整理しています。
A群の5項目で1つでも欠けるなら再考をおすすめします。12項目すべてを商談で聞くと相手も身構えるので、A群だけを最初に確認し、残りは提案書と実績サイトで判断してください。
見るべき12の判断項目
候補が絞れたら、次の12項目で評価してください。すべてを満たす必要はありませんが、A群(1〜5)で1つでも欠けるなら再考をおすすめします。
A群:実行力の核(必須)
| # | 項目 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 1 | 構造化データを全ページに実装するか | スキーマ名を挙げられるか。過去案件のソースを見せてもらう |
| 2 | AI言及の計測方法を持っているか | プロンプト件数・対象AI・頻度を答えられるか |
| 3 | 情報構造設計が工程に含まれるか | 成果物としてサイトマップ・見出し設計書が出るか |
| 4 | AIクローラーの設定方針を説明できるか | 学習利用と検索利用の切り分けを説明できるか |
| 5 | URL変更時のリダイレクト設計を成果物にするか | リダイレクト表が納品物に含まれるか |
B群:継続性と品質(重要)
| # | 項目 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 6 | 公開後の保守に構造化データが含まれるか | 契約書の保守範囲を確認 |
| 7 | デザイン品質が自社の期待水準にあるか | 実績サイトを実機で見る。スマホ表示も確認 |
| 8 | 本文をJSなしで取得できる実装にするか | 実績サイトのソースを表示し、本文が含まれるか確認 |
| 9 | 自社の業界を理解しているか | 初回商談で業界特有の論点が出てくるか |
| 10 | 担当者が最後まで変わらないか | 営業と制作担当が別か。実務担当が同席するか |
C群:あると望ましい(加点)
| # | 項目 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 11 | 自社サイトがAI検索で引用されているか | 実際にAIに聞いてみる(後述) |
| 12 | 技術情報を継続的に発信しているか | ブログ・技術記事の更新頻度と中身 |
評価のコツ
12項目すべてを商談で聞くと相手も身構えます。A群5項目だけを最初の商談で確認し、残りは提案書と実績サイトで判断するのが効率的です。
商談で使える見極め質問11個
そのまま使える質問文です。回答の「具体性」を見てください。抽象的な返答が続く場合、実務の蓄積が薄い可能性があります。
技術面の質問(4問)
- 「構造化データはどのスキーマを、どのページに実装しますか」
期待される回答:Organizationはサイト共通、BreadcrumbListは全ページ、Serviceはサービスページ、FAQPageはFAQ、Articleは記事…といった対応関係が出てくる。 - 「実装後の検証はどのツールで行いますか」
期待される回答:リッチリザルトテストとSchema Markup Validatorの2つ。片方だけの場合、schema.org仕様への準拠チェックが抜けます。 - 「robots.txtでAIクローラーはどう設定しますか」
期待される回答:GPTBot、OAI-SearchBot、PerplexityBot、Google-Extendedなどを挙げ、学習利用と検索利用を切り分けて方針を説明できる。 - 「本文はJavaScriptなしで取得できる実装になりますか」
期待される回答:SSR/SSG、あるいはWordPressのサーバーサイド描画で担保する、という技術的な説明。
成果と計測の質問(4問)
- 「AI検索での成果を、何をもって成果とみなしますか」
成果の定義が曖昧なままだと、後の評価で必ず揉めます。 - 「計測するプロンプトは何件で、どのAIが対象ですか」
件数と対象AIが即答できるかを見ます。 - 「レポートには改善提案が含まれますか。サンプルを見せてください」
数値の羅列だけのレポートか、次の打ち手が書かれているかが分かります。 - 「効果が出るまでの期間をどう見込んでいますか」
「すぐ出ます」は不誠実、「分かりません」は経験不足。1〜3か月という現実的な幅で答えられるかを見ます。
体制と条件の質問(3問)
- 「この見積に含まれないものを列挙してください」
誠実な会社ほど具体的に答えます。追加費用が発生しやすい項目を把握しておくと、回答の精度が判定できます。 - 「本日ご同席の方は、実制作にも関わりますか」
営業のみで、実務担当が別かどうかを確認します。 - 「公開後、構造化データが消えた場合の対応は保守に含まれますか」
CMS更新やテーマ変更で消える事故は実際に起きます。
自社で成果を出せていない会社が、顧客のサイトで成果を出すのは困難です。候補企業の名前が挙がるか、そのサイトが引用元として提示されるかを確認してください。※業界内の知名度にも左右されるため、参考指標として使ってください。
その会社の実力を自分で検証する方法
提案書や商談だけで判断せず、3分でできる検証を実施してください。相手に伝える必要はありません。
検証1:AIにその会社を聞いてみる
ChatGPTやPerplexityに、次のような質問を投げます。
・AI検索対策に対応しているホームページ制作会社を教えて
・LLMO対策ができるWeb制作会社はどこ?
