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ホームページリニューアルの費用と進め方|判断基準・最適な時期・失敗パターン

株式会社ソシオラ 編集部 読了目安 約19分

この記事の要点

  • リニューアル費用の相場はコーポレートサイトで80万〜250万円。新規制作とほぼ同じですが、移行とリダイレクト設計の分だけ上乗せされます。
  • 判断基準は「見た目が古いか」ではなく、「事業の現状と、サイトに書かれている内容が一致しているか」。ここがずれていると、デザインを直しても成果は変わりません。
  • リニューアルで最も損害が大きい失敗は301リダイレクトの設計漏れ。既存の検索評価とAIの参照先を同時に失います。
  • 最適な時期は公開から3〜5年、または事業内容が変わったとき。ただしAI検索対策が未実施なら、年数に関係なく検討する価値があります。
  • リニューアルはAI検索対策を入れる最大の機会です。設計段階なら追加費用は制作費の10〜20%、公開後の後付けは30〜50%相当かかります。

結論:リニューアル費用の相場

ホームページリニューアルの費用は、新規制作とほぼ同じ水準です。既存素材を流用できる分は下がりますが、移行作業とリダイレクト設計が加わるためです。

リニューアルの規模費用相場(税別)期間内容
部分改修(構造・技術のみ)20万〜80万円3〜6週間デザインは維持。構造化データ実装、情報構造の整理
デザイン刷新(構成は維持)60万〜150万円2〜3か月見た目を一新。ページ構成と原稿は概ね流用
全面リニューアル100万〜300万円3〜4か月設計から見直し。原稿も再構成
ブランディングを伴う刷新250万〜600万円4〜6か月コンセプト設計、撮影、コンテンツ全面制作
追加:既存データ移行5万〜50万円記事・実績の件数と旧CMSの構造による
追加:リダイレクト設計3万〜20万円URL変更の規模による。必須項目

この記事の金額について

本記事の金額は、当社が実際に提示している価格帯と、Web上で料金を公開している制作会社の情報をもとにした目安です。要件によって変動しますので、正確な金額は個別見積でご確認ください。

費用の内訳の考え方はホームページ制作の費用相場と共通です。本記事では、リニューアル特有の論点に絞って解説します。

FIG 01リニューアルすべきかの判断基準10項目
ホームページリニューアルの判断基準10項目A群|1つでも該当したら早急にスマホで正しく表示されない常時SSL化されていない事業内容と記載が食い違う1年以上情報が止まっているB群|2つ以上該当したら検討問い合わせが目標の半分以下表示速度が遅い(3秒以上)構造化データが未実装AIに聞くと競合しか出ない1ページに複数事業が混在採用など新しい目的が発生急がなくてよい状態情報は正確に伝わっている問い合わせが目標どおり半年以内に更新しているスマホ対応・速度に問題なし

最も重要なのは「事業内容とサイトの記載が食い違っているか」です。5年前の事業をそのまま説明しているサイトは、デザインを新しくしても成果は変わりません。

この図のどこに自社が当てはまるか判断がつかない場合は、無料のAI検索診断で現状をお調べします。

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リニューアルすべきかの判断基準10項目

「デザインが古く見える」という理由だけでリニューアルすると、見た目は良くなっても成果が変わらない、という結果になりがちです。次の10項目で判断してください。

A群:該当したら早急に検討すべき(1つでも該当)

#項目なぜ問題か
1スマートフォンで正しく表示されないアクセスの過半数を占める環境で使えていない
2常時SSL化(https)されていないブラウザに警告が出る。信頼性に直結
3事業内容とサイトの記載が食い違っているAIにも人にも誤った情報が伝わる
4社内で更新できず、1年以上情報が止まっている情報の鮮度が評価に影響する

B群:2つ以上該当したら検討すべき

#項目なぜ問題か
5問い合わせが目標の半分以下サイトが営業機能を果たしていない
6表示速度が遅い(体感で3秒以上)離脱率が上がり、検索評価も下がる
7構造化データが未実装AIがページ内容を確定情報として読めない
8AIに聞くと競合しか出てこない比較検討の入口に立てていない
91ページに複数の事業・サービスが混在しているAIがページの主題を特定できない
10採用や新規事業など、新しい目的が発生した既存構成では役割を果たせない

