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Web制作のRFP(提案依頼書)の書き方|AI検索対策を要件化するテンプレート付き

株式会社ソシオラ 編集部 読了目安 約18分

この記事の要点

  • RFPはA4で5〜10ページあれば十分。分量より、目的・予算・要件・評価基準の4点が明記されているかが重要です。
  • RFPがあると各社が同じ条件で提案するため、金額と内容の比較が正確になります。ない場合、各社が別々の前提で見積を出します。
  • AI検索対策を確実に含めるには、「構造化データを全ページに実装」「AI言及の月次計測」を要件として文章で書くこと。
  • 予算は必ず記載してください。伏せると各社が無難な標準案を出すため、比較の材料が減ります。
  • 評価基準を先に決めて明記すると、社内の合意形成も進み、選定後の説明もしやすくなります。

結論:RFPに必要なのは4点だけ

RFP(Request For Proposal:提案依頼書)は、制作会社に提案を依頼するための文書です。厳密な形式はありません。次の4点が明記されていれば、実務上は機能します

#記載すべきことないと起きること
1目的:何のために作るか、成功をどう定義するか各社が別々の前提で提案し、比較できない
2予算:上限額または幅無難な標準案しか集まらない
3要件:必須の機能・ページ・技術要件契約後に「範囲外です」となる
4評価基準:何を重視して選ぶか社内で合意できず、選定が長引く

最も重要なこと

RFPの目的は「各社を同じ土俵に乗せること」です。同じ条件で提案を受けるからこそ、金額と内容の差が実力の差として読み取れます。逆に、各社に違う情報を伝えている状態では、見積の差が条件の差なのか実力の差なのか判別できません。

RFPを作るメリット

1. 提案の比較が正確になる

同じ要件に対する各社の解釈と提案手法の違いが見えます。同じ課題に対して、どこが構造の問題と捉え、どこがデザインの問題と捉えるか。この差が、その会社の思考を表します。

2. 契約後のトラブルが減る

「そこは含まれていません」「それは想定していませんでした」という会話は、要件の記載漏れから生まれます。RFPに書いておけば、提案時点で対応可否が明らかになります。

3. 社内の合意形成が進む

RFPを書く過程で、社内の関係者と目的や優先順位をすり合わせることになります。この作業自体が、後の意思決定を速めます。デザイン確認の段階で方針が二転三転する原因の多くは、事前のすり合わせ不足です。

4. 依頼先の実力が判別しやすくなる

要件に対して、そのまま「対応します」と答える会社と、「この要件はこう解釈しましたが、実際にはこちらのほうが目的に合うのでは」と提案してくる会社があります。後者のほうが、実務の経験は深いと考えて差し支えありません。

書く前に社内で整理する3つのこと

RFPを書き始める前に、社内で決めておくべきことがあります。ここが曖昧なままだと、書いている途中で手が止まります。

1. 誰が最終的に決めるのか

最も重要な項目です。関係者が5人いても、決めるのは1人でなければ進行が滞ります。デザイン確認の段階で方針が二転三転する案件は、ほぼ例外なくここが決まっていません

「役員会で決める」という体制も可能ですが、その場合は判断のタイミングと基準を先に決めておいてください。制作会社側は、確認に2週間かかる前提でスケジュールを組む必要があります。

2. このサイトで何を増やしたいのか

問い合わせなのか、採用応募なのか、資料請求なのか。複数を同時に狙うこと自体は可能ですが、優先順位を決めないと、どのページにも力が入らないサイトになります

関係部署から要望を集めると、たいてい全部が「重要」になります。そこで止めず、「予算が半分になったらどれを残すか」という問いを立ててください。この問いには、必ず順位がつきます。

3. 社内で何を用意できるのか

原稿、写真、既存データ、取材に応じる時間。これらを社内で用意できるかどうかで、見積は数十万円から百万円以上変わります。

「用意できる」と答える前に、実際に書く人の名前と、確保できる時間を確認してください。「営業部で書きます」という回答が、実際には誰も手を付けないまま3か月経つ、というのはよくある展開です。詳しい影響はホームページ制作の費用相場で解説しています。