・(地域名)でAI検索対策に強い制作会社は?
候補企業の名前が挙がるか、その会社のサイトが引用元として提示されるかを確認します。自社で成果を出せていない会社が、顧客のサイトで成果を出すのは難しいと考えるのが自然です。
ただし、業界内の知名度や記事数によっても左右されるため、これだけで判断せず参考指標としてください。
検証2:その会社のサイトのソースを見る
ブラウザでページを開き、右クリックから「ページのソースを表示」を選び、ld+json で検索します。
- 見つからない:構造化データが未実装。自社サイトでやっていない施策を顧客に提案していることになります
- 見つかる:中身を確認。Organizationのみか、Service・FAQPage・BreadcrumbListまで入っているか
あわせて robots.txt(ドメイン直下)と llms.txt の有無も確認できます。実装済みなら、少なくとも自社で試している証拠になります。
検証3:実績サイトを実機で開く
提案書のスクリーンショットではなく、実際のサイトをスマートフォンで開いてください。確認するのは3点です。
- 表示速度(体感で3秒以上かかるなら要確認)
- 見出しが画像ではなくテキストで作られているか
- スマホでの操作性(タップ領域、文字サイズ、フォーム)
提案書に載っている実績は、当然ながら各社が最も自信のある案件です。それでもスマホで開いたときに文字が小さすぎたり、読み込みに時間がかかったりする場合は、実装の水準がその程度であると判断して差し支えありません。逆に、地味な業種のサイトでも表示が速く、見出しがきちんとテキストで組まれていれば、技術的な基礎はできています。
検証4:問い合わせフォームから質問を送ってみる
正式な相談の前に、簡単な技術的質問をフォームから送ってみてください。「既存サイトの構造化データが実装されているか調べる方法はありますか」といった、10行程度で答えられる内容で構いません。
見るのは返信までの時間と、回答の中身です。1営業日以内に、営業トークではなく具体的な手順が返ってくる会社は、運用が始まってからのやり取りも同じ調子で進みます。定型の営業メールしか返ってこない場合、実務担当者に質問が届いていない体制である可能性があります。
判断の分かれ目は「タグの追加作業」ではなく「情報設計の問題」として理解しているかです。商談の場では、その視点が発言に現れるかを見てください。
この図のどこに自社が当てはまるか判断がつかない場合は、無料のAI検索診断で現状をお調べします。
無料でAI検索診断を依頼する →避けるべき提案の6つの特徴
1. 「AIに必ず表示されます」と保証している
生成AIの回答は各社のアルゴリズムに依存し、外部から確約できるものではありません。確約する提案は、根拠か誠実さのどちらかを欠いています。
2. 独自ツールの利用料が高額で、中身の説明がない
「当社独自のAI最適化エンジン」といった説明で、具体的に何をするツールか説明されない場合は、内訳の開示を求めてください。実態が構造化データの一括挿入だけ、というケースもあります。
3. 提案書に自社サイトへの具体的な指摘がない
汎用の会社紹介資料に金額だけが載っている提案は、事前調査が行われていません。診断もせずに見積を出せるということは、作業内容が定型化されているということでもあります。
4. 「SEOと同じです」と説明される
SEOが土台になるのは事実ですが、同じではありません。評価軸の違い(順位ではなく引用、被リンクではなく具体性と実在性)を説明できない会社は、この領域を追えていません。違いはAI検索対策とは?で整理しています。
5. 記事の量産を主軸に据えている
「月10本の記事を投入します」という提案は、一見手厚く見えます。しかしAIは重複した情報を評価しません。似た内容の記事を10本書くより、独自データを含む記事を1本書くほうが引用されます。本数ではなく、一次情報をどう作るかの説明を求めてください。
6. 契約書の作業範囲が「一式」表記のみ
「AI検索対策一式」「Webサイト制作一式」といった記載しかない契約書は、後の解釈違いの温床です。工程ごとの内訳と、成果物のリストを添付してもらってください。
よくある失敗パターン5つ
失敗1:デザイン重視で選び、対策が後付けになった
デザインの実績だけで選定した結果、公開後にAI検索対策を追加しようとしたところ、画像に文字が焼き込まれていて対応できなかったケース。デザインと対策は両立できますが、それは設計段階から意識していた場合に限られます。