判断の考え方

最も重要なのは3番「事業内容とサイトの記載が食い違っているか」です。5年前の事業をそのまま説明しているサイトは、デザインを新しくしても意味がありません。まず、いま何を売っているのかを整理するところから始めてください。

逆に、急がなくてよいケース

  • デザインの流行が変わっただけで、情報は正確に伝わっている
  • 問い合わせが目標どおり来ており、経路も把握できている
  • 社内で更新でき、直近半年以内に情報が更新されている
  • スマホ対応済みで、表示速度に問題がない

この状態なら、全面リニューアルより部分改修でAI検索対策だけを追加するほうが投資効率は高くなります。

新規制作との費用の違いはどこか

リニューアル特有の作業として、次の4つが加わります。

1. 既存サイトの分析(5万〜20万円)

現在のアクセス状況、流入キーワード、コンバージョン経路、離脱の多いページを分析します。どのページを残し、どれを統合し、何を捨てるかを数字にもとづいて判断するための工程です。ここを飛ばすと、実は成果に貢献していたページを削除してしまう事故が起きます。

2. URL設計とリダイレクト表の作成(3万〜20万円)

旧URLと新URLの対応表を作成し、301リダイレクトを設定します。ページ数が多いほど工数が増えます。リニューアルで最も損害が大きい失敗はここの漏れなので、詳しくは後述します。

2-1. リダイレクト工程が高くなるケース

リダイレクト設計の費用は、ページ数だけでなく旧サイトのURL構造がどれだけ整っているかに左右されます。パラメータ付きのURLが大量にある、同じ内容が複数のURLで表示されている、日本語URLとローマ字URLが混在している、といった状態だと、対応表の作成だけで数日かかることがあります。

逆に、ディレクトリ構成が整理されていて、1ページ1URLが守られているサイトなら、100ページ規模でも半日程度で対応表が作れます。見積の段階で「現在のURL数」を伝えておくと、この工程の金額が正確に出ます。

3. 既存コンテンツの移行(5万〜50万円)

ブログ記事、実績、お知らせなどのデータ移行です。CSVで一括インポートできれば軽く済みますが、旧CMSの構造が特殊だったり、記事内の画像パスを一括変換する必要があったりすると工数が膨らみます。移行対象の件数は、見積依頼時に必ず伝えてください

4. 公開切替の作業(3万〜15万円)

DNS切替、旧サイトのバックアップ、公開直後の動作確認、Search Consoleへの通知など。深夜や休日に作業する場合は割増になることがあります。

逆に安くなる部分

  • ロゴ・ブランドカラーが既にある(10万〜30万円分)
  • 写真素材が流用できる(10万〜25万円分)
  • 原稿のベースがある(1ページあたり2万〜5万円分)
  • サイトの目的や訴求が整理済み(5万〜15万円分)

差し引きすると、新規制作とほぼ同額か、やや高くなるというのが実感に近いところです。

最適な時期の考え方

「3〜5年ごと」は目安にすぎない

よく言われる周期ですが、年数はあくまで平均です。実際には次のタイミングが判断の基準になります。

タイミング理由優先度
事業内容・主力商材が変わったときサイトの説明が実態と合わなくなる最優先
ターゲット顧客が変わったとき訴求と情報の並べ方を変える必要がある最優先
採用を強化するとき求職者は必ず企業サイトを見る
組織再編・社名変更・移転基礎情報の更新が必須。AI検索でも誤情報の原因になる
CMSやシステムのサポート終了セキュリティリスク
競合が相次いでリニューアルした比較検討で見劣りする
デザインが古く感じる印象の問題。単独では優先度は高くない

スケジュールの逆算

公開したい時期が決まっている場合、次のように逆算してください。

  • 公開の5か月前:社内で目的と予算を固め、RFPを作成
  • 公開の4か月前:制作会社の選定・契約
  • 公開の3.5か月前:設計開始
  • 公開の2.5か月前:デザイン開始、原稿の準備開始
  • 公開の1.5か月前:実装開始
  • 公開の2週間前:検証、リダイレクト設定の確認