この3点にかかる時間

社内の関係者を集めて90分の会議を1回。それだけで、RFPの中身の半分は決まります。この会議を省いてRFPを書き始めると、たいてい書き直しになります

FIG 01RFPに必要な4点と、ないと起きること
RFPに必要な4項目と欠けた場合の影響記載すべきことないと起きること① 目的何のために作るか/成功の定義各社が別々の前提で提案し比較できない② 予算上限額または幅無難な標準案しか集まらない③ 要件必須の機能・ページ・技術要件契約後に「範囲外です」となる④ 評価基準何を重視して選ぶか社内で合意できず選定が長引く

RFPの目的は「各社を同じ土俵に乗せること」です。同じ条件で提案を受けるからこそ、金額と内容の差が実力の差として読み取れます。分量よりこの4点が明記されているかが重要です。

RFPの標準構成12項目

#項目記載内容重要度
1依頼の背景と目的なぜ今リニューアルするのか、何を解決したいのか必須
2企業・事業の概要事業内容、規模、強み、競合必須
3現状の課題数値を含めた具体的な課題必須
4ターゲット誰に向けたサイトか、その人の検討行動必須
5ゴールとKPI何をもって成功とするか必須
6サイト要件想定ページ、機能、CMS、多言語など必須
7技術要件構造化データ、AI検索対策、表示速度、アクセシビリティ必須
8コンテンツの分担原稿・写真を誰が用意するか必須
9予算上限額または幅、支払条件必須
10スケジュール公開希望日、選定・契約の日程必須
11提案してほしい内容提案書に含めてほしい項目推奨
12評価基準と選定方法何を重視するか、選定プロセス推奨

そのまま使えるRFPテンプレート

以下をコピーして、括弧内を自社の情報に置き換えてください。

RFP テンプレート

■ 1. 依頼の背景と目的

現在のコーポレートサイトは(  )年に制作したもので、
以下の課題を抱えています。
・(例:スマートフォンでの表示に問題がある)
・(例:事業内容が変わり、サイトの記載と実態が乖離している)
・(例:AI検索で自社が挙がらず、比較検討の入口に立てていない)

本件では、(例:Web経由の問い合わせを増やすこと)を目的として
サイトのリニューアルを実施したいと考えています。

■ 2. 企業・事業の概要

会社名:(  )
事業内容:(  )
従業員数:(  )名
主要顧客:(例:関東圏の中堅製造業)
競合:(  )(  )(  )
自社の強み:(例:〇〇の対応が最短△日)

■ 3. 現状の課題(数値を含めて)

・月間セッション数:( )/月
・Web経由の問い合わせ:( )件/月
・主な流入経路:(例:自然検索60%、直接30%、その他10%)
・AI検索での言及:(例:主要な質問20件中0件で自社名が挙がらない)
・社内での更新頻度:(例:年1回程度、実質更新できていない)

■ 4. ターゲット

主要ターゲット:(例:従業員50〜300名の製造業の経営企画担当者)
検討行動:(例:課題をAIに相談 → 数社を比較 → 資料請求 → 商談)
サブターゲット:(例:新卒・中途の求職者)

■ 5. ゴールとKPI

・Web経由の問い合わせ:( )件/月 → ( )件/月
・AI検索での言及率:0% → 30%(主要プロンプト20件中6件)
・評価時期:公開から6か月後

■ 6. サイト要件

想定ページ数:( )ページ程度
必須ページ:トップ/事業内容/サービス( )種/実績/
      会社概要/採用/お問い合わせ/FAQ
CMS:WordPress(お知らせ・実績・記事を社内で更新したい)
多言語:(不要 / 英語対応を希望)
その他機能:(例:資料ダウンロード、事例検索)

■ 7. 技術要件

以下を必須要件とします。提案書で対応可否を明記してください。

(1) 構造化データ(JSON-LD)を全ページに実装すること
    実装するスキーマ名を提案書に記載すること
    公開前にリッチリザルトテストおよびSchema Markup Validatorで
    検証し、結果を提出すること

(2) robots.txt でAIクローラー(GPTBot、OAI-SearchBot、
    PerplexityBot、Google-Extended等)へのアクセス方針を設計し、
    その方針を提案書に記載すること