失敗2:安さで選び、実装だけの納品になった
相場より大幅に安い見積で契約したところ、構造化データの挿入のみで、情報構造は既存のまま。半年経っても変化がなく、結局作り直しになったケース。安い見積は「範囲が狭い」のであって「お得」ではないことがあります。
失敗3:計測の仕組みがなく、効果が判断できなかった
施策は実施されたが、AI言及の計測が行われておらず、効果があったのかどうかも分からないまま契約更新の時期を迎えたケース。計測は最初から契約に含めてください。
失敗4:担当者が交代し、方針が引き継がれなかった
設計思想を理解していた担当者が異動し、後任が構造を無視した更新を重ねた結果、当初の設計が崩れたケース。設計書を成果物として受け取っておくことで、担当交代のリスクを下げられます。
失敗5:選定に時間をかけすぎ、競合に先行された
5社以上から見積を取り、比較検討に4か月かけている間に、同業他社が先に対策を完了。AI検索では先行した企業が引用されやすくなるため、後発が追いつくには時間がかかります。比較は3社まで、1か月以内に決めると決めておくことをおすすめします。
失敗6:見た目の刷新だけで満足し、中身の整理を後回しにした
デザインは見違えるほど良くなったものの、掲載している情報は旧サイトからそのまま移しただけ。「業界をリードする総合力」「お客様第一の姿勢」といった抽象的な文章が並んだまま公開されたケースです。
この状態では、どれだけ構造化データを実装してもAIに引用される材料がありません。AI検索対策の半分は、書かれている中身の問題です。リニューアルの機会に、サービス説明の一文ずつを「これは競合のサイトにもそのまま書けるか」で点検してください。書けるなら、その文章は引用されません。書き換えの具体的な手順はAIに引用される文章の書き方で解説しています。
制作会社を選ぶ際も、この点検を提案してくれるかどうかは判断材料になります。原稿の中身にまで踏み込む会社と、支給された原稿をそのまま流し込む会社では、公開後の結果が変わります。
提案書のどこを読むか
提案書は分量が多く、どこを見るべきか迷いがちです。次の4か所に絞って読んでください。
1. 現状分析のページ
自社サイトの具体的な指摘があるか。「デザインが古い」ではなく、「サービスページが1枚に3事業を含んでいるため、AIが主題を特定できない」といった構造レベルの指摘があるかを見ます。ここが最も実力差が出ます。
2. サイトマップと情報設計のページ
ページの一覧だけでなく、各ページが担う役割と、想定される検索・質問文が紐づいているか。単なるページ一覧なら、設計が行われていない可能性があります。
3. スケジュールのページ
「構造化データ実装」「検証」「計測設定」といった工程が、スケジュール上に独立した項目として存在するか。コーディング工程に含まれている場合、実質的に実装されない恐れがあります。
4. 見積内訳のページ
診断/情報構造設計/技術実装/コンテンツ制作/計測改善の5工程に分解できるか。詳しい見方はAI検索対策の費用相場で解説しています。
契約前に確認すべき条件7項目
| # | 確認項目 | 確認しないと起きること |
|---|---|---|
| 1 | 作業範囲の工程別内訳(別紙可) | 「それは範囲外です」で追加費用が発生 |
| 2 | 成果物リスト(設計書・リダイレクト表を含む) | 担当交代時に設計思想が失われる |
| 3 | 修正回数の上限と超過時の単価 | 想定外の追加請求 |
| 4 | 納品物の著作権・ソースコードの権利帰属 | 他社へ移管できない |
| 5 | 保守範囲(構造化データの復旧を含むか) | 更新で消えても対応されない |
| 6 | 最低契約期間と解約条件 | 成果が出なくても解約できない |
| 7 | 再委託の有無と範囲 | 実作業の品質が管理できない |
特に注意
4番の権利帰属は、将来の乗り換えコストに直結します。ソースコードと制作データの引き渡しが可能かを必ず確認してください。独自CMSに依存する構成の場合、その会社を離れられなくなります。
比較は3社まで、1か月以内に決めると最初に決めておいてください。AI検索では先行した企業が引用されやすくなるため、選定に3か月かける間に競合が完了しているケースがあります。
選定プロセスの進め方(4週間モデル)
比較検討が長引くほど着手が遅れます。4週間で決める進め方を示します。
| 週 | やること | 成果物 |
|---|---|---|