展示会や事業開始に合わせる場合、この逆算より短い期間だと、削られるのは設計と原稿の工程です。結果として、見た目だけ新しく中身が変わらないサイトになります。

リニューアルの目的別・優先すべき投資

目的によって、予算を厚くすべき工程が変わります。

目的厚くすべき工程薄くてよい工程
問い合わせを増やしたい情報構造設計、原稿、AI検索対策、CTA設計アニメーション、装飾的な図版
採用応募を増やしたい撮影、社員インタビュー、原稿複雑な機能、多言語
ブランドイメージを高めたいコンセプト設計、デザイン、撮影ページ数の増加
更新を自社でできるようにしたいCMS構築、管理画面の使いやすさ、マニュアル凝ったレイアウト
AI検索で引用されたい情報構造設計、構造化データ、一次情報の記事デザインの作り込み、動画

複数の目的を同時に達成しようとすると、予算がどこにも足りなくなります。目的に優先順位をつけ、上位2つに予算を集中させるほうが、結果的に成果が出ます。

FIG 02リニューアルの進め方と期間の目安(合計3〜4か月)
ホームページリニューアルの工程別スケジュール2〜3週現状分析課題リスト作成AI検索の現状測定3〜4週会社選定RFP配布提案・見積比較2〜3週情報構造設計サイトマップURL・見出し設計3〜4週デザイントップ案・下層原稿準備を並行3〜4週実装・検証構造化データリダイレクト表

期間の大半は制作会社の作業ではなく、原稿の準備と社内確認に費やされます。決裁者を1人に絞り、原稿の担当を事前に決めておくと1か月近く短縮できることも珍しくありません。

進め方の7ステップと期間

ステップ1:現状分析と目的の確定(2〜3週間)

アクセス解析のデータ、問い合わせの経路、営業現場で聞かれる質問を集めます。あわせて、AIに自社を聞いたときの現状も確認しておくと、対策の基準点になります。この工程の成果物は「解決すべき課題のリスト」です。

ここで見落とされやすいのが、営業現場からのヒアリングです。アクセス解析は「何が見られたか」を教えてくれますが、「見込み客が何を知りたがっているか」は営業担当が最もよく知っています。商談で毎回説明していること、資料を送っても伝わらないこと、他社と比較されたときに聞かれること。この3つを聞き出すだけで、作るべきページが具体的に見えてきます

あわせて、現サイトで「実は成果に貢献していたページ」も特定しておきます。デザイン上は地味でも、検索流入や問い合わせにつながっているページを、リニューアルで削除してしまう事故は珍しくありません。

ステップ2:制作会社の選定(3〜4週間)

RFPを作成し、3社程度に提案を依頼します。AI検索対策を要件に含める場合は、この段階で明示してください。選定の方法はAI検索対策会社の選び方にまとめています。

ステップ3:戦略・情報構造設計(2〜3週間)

サイトマップ、各ページの役割、見出し構造、内部リンク、URL設計を確定します。リニューアルで最も重要な工程で、ここでの判断が公開後の成果を大きく左右します。

ステップ4:デザイン(3〜4週間)

トップページ案の提示から、下層テンプレートの展開まで。この期間に並行して原稿の準備を進めます。

ステップ5:実装・原稿流し込み(3〜4週間)

コーディング、CMS構築、構造化データ実装、既存データの移行。あわせてリダイレクト表を作成します。

ステップ6:検証・公開(1〜2週間)

表示確認、リンクチェック、フォームのテスト送信、リッチリザルトテスト、表示速度の測定。公開作業はアクセスの少ない時間帯に行います。

ステップ7:公開後の監視・改善(継続)

公開直後の1か月は特に重要です。詳細は公開後30日でやることで解説します。

FIG 03301リダイレクト設計の有無で何が変わるか
301リダイレクト設計の有無による影響の比較BEFOREリダイレクト設計を怠った場合×旧URLの検索評価が引き継がれない×外部からの被リンクが全て404に×AIが参照していたURLが消える×広告・メールのリンクが機能しない×回復に数か月かかるAFTERリダイレクト表を作成した場合旧URLの評価が新URLへ移る被リンクが正しく転送されるAIの参照先が維持される既存の導線がすべて機能する公開直後の落ち込みが最小限

見積時に必ず「URL変更が発生する場合、リダイレクト表は成果物に含まれますか」と質問してください。明言されない場合、その工程は実施されない可能性があります。

最も損害が大きい失敗:リダイレクト設計漏れ

リニューアルにおける最大のリスクです。単独で章を設ける価値があります。

何が起きるか

URLを変更したのに旧URLから新URLへの301リダイレクトを設定しないと、次のことが同時に起きます。

  • 旧URLで蓄積した検索評価が新URLに引き継がれない
  • 他社サイトやSNSからの被リンクがすべて404になる
  • AIが参照していたURLが消え、引用元として提示されなくなる
  • ブックマークやメールのリンクから来た訪問者がエラーページに着く
  • 広告やメールマガジンのリンクが機能しなくなる