(3) llms.txt を作成しサイトルートに設置すること

(4) 本文がJavaScriptに依存せずHTMLとして取得できる実装とすること

(5) URL変更が発生する場合、301リダイレクト対応表を成果物に
    含めること

(6) Core Web Vitals の改善を含めること
    (目標:PageSpeed Insights モバイル ( )点以上)

(7) 公開後、AI検索での言及状況を月次で計測し報告すること
    計測するプロンプト件数と対象AIを提案書に記載すること

■ 8. コンテンツの分担

原稿:(例:取材にもとづく執筆を依頼したい / 一部支給)
写真:(例:撮影を依頼したい/既存素材を支給)
図版:(例:制作を依頼したい)
既存データの移行:(例:ブログ記事 約120件、実績 約40件)

■ 9. 予算

( )万円〜( )万円(税別)を想定しています。
運用費:月額( )万円程度を想定
支払条件:(例:着手金50%、納品時50%)

■ 10. スケジュール

RFP配布:( )月( )日
質問受付期限:( )月( )日
提案書提出期限:( )月( )日
プレゼンテーション:( )月( )日
選定結果通知:( )月( )日
契約・着手:( )月
公開希望日:( )年( )月

■ 11. 提案書に含めてほしい内容

(1) 現状サイトの分析と課題の指摘
(2) サイトマップ案(各ページの役割を含む)
(3) トップページのデザイン方針(ラフ可)
(4) AI検索対策の具体的な実施内容
(5) 制作体制と担当者の経歴
(6) スケジュール(工程別)
(7) 見積(工程別の内訳を明記)
(8) 公開後の運用提案

■ 12. 評価基準

以下の配点で評価します。
・課題理解と提案内容:30点
・AI検索対策の具体性:25点
・デザインの水準:20点
・体制と実績:15点
・価格:10点

■ 連絡先

担当:( )部( )
メール:( )
電話:( )

使い方

すべての項目を埋める必要はありません。分からない項目は「未定・相談したい」と書いてください。埋められない箇所があること自体が、提案会社にとって有用な情報になります。

FIG 02AI検索対策を要件として書く:避けたい書き方と推奨する書き方
RFPにおける技術要件の書き方の比較BEFORE避けたい書き方×「AI検索対策に対応してください」×「SEO・LLMOに強いサイトに」×「最新の技術トレンドを取り入れて」×→ 何をもって対応したことに×  なるのかが定義されていないAFTER推奨する書き方(3点セット)対象範囲:全ページに実装すること提案書での明示:スキーマ名を記載検証方法:リッチリザルトテストとSchema Validatorで検証し結果を提出→ 対応可否が明確になる

対象範囲」「提案書での明示」「検証方法」の3点をセットで書くのがコツです。この書き方なら契約後の齟齬も防げます。

この図のどこに自社が当てはまるか判断がつかない場合は、無料のAI検索診断で現状をお調べします。

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AI検索対策を要件として書く方法

RFPで最も差が出るのが技術要件の書き方です。「AI検索対策をお願いします」という書き方では、各社が別々の解釈をします

避けたい書き方

・AI検索対策に対応してください
・SEO・LLMOに強いサイトにしてください
・最新の技術トレンドを取り入れてください

これでは、何をもって対応したことになるのかが定義されていません。提案書には「対応します」と書かれ、実際の作業内容は各社の裁量になります。

推奨する書き方

作業の対象と、検証の方法まで書きます。

構造化データ(JSON-LD)を全ページに実装すること。
実装するスキーマ名を提案書に記載すること。
公開前にリッチリザルトテストおよびSchema Markup Validatorで検証し、結果を提出すること。

この書き方なら、対応可否が明確になり、契約後の齟齬も防げます。「対象範囲」「提案書での明示」「検証方法」の3点をセットで書くのがコツです。

要件として書くべき7項目

  1. 構造化データの全ページ実装:スキーマ名の明示と検証結果の提出を求める
  2. AIクローラーのアクセス方針:学習利用と検索利用の切り分けを説明させる
  3. llms.txtの作成と設置:低コストで実施でき、対応可否が実力の目安になる
  4. JavaScript非依存の実装:本文がHTMLとして取得できることを担保
  5. 301リダイレクト対応表:成果物に含めることを明記
  6. Core Web Vitalsの目標値:PageSpeed Insightsの点数で指定
  7. AI言及の月次計測:プロンプト件数と対象AIの明示を求める