| 1週目 | 社内で目的と予算枠を確定。RFP(提案依頼書)を作成 | RFP、要件リスト |
| 2週目 | 候補3社に打診、初回商談。A群5項目を確認 | 各社の一次評価 |
| 3週目 | 提案・見積の受領。無料診断があれば実施してもらう | 提案書3社分、診断レポート |
| 4週目 | 12項目で評価、社内稟議、契約条件の確認 | 選定結果、契約書 |
RFPを用意すると比較が一気に楽になる
同じ条件で提案を受けられるため、金額と内容の比較が正確になります。加えて、RFPに要件を書いておけば、契約後に「そこは想定していなかった」というずれも防げます。作り方とテンプレートはRFP(提案依頼書)の書き方にまとめています。
RFPを作る時間がない場合でも、チェックリスト22項目をそのまま各社に渡すだけで、要件の共有としては機能します。
発注後に成果を出すための社内側の準備
良い会社を選んでも、社内の受け入れ体制が整っていないと成果は出ません。制作会社側から見て「進行が滞る案件」には共通点があります。発注前に、次の4点を社内で決めておいてください。
1. 最終決裁者を1人に決める
デザイン確認や原稿確認の段階で、社内から複数の意見が出て方針が二転三転する。これが最も多い遅延要因です。関係者から意見を集めること自体は良いのですが、最終的に1人が決める体制にしておかないと、修正回数の上限をすぐに超えます。
特にAI検索対策では、「見た目が地味になるが、AIには読める」という選択を迫られる場面があります。たとえば、装飾的な画像見出しをテキスト見出しに変える判断です。ここで判断がぶれると、対策そのものが骨抜きになります。
2. 一次情報を出せる人を確保する
AI検索対策で効くのは、自社しか出せない具体的な情報です。制作会社が外から書けるのは一般論までで、平均的な工期、対応可能な条件、実際にあった失敗、現場での判断基準といった情報は、社内から出すしかありません。
取材に応じられる人を1〜2名、あらかじめ確保してください。1回90分の取材が2〜3回あれば、記事5本分の素材は集まります。この時間を確保できるかどうかが、コンテンツの質を大きく左右します。
3. 公開後の更新担当を決めておく
公開して終わりにならないよう、誰が月次のレポートを受け取り、誰が記事の内容を確認するかを決めておきます。担当が決まっていない案件は、公開から3か月後には更新が止まります。
外部に運用を委託する場合でも、社内側に受け手が必要です。週30分でも構わないので、定例の確認時間を設定しておくと、施策が継続します。
4. 判断に使う数字を先に決めておく
「成果が出たかどうか」を後から判断しようとすると、必ず解釈が割れます。契約前に、次のような基準を社内で合意しておいてください。
- 主要な質問文20件のうち、何件で自社名が挙がれば成功とするか
- 問い合わせ件数を、月あたり何件増やすことを目標とするか
- その判断を、公開から何か月後に行うか
数字は仮置きで構いません。決めておくこと自体に意味があります。効果測定の方法で具体的な指標を解説していますので、目標設定の参考にしてください。
制作会社側からの本音
成果が出る案件に共通しているのは、担当者が「決められる」「時間を取れる」「数字を見ている」ことです。予算の多寡より、この3点のほうが結果を左右します。逆に言えば、予算が限られていても、この3点が揃っていれば十分に戦えます。
自社の業種を理解しているかを見る
評価項目の9番「自社の業界を理解しているか」は、初回商談での発言に表れます。製造業ならスペック表の扱い、士業なら広告規定、クリニックなら医療広告ガイドライン。その業種特有の論点が相手から出てくるかを見てください。業種ごとの要点は業種別AI検索対策ガイドで整理しています。
あわせて、リニューアルを伴う場合の費用と進め方はホームページリニューアルの費用と進め方もご確認ください。
規模・状況別の推奨タイプ
最後に、状況別の選び方をまとめます。
| 状況 | 推奨タイプ | 理由 |
|---|---|---|
| サイトを3年以上更新していない | 制作会社(AI検索対策対応) | 構造から作り直したほうが早く、結果的に安い |
| 1年以内に制作したサイトがある | 専業またはSEO会社 | 構造に大きな問題がなければ、対策の追加で足りる |
| ブランド表現も刷新したい | 制作会社(ブランディング対応) | デザインと構造を同時に設計する必要がある |
| 複数チャネルを統合したい | 広告代理店 | 広告・SNS・Webを横断で設計できる |