影響は数か月続きます。費用をかけてリニューアルしたのに、流入が半減したという事例の多くはこれが原因です。

防ぐための手順

  1. 旧サイトの全URLを一覧化する:Search ConsoleやサイトマップXML、クロールツールで取得
  2. 新旧の対応表を作る:1対1で対応させる。統合するページは代表URLへ寄せる
  3. 301(恒久的移転)で設定する:302(一時的)ではなく301を使う
  4. トップページへの一括リダイレクトは避ける:内容の異なるページへの転送は評価が引き継がれない
  5. 公開直後に検証する:主要な旧URLを実際に開き、正しく転送されるか確認
  6. Search Consoleで404を監視する:公開後1か月は週次で確認

見積時の必須確認

URL変更が発生する場合、リダイレクト表は成果物に含まれますか」と必ず質問してください。「含まれる」と明言されない場合、その工程は実施されない可能性があります。チェックリスト22項目のA-6でも同じ項目を挙げています。

リダイレクトを設定しても評価が戻らないケース

301リダイレクトを正しく設定しても、評価が完全には引き継がれないことがあります。多いのは、統合の仕方が不自然な場合です。たとえば、内容の異なる5ページを1ページに統合し、5本すべてを同じURLへ転送する。この場合、転送先のページの内容が元のページと対応していないため、評価は限定的にしか引き継がれません。

統合するなら、転送先のページに統合元の内容が実際に含まれている必要があります。ページを減らすこと自体は問題ありませんが、その際は内容も統合してください。リダイレクトは「引っ越し先を教える仕組み」であって、「評価を移す魔法」ではありません。

URLを変えないという選択

そもそもURLを変えなければ、この問題は起きません。ディレクトリ構成を維持したままリニューアルするのは、リスク低減の観点では有効な選択です。ただし、1ページに複数トピックが混在している構成を分割する場合はURL変更が避けられないため、必要な変更は行い、リダイレクトで対応するのが基本方針になります。

よくある失敗パターン7つ

失敗1:見た目だけ変えて、中身は旧サイトのまま

デザインは刷新されたが、掲載している文章は5年前のまま。「業界をリードする総合力」といった抽象的な表現が並び、AIにも人にも判断材料を与えられていない状態です。リニューアルの半分は原稿の仕事だと考えてください。

失敗2:ページ数を大幅に減らしすぎた

「情報を整理する」という名目で、実際には検索流入を集めていたページを削除してしまうケース。削除の判断は必ずアクセスデータをもとに行い、統合する場合はリダイレクトで評価を寄せます。

失敗3:社内の意見を集めすぎて方針が定まらない

関係者全員の要望を取り入れた結果、誰に向けたサイトか分からなくなるパターン。最終決裁者を1人に決めることで防げます。

失敗4:原稿が用意できず、公開が半年遅れた

「原稿は社内で用意」と決めたものの、実際に書ける人がいない。制作は止まり、費用だけ先に発生します。着手前に、原稿を書く人の名前と確保できる時間を確認してください。

失敗5:CMSを入れたが、結局誰も更新しない

更新できる仕組みを作っても、更新する担当と時間が決まっていなければ動きません。公開前に、誰が何を月何回更新するかを決めておくことが必要です。

失敗6:公開後の計測設定を忘れた

GA4のタグが新サイトに入っていない、フォーム送信のコンバージョン設定が引き継がれていない。数か月後に気づいて、その間のデータが失われるケースです。

失敗6-1:関係部署への共有が遅れ、公開直前に差し戻された

法務や広報の確認を通していなかったため、公開直前に表現の修正が入るケースです。特に、実績の掲載許諾、他社名の記載、価格の公開範囲、免責事項の記載は、確認が必要になりやすい項目です。

制作の中盤、デザインが固まった段階で一度共有しておくと、手戻りを防げます。公開の2週間前に初めて見せるという進め方は、日程を大きく崩す原因になります。

失敗7:AI検索対策を要件に入れ忘れた

公開後に「構造化データを入れたい」と依頼したところ、テンプレートの構造上追加が難しく、追加費用が発生。設計段階なら制作費の10〜20%、公開後の後付けは30〜50%相当かかります。リニューアルは対策を入れる最大の機会です。