各項目の技術的な背景はAI検索対策チェックリスト22項目構造化データ実装ガイドで解説しています。要件を書く前に目を通しておくと、記述の精度が上がります。

予算の書き方

予算は書くべきか

結論として、書いてください。「足元を見られる」という懸念はよく聞きますが、実務上は書いたほうが良い提案が集まります。理由は3つです。

  • 優先順位の提案が受けられる:予算内で何に投資すべきかを提案会社が判断できる
  • 予算が合わない会社が辞退する:双方の時間の節約になる
  • 比較の精度が上がる:同じ予算枠での提案なので、内容の差が見える

予算を伏せた場合、各社は無難な標準案を出すしかありません。結果として、どこも似た提案になり、比較の材料が減ります

書き方のパターン

書き方使いどころ
上限額を明示200万円(税別)以内予算が確定している
幅で提示150万〜250万円で検討内容次第で調整の余地がある
段階提示基本案150万円、推奨案250万円の2案を提示希望社内で判断材料が欲しい
運用費も併記初期200万円、運用は月10万円程度を想定継続的な支援を求める

実務では段階提示が有効です。「予算内の案」と「予算を超えるが推奨する案」の2つを出してもらうと、何を削っているのかが見え、社内での議論もしやすくなります。費用の内訳の考え方はホームページ制作の費用相場で解説しています。

FIG 03評価基準の配点例(100点満点)
RFPの評価基準の配点例30%課題理解と提案内容現サイトへの具体的指摘25%AI検索対策の具体性スキーマ名・計測方法20%デザインの水準実績サイトの品質15%体制と実績担当者の経歴10%価格内訳の妥当性※ 配点をRFPに書くと、提案会社は配点の高い項目に力を入れます

価格の配点を10点にしておけば、値引き競争ではなく提案内容で勝負してもらえます。逆に価格を40点にすると、各社は削れる工程を削って安く見せようとします。何を重視するかが、そのまま提案の質を決めます。

評価基準の設計

選定基準を先に決めて明記すると、社内の合意形成が進み、選定後の説明もしやすくなります。

配点の例

評価項目配点見るポイント
課題理解と提案内容30点現状サイトへの具体的な指摘があるか。汎用提案でないか
AI検索対策の具体性25点スキーマ名、計測方法、検証手順が明示されているか
デザインの水準20点実績サイトの品質。自社の求める方向性と合うか
体制と実績15点担当者の経歴。同規模・同業種の実績
価格10点内訳の妥当性。総額だけで判断しない

配点で伝わるメッセージ

評価基準をRFPに書くと、提案会社は配点の高い項目に力を入れます。価格の配点を10点にしておけば、値引き競争ではなく提案内容で勝負してもらえます。

逆に、価格の配点を40点にすると、各社は削れる工程を削って安く見せようとします。何を重視するかが、そのまま提案の質を決めます

社内で配点を決めるときの進め方

関係者を集め、この5項目の配点を各自が独立して考えてから持ち寄ると、優先順位のずれが可視化されます。この段階でずれを解消しておけば、提案を受けたあとの議論がスムーズになります。

評価は複数人で行う

1人で採点すると、提案書の見栄えや担当者の印象に引っ張られやすくなります。3人以上が独立して採点し、その平均を取ると偏りが減ります。

採点後に点差の大きい項目があれば、そこを議論してください。同じ提案書を読んで評価が割れる項目には、たいてい判断基準の曖昧さが潜んでいます。この議論自体が、社内の優先順位を明確にする作業になります。

よくある不備6つ

不備1:目的が「リニューアルすること」になっている

リニューアルは手段です。目的は「問い合わせを増やす」「採用応募を増やす」「事業内容を正しく伝える」といった事業上の成果であるべきです。目的が手段になっていると、提案が形式的になります。

