この記事の要点
- リニューアルはAI検索対策を入れる最大のチャンス。公開後に後付けすると、構造から作り直すことになりコストが跳ね上がります。
- チェックすべきは4カテゴリ・22項目。技術要件6/情報設計6/コンテンツ5/運用・計測5。
- 見積比較では「構造化データは全ページに実装されますか?」「AI検索での露出はどう計測しますか?」の2問が効きます。答えられない会社は対応できません。
- 既存サイトのURL構造を変える場合は、301リダイレクト設計を要件に必ず明記してください。ここの抜けが最も損害が大きい失敗です。
なぜリニューアル時にやるべきか
AI検索対策の中身は、大きく分けると構造の話とコンテンツの話です。このうち構造は、公開後に手を入れるのが難しい領域です。
たとえば「1ページに複数のサービスを詰め込んでいる」構成をあとから分割すると、URL変更、リダイレクト設計、内部リンクの張り替え、デザインテンプレートの追加が連鎖します。リニューアルの設計段階なら追加コストはほぼゼロ、公開後なら数十万円規模というのが実務の感覚です。
POINT
リニューアルの見積を取る段階で、以下の22項目を要件として渡してください。対応できる会社とできない会社が、見積書の時点で分かれます。
この22項目は、そのまま制作会社への要件書として使えます。とくにA-1(構造化データ全ページ)、A-3(AIクローラー許可)、A-6(リダイレクト設計)の3つが最優先です。この3つが欠けると、他の施策の効果が出ないか、既存の評価を失う恐れがあります。
この図のどこに自社が当てはまるか判断がつかない場合は、無料のAI検索診断で現状をお調べします。
無料でAI検索診断を依頼する →A. 技術要件(6項目)
| # | 確認項目 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| A-1 | 構造化データ(JSON-LD)を全ページに実装するか | AIがページ内容を確定情報として読める。最優先項目 |
| A-2 | 実装後にリッチリザルトテストとSchema Validatorで検証するか | 書いたつもりで動いていない事故が最も多い |
| A-3 | robots.txtでAIクローラーを許可する設定にするか | ここが閉じていると他の施策が全部無意味になる |
| A-4 | llms.txtを設置するか | 低コストで導入でき、副作用がない |
| A-5 | JavaScriptに依存せずHTMLで本文が取得できるか(SSR/SSG) | クローラーがJSを実行しない場合、本文が空に見える |
| A-6 | URL変更時の301リダイレクト表を作成・実装するか | 抜けると既存の評価とAIの参照先を同時に失う |
CAUTION
A-6は最も損害が大きい失敗です。旧URLで蓄積した評価がゼロに戻り、AIが参照していたURLも404になります。リダイレクト表を成果物として要件に明記してください。
B. 情報設計(6項目)
| # | 確認項目 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| B-1 | 1ページ1トピックに分解されているか | 複数トピックが混在するとAIが主題を特定できない |
| B-2 | 見出し(h1〜h3)が階層として正しく設計されているか | AIは見出し構造からページの論理を読む |
| B-3 | 見出しを画像で置き換えていないか | 画像内の文字は情報として扱われないリスクがある |
| B-4 | 関連ページ間の内部リンクが設計されているか | トピックの関連性がAIに伝わり、専門性の評価が上がる |
| B-5 | 会社基礎情報(所在地・電話・沿革・代表者)がテキストで掲載されているか | 発信者の実在性を示す土台 |
| B-6 | FAQページを設け、FAQPageスキーマを実装するか | Q&A形式はAIの回答生成と直接噛み合う |
C. コンテンツ(5項目)
| # | 確認項目 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| C-1 | サービス説明に数値と固有名詞が入っているか | 抽象的な文章は引用されない |
| C-2 | 料金または価格帯を掲載するか | AIが頻繁に問われる情報。出せる範囲でも効果が大きい |
| C-3 | 実績に業種・課題・成果指標が書かれているか | ロゴの羅列は引用材料にならない |