既存サイトから引き継ぐもの・捨てるもの

引き継ぐべきもの

対象理由注意点
アクセスの多いページのURL検索評価と被リンクを維持変更する場合は必ず301リダイレクト
成果につながっている記事流入とAIの参照元になっている内容を最新化して残す
会社の基礎情報AIが参照する一次情報最新の内容に更新して構造化する
実績・事例データ信頼性の根拠。蓄積に時間がかかる掲載許諾の範囲を再確認
GA4・Search Consoleの設定過去データとの比較に必要プロパティは引き継ぎ、新規作成しない

捨ててよいもの

  • アクセスがほぼゼロで、内容も古いページ:残すと管理コストだけかかる
  • 他サイトの内容を要約しただけの記事:独自性がなく、引用もされない
  • 使われていない機能:多言語、会員機能、掲示板など
  • 画像に文字を焼き込んだコンテンツ:テキストに作り直す

削除する場合も、アクセスが少しでもあるページは関連する新ページへ301リダイレクトさせるのが基本です。

AI検索時代のリニューアルで押さえる論点

従来のリニューアルとの違いは、次の5点に集約されます。

1. 1ページ1トピックへの分解

複数のサービスを1枚にまとめた構成は、人間には効率的でもAIには不利です。AIはページ単位で「何について書かれているか」を判定するため、トピックが混在するとどの質問にも中途半端にしか対応できません。リニューアル時にページを分けるのが最も安上がりです。

2. 構造化データの全ページ実装

テンプレートに組み込んでおけば、以後の追加ページにも自動的に適用されます。公開後に入れるより圧倒的に低コストです。実装するスキーマは構造化データ実装ガイドを参照してください。

3. 本文をJavaScriptに依存させない実装

デザインの都合でSPA構成を選ぶ場合、SSRまたはSSGで本文がHTMLとして取得できる状態を担保してください。クローラーがJavaScriptを実行しない場合、本文が空に見えます

4. 一次情報を載せられる構成にする

実績の詳細、料金、対応範囲、工程、FAQ。数値と固有名詞が入ったページを置ける構成にしておきます。書き方の原則はAIに引用される文章の書き方にまとめています。

5. AIクローラーの設定を公開前に確認する

robots.txtとllms.txtを整備し、CDNやWAFでAIボットが弾かれていないかも確認します。設定方法はllms.txtとrobots.txtの使い分けで解説しています。

FIG 04公開後30日にやること
リニューアル公開後30日間の確認スケジュール公開当日動作確認主要ページ表示フォーム送信テストリダイレクト確認翌日インデックス促進サイトマップ送信登録リクエスト1週間後技術チェック404エラー確認GA4計測状況リッチリザルトテスト1か月後初期評価流入数の比較AI言及の初回計測CV発生状況

公開直後は検索流入が一時的に下がるのが通常です。1か月時点の数字で成否を判断しないでください。ただし404の大量発生やインデックス数の半減は技術的な問題なので、すぐ対応が必要です。

公開後30日でやること

リニューアルは公開してからが本番です。最初の30日で次を実施してください。

時期やること目的
公開当日主要ページの表示確認、フォームのテスト送信、リダイレクトの動作確認致命的な不具合の早期発見
公開翌日Search Consoleにサイトマップを送信、インデックス登録をリクエストクロールの促進
1週間後404エラーの確認、GA4のデータ計測状況、リッチリザルトテスト技術的な問題の検出
2週間後インデックス数の推移確認、表示速度の実測クロール状況の把握
1か月後流入数の比較、AI言及状況の初回計測、CVの発生状況初期の成果確認

この時期の注意

公開直後は検索流入が一時的に下がるのが通常です。1か月時点の数字で成否を判断しないでください。ただし、404が大量発生している、インデックス数が半分以下になっているといった場合は技術的な問題なので、すぐに対応が必要です。

社内の合意形成と稟議の通し方

リニューアルの多くは、担当者が必要性を感じていても社内の承認が下りずに止まります。技術的な正しさだけでは決裁は通りません。稟議を通すための実務的な観点を整理します。

決裁者が知りたいのは「なぜ今か」と「いくら戻るか」

「デザインが古い」「他社と比べて見劣りする」という説明は、決裁者にとって主観的な意見に聞こえます。投資判断に必要なのは、放置した場合の損失と、投資に対する回収の見込みです。