不備2:現状の数値がない

「アクセスが少ない」ではなく「月間セッション800、問い合わせ月2件」と書いてください。数値がないと、提案会社は改善幅を見積もれません

不備3:原稿の分担が書かれていない

制作費で最も差が出る項目です。書かれていない場合、多くの会社は「支給」を前提に見積を出します。着手後に「書けない」となり、追加費用が発生します。

不備4:要件が「一式」で書かれている

「SEO対策一式」「AI検索対策一式」では、各社の解釈がばらつきます。作業の対象と検証方法まで書いてください。

不備5:スケジュールが「なるべく早く」

具体的な日付と、その日付である理由を書きます。理由が分かれば、提案会社も現実的な工程を組めます。

不備6:評価基準がない

選定の段階で社内の意見が割れ、結論が出ません。提案を受ける前に基準を決めておくことで、判断が客観的になります。

業種別に追加すべき要件

標準の12項目に加えて、業種によって記載しておくべき要件があります。該当するものを追記してください。

製造業

製品情報の掲載形式と、検索性の要件を明記します。製品点数が多い場合、一覧の絞り込み機能やスペック表の構造が重要になります。スペック表を画像で作らず、テキストと構造化データで表現することを要件に加えてください。AIが仕様を読み取れるかどうかが、技術的な質問での引用可否を分けます。

あわせて、技術資料のPDF公開範囲と、それを検索対象に含めるかどうかも決めておきます。

士業・専門サービス

広告表現に関する各士業の規定への準拠を要件に入れてください。実績や料金の掲載可否は、所属する会などのルールによって制約があります。制作会社が規定を把握していない場合、公開直前に修正が発生します

また、執筆者・監修者の資格表記はE-E-A-Tに直結するため、「有資格者の氏名・資格名を明示する設計とすること」を要件として書いておく価値があります。

医療・クリニック

医療広告ガイドラインへの準拠が必須要件です。表現の制約が多いため、ガイドラインの知識がある制作会社かどうかを提案書で確認してください。ビフォーアフター写真、体験談、比較優良広告など、扱えない表現が明確に定められています。

あわせて、診療時間・休診日・アクセスの構造化(LocalBusinessスキーマ)を要件に加えると、地域検索とAI検索の両方で有利になります。

学校・教育機関

対象読者が複数(受験生、保護者、在校生、卒業生、企業)に分かれるため、それぞれの導線をどう設計するかを提案してもらう要件を入れてください。1つのトップページですべてを担おうとすると、AIから見ても主題が定まらないページになります。

募集要項や入試日程など、更新頻度が高く正確性が求められる情報の更新フローも要件化しておきます。

BtoBサービス

検討期間が長く、複数の関係者が閲覧するため、資料ダウンロードとリードの管理方法を要件に含めてください。フォームの項目設計、MAツールとの連携、サンクスページの設計まで含めると、公開後の運用がスムーズになります。

また、料金を非公開にする場合でも、「価格帯」や「初期費用の目安」だけは掲載する設計を検討してください。価格情報の有無は、AI検索での引用可否に影響します。

FIG 04RFP配布から選定までの6週間
RFP配布から制作会社選定までの6週間スケジュール1週目RFP作成社内で内容を確定関係部署も確認2週目配布・質問受付候補3社に配布質問は全社に共有3〜4週目提案書の作成期間2週間の猶予を与える1週間では質が落ちる5週目提案・プレゼン実制作担当の同席を依頼する6週目評価・選定複数人で採点不採用にも必ず連絡

A社からの質問への回答をA社だけに返すと、条件が揃わなくなります。質問と回答は匿名化して全社に共有してください。これが公平な比較の前提になります。

配布から選定までの進め方

時期やることポイント
1週目RFPを作成、社内で内容を確定関係部署の確認も済ませておく
2週目候補3社に配布、質問を受け付ける質問と回答は全社に共有する
3〜4週目各社が提案書を作成2週間の猶予を与える。1週間では質が落ちる
5週目提案・プレゼンテーション実制作の担当者の同席を依頼する
6週目評価、社内稟議、選定結果の通知不採用の会社にも必ず連絡する

質問と回答は全社に共有する

A社からの質問への回答をA社だけに返すと、条件が揃わなくなります。質問と回答は匿名化して全社に共有してください。これが公平な比較の前提になります。

提案期間は2週間確保する

1週間では、現状分析まで手が回らず、汎用的な提案書が出てきます。2週間あれば、各社が自社サイトを実際に調べたうえで提案を作れます。良い提案を集めたいなら、この期間は削らないでください。