| C-4 | 記事に執筆者・監修者を明示するか | E-E-A-Tの担保。匿名記事は評価されにくい |
| C-5 | 各ページの冒頭で結論を先に書く構成になっているか | AIが切り出す箇所は冒頭に集まりやすい |
C-1の点検方法はシンプルです。その一文が競合他社のサイトにもそのまま書けるかどうかを確認してください。書けるなら、それは引用されない文章です。詳しくはAIに引用される文章の書き方で解説しています。
AとBは公開後に手を入れるのが難しい領域です。設計段階なら追加コストはほぼゼロ、公開後なら数十万円規模というのが実務の感覚です。リニューアルの見積を取る段階で要件として渡してください。
D. 運用・計測(5項目)
| # | 確認項目 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| D-1 | AI検索での言及状況を計測する仕組みがあるか | 順位ツールでは測れない。プロンプト単位の調査が必要 |
| D-2 | GA4でAI検索経由の流入を分離して見られるか | chatgpt.com等をリファラーとして識別する設定 |
| D-3 | 公開後の記事追加・更新の体制があるか | 情報の鮮度が引用可否に影響する |
| D-4 | 構造化データの保守が運用に含まれているか | CMS更新やテーマ変更で消えることがある |
| D-5 | 月次レポートに改善提案が含まれるか | 数値報告だけでは次の打ち手が決まらない |
費用とスケジュールの目安
この22項目を満たすリニューアルの費用は、コーポレートサイト規模で100万〜300万円、期間は3〜4か月が目安です。判断基準や進め方の詳細はホームページリニューアルの費用と進め方、この22項目を要件書に落とし込む方法はRFP(提案依頼書)の書き方にまとめています。
判断がつかない場合は、まず現状診断で切り分けるところから始めてください。構造化データの実装だけで改善するケースも、実装以前の設計が原因のケースもあります。
この図のどこに自社が当てはまるか判断がつかない場合は、無料のAI検索診断で現状をお調べします。
無料でAI検索診断を依頼する →制作会社への質問リスト
相見積もりの段階で、次の6問を投げてください。回答の具体性で実力が判別できます。
- 構造化データは全ページに実装されますか。実装するスキーマを具体的に挙げてください。
「対応しています」だけの回答は要注意。スキーマ名が出てくるかどうかを見ます。 - AI検索での露出は、どのように計測して報告いただけますか。
順位計測の話しか出てこない場合、AI検索対策の実務経験がない可能性が高いです。 - robots.txtとllms.txtの設定は、どのような方針で行いますか。
学習利用と検索利用を切り分けて説明できるかを見ます。 - URL変更が発生する場合、リダイレクト表は成果物に含まれますか。
「含まれる」と明言されるかを確認します。 - 本文はJavaScriptなしで取得できる実装になりますか。
SPAやヘッドレス構成を提案されている場合は特に重要です。 - 公開後、構造化データの保守は運用に含まれますか。
納品後に壊れたままになる事故を防ぎます。
あわせてAI検索対策とは?で全体像を、構造化データ実装ガイドで技術要件の中身を確認しておくと、打ち合わせでの判断がしやすくなります。
よくある質問
Q.リニューアルせず、既存サイトにAI検索対策だけ追加できますか?
A.可能なケースは多くあります。構造化データの実装、robots.txt・llms.txtの整備、会社基礎情報のテキスト化、FAQの追加といった施策は既存サイトのままでも実施できます。一方で1ページに複数トピックが混在している、本文が画像化されている、JS依存で本文が取得できないといった場合は、構造から見直したほうが結果的に安く済みます。
Q.チェックリストの中で、どれを最優先すべきですか?
A.A-1(構造化データの全ページ実装)、A-3(AIクローラー許可)、A-6(301リダイレクト設計)の3つです。この3つが欠けていると他の施策の効果が出ないか、既存の評価を失う恐れがあります。
Q.制作会社がAI検索対策に対応していない場合はどうすべきですか?
A.デザインと実装は既存の制作会社に任せ、AI検索対策の要件定義と検証だけを別途依頼する分業も可能です。ただし構造化データや情報設計は制作工程と不可分なため、設計段階から関与できる体制を組むほうが手戻りが少なくなります。