| 予算が限られている | 小規模制作会社/専業 | 優先度の高い3施策から着手する |
| 社内にWeb担当者がいる | 専業+内製の組み合わせ | 設計と計測だけ外部、更新は内製が効率的 |
迷ったときの決め方
2社まで絞り込んだあと、どちらも条件を満たしていて決めきれない、という相談をよく受けます。その場合は、次の3つの観点で比べてみてください。
1つ目は、質問への回答速度と精度です。商談後に技術的な質問をメールで送り、回答の速さと具体性を比べます。社内に知見がある会社は即答でき、外部に確認が必要な会社は時間がかかります。運用が始まってからも、この差はそのまま続きます。
2つ目は、できないことを言えるかどうかです。「その要件はコストが合わないので、代わりにこうしませんか」と提案できる会社は、実務を理解しています。すべての要望に「できます」と答える会社は、見積の段階で無理を抱え込み、後で品質か納期のどちらかにしわ寄せが来ます。
3つ目は、自社の担当者との相性です。Webサイトの制作は3〜4か月、運用まで含めれば年単位の付き合いになります。週に1回はやり取りする相手ですから、説明が分かりやすいか、疑問を聞きやすい雰囲気かは、実務上かなり重要な要素です。技術力が同等なら、この観点で決めても問題ありません。
まとめ:判断基準は「設計から関与できるか」
本記事で挙げた12項目・11の質問はすべて、ひとつの問いに集約されます。その会社は、AI検索対策を「タグの追加作業」ではなく「情報設計の問題」として理解しているか。
タグの追加だけなら、どの会社に頼んでも結果は大きく変わりません。差が出るのは、サイトマップを引く段階から「AIがこのページをどう読むか」を考えられるかどうかです。商談の場では、その視点が発言に現れるかを見てください。
当社では初回のAI検索露出診断を無料で実施しています。他社と比較する際の基準としても使えるよう、プロンプト単位の実測結果と優先度つきの改善案をレポートにしてお渡ししています。判断材料のひとつとしてご活用ください。
よくある質問
Q.AI検索対策の実績が豊富な会社を見分ける方法はありますか?
A.最も確実なのは、その会社自身がAI検索で引用されているかを確認することです。ChatGPTやPerplexityに「AI検索対策に強い制作会社」「LLMO 対応 ホームページ制作会社」といった質問を投げ、その会社名が挙がるか、自社サイトが引用元として提示されるかを見てください。自社で成果を出せていない会社が、顧客のサイトで成果を出すのは困難です。あわせて、その会社のサイトの構造化データが実装されているか(ブラウザでページのソースを開き ld+json を検索)も確認できます。
Q.制作会社とSEO会社、どちらに頼むべきですか?
A.サイトのリニューアルを伴う場合は制作会社、既存サイトを維持したまま改善する場合はSEO会社が基本の考え方です。ただしAI検索対策の中身は情報構造の設計と実装が中心で、制作工程と不可分な部分が多いため、SEO会社に依頼しても結局は制作会社との連携が必要になります。両方の機能を持つ会社か、少なくとも設計段階から実装に関与できる会社を選ぶと手戻りが減ります。
Q.大手の代理店と小規模な制作会社では、どちらが有利ですか?
A.案件の性質によります。大手代理店は体制が厚く、担当者が交代しても継続性が保たれる一方、実作業が下請けに流れ、AI検索対策の細部が抜けることがあります。小規模な制作会社は経営者や設計者が直接担当するため実務の精度が高い反面、リソースが限られます。判断の基準は規模ではなく、提案書に自社サイトの具体的な指摘が含まれているかどうかです。
Q.相見積もりは何社取るべきですか?
A.3社を上限にすることをおすすめします。4社以上になると比較軸がぶれ、各社への説明工数も増え、意思決定が遅れます。AI検索対策は着手が早いほど有利な領域なので、選定に3か月かけるより、3社で1か月以内に決めて着手するほうが結果的に成果が出ます。事前にRFP(提案依頼書)を用意し、同じ条件で提案を受けると比較が容易になります。
Q.契約期間の縛りがある会社は避けるべきですか?
A.一概に避ける必要はありません。AI検索での効果は1〜3か月かけて現れるため、6か月程度の最低契約期間には合理性があります。確認すべきは期間の長さではなく、その期間内に何が提供されるかです。月次で何を行い、何を報告するかが契約書に明記されていれば問題ありません。逆に、作業内容が曖昧なまま12か月以上の縛りがある契約は慎重に検討してください。