プレゼンには実制作の担当者を呼ぶ

営業担当だけが来る場合、技術的な質問への回答が持ち帰りになります。実際に手を動かす人が同席すると、その場で判断材料が得られます。RFPの段階で「実制作担当者の同席を希望」と書いておくと確実です。

秘密保持契約(NDA)の扱い

RFPには、売上規模、問い合わせ件数、事業計画といった非公開情報を含めることがあります。配布前にNDAを締結するかどうかは、記載する情報の機微さで判断してください。

実務上は、NDAを結ばずに済む範囲で書くほうが進行は速くなります。「月間問い合わせ件数」は具体的な数字でなくても「現状の3倍を目指す」という書き方で提案には十分です。NDAの締結には各社の法務確認が入り、1〜2週間かかることもあります。

一方、新規事業の内容や未公開の商品情報を含める場合は、NDAを先に結んでください。この場合、選定に落ちた会社にも情報が渡ることを前提に、開示範囲を検討する必要があります。

不採用の連絡も必ず行う

提案書の作成には、各社2〜5日の工数がかかっています。選定結果は、採用・不採用にかかわらず必ず連絡してください。可能であれば、不採用の理由を一言添えると、次の機会につながります。

実務的な理由もあります。今回選んだ会社が対応できなくなった場合、次点の会社に相談することになります。そのときに関係が保たれているかどうかで、対応の速さが変わります。

提案を受けたあとの比較方法

手順1:評価シートに転記する

各社の提案を、評価項目ごとに1枚のシートに転記します。提案書のまま並べると、資料の作り込みの差に判断が引っ張られます。

手順2:見積を工程別に分解する

診断/情報構造設計/技術実装/コンテンツ制作/計測改善の5工程に割り当て直します。空欄がある場合は、そこを埋めるコストを加算してから比較します。

手順3:技術要件の対応表を作る

RFPの技術要件7項目について、各社が「対応する」「一部対応」「対応しない」のどれを回答したかを一覧にします。ここでの差が、AI検索対策の実行力の差です。

手順4:担当者の印象も記録する

数値化しにくい項目ですが、3〜4か月一緒に進める相手です。説明の分かりやすさ、質問への回答速度、できないことを言えるか。技術力が同等なら、この観点で決めても問題ありません。判断基準はAI検索対策会社の選び方に詳しくまとめています。

提案の「解釈の違い」に注目する

比較の際、金額と対応可否だけを見ると、重要な情報を見落とします。同じRFPを渡しても、各社が課題をどう解釈したかは大きく異なります

たとえば「問い合わせを増やしたい」という目的に対して、A社はフォームの改善とCTA設計を中心に提案し、B社は情報構造の再設計を中心に提案してくる。どちらが正しいということはなく、その会社がボトルネックをどこに見たかの違いです。

この解釈が、自社の実感と合っているかを見てください。「たしかにそこが問題だ」と感じる提案は、現状分析が正確に行われている証拠です。逆に、自社の感覚と大きくずれている場合は、その根拠を質問してください。納得できる説明があれば、それは自社が気づいていなかった視点ということになります。

プレゼンで聞くべき最後の質問

各社への質問の最後に、これを聞いてみてください。「この案件で、最も難しいと感じている点は何ですか」

すべてが順調に進む前提で話す会社より、リスクを具体的に挙げられる会社のほうが、実務の経験は深いと考えられます。原稿の準備が間に合わないリスク、社内の合意形成に時間がかかるリスク、既存データの移行が想定より複雑なリスク。こうした点を先に指摘できる相手は、進行中も先回りして動いてくれます。

RFPを作る時間がない場合の代替案

本格的なRFPを作る時間が取れないケースは多くあります。その場合の現実的な選択肢を示します。

代替案1:A4用紙1枚の要件メモ

次の5点だけを書いて配布します。所要時間は30分程度です。

  • 目的(何を増やしたいか、数値で)
  • 予算(幅で可)
  • 公開希望時期とその理由
  • 現サイトのURL
  • 原稿と写真を誰が用意するか

これだけでも、何も渡さない場合と比べて提案の精度は大きく変わります。

代替案2:チェックリストを添付する

技術要件を自分で書くのが難しい場合、既存のチェックリストをそのまま添付する方法があります。当サイトのAI検索対策チェックリスト22項目は、RFPに転記できる形式で作成しています。「この22項目への対応可否を提案書に記載してください」と一文添えるだけで、要件として機能します。