次の3点を数字で示せると、議論が具体的になります。

  • 現状のWeb経由の問い合わせ件数と、そこからの受注額:いま何がどれだけ生まれているか
  • 目標とする問い合わせ件数と、その根拠:営業目標から逆算する
  • 投資額の回収に必要な受注件数:投資額 ÷(平均受注単価 × 粗利率)

AI検索の現状は、説得材料として使いやすい

抽象的な「Web戦略」の話より、実際にAIに質問した結果を見せるほうが伝わります。「当社名を入れずに業種で聞いたら、競合3社が出て当社は出なかった」という事実は、Webに詳しくない役員にも理解できます。

この確認は費用をかけずにできます。ChatGPTやPerplexityに20件ほど質問を投げ、結果をスクリーンショットで残しておいてください。稟議書に添付する資料として、これ以上に分かりやすいものはありません

反対意見への備え

よくある反対準備しておく回答
「うちは紹介が中心だから不要」紹介された相手も、必ず社名で検索・AIに質問して事前確認する。そこで情報が古いと機会を失う
「効果が数字で出るのか」問い合わせ件数、AI言及率、指名検索数の3指標で計測する計画を提示
「今の担当者の工数が足りない」社内で必要な作業(原稿確認、取材対応)の具体的な時間を提示
「もっと安くできないのか」削減した場合に何が実施されなくなるか、工程単位で示す
「様子を見てから」AI検索は先行企業が引用されやすく、後発は追いつくのに時間がかかる点を説明

段階的な承認を取る方法

いきなり300万円の承認が難しい場合、まず診断と部分改修(20万〜80万円)から始め、効果を示してから本格投資の承認を取るという進め方があります。小さく始めて実績を作るほうが、社内の理解も得やすくなります。

リニューアルの効果をどう評価するか

公開後に「良くなった気がする」で終わらせないために、評価の指標を先に決めておきます。

見るべき5つの指標

指標取得方法評価する時期
問い合わせ件数フォーム送信数、電話件数3か月・6か月
AI言及率プロンプト20〜30件での出現率1か月・3か月・6か月
指名検索数Search Consoleの社名クエリ3か月・6か月
自然検索の流入GA4のOrganic Search1か月(回復確認)・3か月
主要ページの滞在と離脱GA4のページ別レポート1か月・3か月

評価するタイミングと注意点

公開1か月時点は、成果ではなく技術的な問題がないかの確認に使います。404の発生、インデックス数の急減、計測タグの動作。ここで異常があれば即対応します。流入が一時的に落ちるのは通常の推移なので、慌てる必要はありません。

公開3か月時点で、初めて傾向が読めるようになります。自然検索が公開前の水準に戻っているか、AI言及に変化が出ているか。ここで動きがなければ、施策の見直しを検討します。

公開6か月時点が、本格的な評価のタイミングです。問い合わせ件数が目標に近づいているか、受注につながっているか。ここまで来ると、投資判断の妥当性が判定できます。

評価の落とし穴

リニューアル前後の比較では、季節要因と外部要因を切り分けてください。年度末や繁忙期をまたいだ比較は、リニューアルの効果と季節変動が混ざります。可能なら前年同月と比較するか、複数月の移動平均で見ると精度が上がります。

費用を抑えつつ成果を出す方法

方法1:部分改修から始める

デザインに大きな不満がなければ、構造化データの実装と情報構造の整理だけを先に行う。20万〜80万円で着手でき、効果を見てから全面リニューアルを判断できます。

方法2:フェーズを分ける

第1弾でコーポレート部分、第2弾で採用サイト、というように分けます。ただし設計だけは最初に全体で行っておくこと。後付けの設計は必ず歪みます。

方法3:原稿を社内で書く

費用インパクトが最も大きい項目です。構成案とテンプレートだけ制作会社に作ってもらい、中身は社内で書く。一次情報を持っているのは社内なので、質の面でも合理的です。

方法4:既存素材を棚卸ししてから依頼する

ロゴデータ、写真、パンフレットの図版、会社案内の文章、過去の提案書。使えるものを整理して渡すだけで、制作側の作業が減ります。

特に見落とされやすいのが、営業資料と提案書です。すでに顧客に説明するために整理された文章と図があるなら、それはサイトの原稿の下地としてそのまま使えます。ゼロから書き起こすより、既存の資料を再構成するほうが、費用も期間も半分以下で済みます

方法5:優先順位の低いページを第2弾に回す

すべてのページを同時に公開する必要はありません。問い合わせに直結するページ(サービス、料金、実績、会社概要、お問い合わせ)を第1弾で公開し、採用情報やコラムなどは公開後に順次追加するという進め方です。

この方法なら初期費用を3〜4割抑えられます。ただし、繰り返しになりますが設計だけは最初に全体で行っておくこと。第2弾を追加する段階でURL構成を変えることになると、リダイレクトの手間が発生します。

方法6:更新しやすい構造にして、以後の費用を下げる

初期費用を抑えることばかりに目が向きがちですが、公開後に自社で触れる範囲を広げておくことも、実質的なコスト削減です。お知らせ、実績、記事、スタッフ紹介といった更新頻度の高い部分をCMSで管理できるようにしておけば、以後の更新依頼が不要になります。

目安として、CMS構築に20万〜60万円かけても、年に10回の更新依頼(1回2万円想定)が不要になれば2〜3年で回収できます。更新の頻度が高い企業ほど、この投資は合理的です。

まとめ:リニューアルは「情報を作り直す」こと

リニューアルというと、どうしてもデザインの話になりがちです。しかし成果を左右するのは、そのサイトに何が書かれているか、それがどう構造化されているかです。

デザインは印象を作り、構造と原稿は成果を作ります。予算が限られているなら、後者に寄せてください。見た目の刷新は次の機会でも間に合いますが、AI検索の露出は先行した企業ほど有利になるため、着手の遅れは取り返しにくくなります。

発注前の要件整理にはAI検索対策チェックリスト22項目、費用の考え方はAI検索対策の費用相場もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q.ホームページのリニューアルは何年ごとに行うべきですか?

A.一般的には3〜5年が目安とされますが、年数だけで判断するのは適切ではありません。判断すべきは、事業内容とサイトに書かれている内容が一致しているか、スマートフォンで問題なく使えるか、社内で更新できているか、問い合わせが目標に届いているか、の4点です。この4つに問題がなければ5年以上経っていても急ぐ必要はありませんし、逆に2年前のサイトでも事業が変わっていればリニューアルの価値があります。AI検索対策が未実施の場合は、年数に関係なく検討する価値があります。

Q.リニューアルで検索順位が下がることはありますか?

A.あります。最も多い原因は301リダイレクトの設計漏れです。URLを変更したにもかかわらず旧URLから新URLへの転送を設定しないと、旧URLで蓄積した評価が引き継がれず、404エラーになります。あわせて、ページ数を大幅に減らした場合や、テキスト量が減った場合も一時的に順位が下がることがあります。リダイレクト表を成果物として制作会社に作成してもらい、公開後にSearch Consoleで404の発生を監視してください。

Q.リニューアルの費用は新規制作より安くなりますか?

A.ほとんど変わらないか、やや高くなります。既存のロゴや写真、原稿を流用できる分は安くなりますが、既存コンテンツの移行作業、URL設計とリダイレクト表の作成、旧サイトの分析といった作業が追加されるためです。既存記事が数百件ある場合は、移行だけで20万〜50万円かかることもあります。安くなると期待して予算を組むと、想定とずれる可能性があります。

Q.既存サイトのデザインを活かして、部分的に改修することは可能ですか?

A.可能です。「デザインは維持したまま、構造化データの実装と情報構造の整理だけ行う」という改修は20万〜80万円程度で実施できます。ただし、1ページに複数トピックが混在している、本文が画像化されている、JavaScriptに依存して本文が取得できないといった構造上の問題がある場合は、部分改修では効果が出にくくなります。まず現状診断で、部分改修で足りるか全面リニューアルが必要かを切り分けることをおすすめします。

Q.リニューアルの効果はどのくらいで出ますか?

A.検索経由の流入は、公開直後に一時的に落ちてから1〜3か月で回復し、その後改善に向かうのが一般的な推移です。AI検索での露出も1〜3か月かけて変化が現れます。公開から1か月で判断するのは早すぎるため、3か月・6か月の時点で評価する計画にしてください。ただし、公開直後から404エラーやインデックスの大幅減少が出ている場合は技術的な問題なので、すぐに対応が必要です。

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