代替案3:1社に相談しながら要件を固める

信頼できる会社が1社ある場合、その会社と一緒に要件を整理し、その後に相見積もりを取るという進め方もあります。要件整理に協力した会社が有利になる面はあるものの、精度の高い比較ができます。

この方法を取る場合は、要件整理の段階でその旨を伝え、後で他社にも同じ要件を配布することを明示しておくのが誠実です。

代替案4:既存サイトの課題だけを共有する

目的も予算も固まっていない段階なら、無理にRFPを作らず、現状の課題だけを共有して提案を受ける方法もあります。「AIに聞くと競合しか出てこない」「スマホで見づらい」「更新できていない」といった事実だけを伝え、そこから何をすべきかを提案してもらう形です。

この進め方は、比較の精度は落ちるものの、自社では気づいていなかった課題が見つかるという利点があります。特に、Web担当者がいない企業では、要件を自力で書き出すこと自体が難しいため、現実的な選択肢になります。

ただし、この場合は各社の提案がばらつくため、最終的な比較の前に一度要件を揃え直す工程が必要になります。1社目の提案を受けたあと、その内容をもとに簡易なRFPを作り、他社に配布するという二段構えが実務的です。

まとめ:完璧なRFPより、早い着手を

RFPは、作り込むほど良い提案が集まります。しかし、完璧を目指すあまり配布が遅れるのは本末転倒です。

AI検索の領域では、先行して情報を整えた企業ほど引用されやすくなります。3か月かけて完璧なRFPを作るより、2週間で7割の完成度のRFPを配布し、提案の過程で要件を詰めるほうが、結果的に早く成果に届きます

本記事のテンプレートは、括弧内を埋めるだけで使える形式にしてあります。まずは書ける項目から埋めてみてください。埋められない項目は「相談したい」と書いておけば、それも提案会社にとっては有用な情報になります。

よくある質問

Q.RFPは何ページくらい書くべきですか?

A.A4で5〜10ページが目安です。分量よりも、目的・予算・要件・評価基準の4点が明記されているかが重要になります。30ページの詳細な仕様書を作っても、目的が曖昧なら良い提案は集まりません。逆に5ページでも、この4点が明確であれば各社は精度の高い提案を返してきます。時間がない場合は、目的と予算だけを書いたA4用紙1枚でも、何も渡さないよりはるかに効果があります。

Q.RFPに予算を書くと足元を見られませんか?

A.実務上は、予算を書いたほうが良い提案が集まります。予算が分かれば、その範囲内で何を優先すべきかを提案会社が判断できるためです。予算を伏せると、各社は無難な標準案を出すしかなく、比較の材料が減ります。また、予算と合わない会社が最初から辞退してくれるため、双方の時間の節約にもなります。上限額そのものが心配なら「100万〜150万円で検討」といった幅で記載する方法もあります。

Q.RFPは何社に配布すべきですか?

A.3社が目安です。4社以上になると、各社への説明と提案の比較に時間がかかり、意思決定が遅れます。AI検索対策は着手が早いほど有利な領域なので、選定に3か月かけるより3社で1か月以内に決めるほうが結果的に成果につながります。事前に候補企業の実績サイトを確認し、自社の求める水準に達している会社だけに絞ってから配布してください。

Q.RFPに書いた要件は、契約後に変更できますか?

A.変更は可能ですが、費用とスケジュールに影響します。特に構造やページ数に関わる変更は、設計工程をやり直すことになるため影響が大きくなります。RFPの段階で「確定している要件」と「相談したい事項」を分けて記載しておくと、後の変更が想定内に収まります。すべてを確定させる必要はなく、迷っている部分は迷っていると書くほうが、良い提案を引き出せます。

Q.RFPを作る時間がない場合はどうすればよいですか?

A.最低限、目的・予算・希望時期・現サイトのURL・社内の体制の5点をA4用紙1枚にまとめて配布してください。これだけでも、何も渡さない場合と比べて提案の精度は大きく上がります。あわせて、AI検索対策の要件をチェックリスト形式でまとめた資料を添付する方法もあります。当サイトのチェックリスト22項目は、そのまま要件書として使える形式で作成しています。

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