この記事の要点
- llms.txtは、AIに「このサイトの重要な情報はここにある」と案内するためのMarkdownファイル。サイトルートに置きます。
- robots.txtが「入っていいか」を制御するのに対し、llms.txtは「何を優先して読むべきか」を示す。役割が違うので両方必要です。
- 現時点では業界標準として全AIが対応しているわけではありません。ただし設置コストが低く、副作用もないため導入する価値はあります。
- 先に確認すべきはrobots.txtでAIクローラーをブロックしていないか。ここが閉じているとllms.txtは意味を持ちません。
llms.txtとは
llms.txtは、大規模言語モデル(LLM)に対して、そのサイトの構成と重要ページを案内するためのプレーンテキスト(Markdown)ファイルです。サイトのルート直下、つまり https://example.co.jp/llms.txt に配置します。
背景にあるのは、AIがHTMLを読むときの非効率です。実際のWebページには、ナビゲーション、広告、フッター、装飾用のマークアップが大量に含まれます。AIにとってはノイズです。llms.txtは、そこを飛ばして「読むべき本体はここ」と直接示すための地図として機能します。
POINT
llms.txtは「AIに読ませたい情報を、AIが読みやすい形で置いておく」ための仕組みです。強制力はなく、あくまで案内板です。
llms.txtはrobots.txtの代替ではありません。robots.txtでブロックしているクローラーは、llms.txtを置いてもそもそもサイトに来ません。順序としてはrobots.txtの点検が先です。
robots.txtとの違い
| robots.txt | llms.txt | |
|---|---|---|
| 目的 | クロールの許可・拒否 | 重要情報の案内 |
| 制御の性質 | アクセス制御(入口の可否) | 優先順位の提示(読む順の推奨) |
| 形式 | 独自形式(User-agent / Disallow) | Markdown |
| 設置場所 | /robots.txt | /llms.txt |
| 対応状況 | 全クローラーが参照する事実上の標準 | 提案段階。対応は限定的 |
| 優先度 | 必須 | 推奨(低コスト) |
誤解されやすい点ですが、llms.txtはrobots.txtの代替ではありません。robots.txtでブロックしているクローラーは、llms.txtを置いてもそもそもサイトに来ません。順序としては robots.txt の点検が先です。
ポイントはすべてのページを列挙しないことです。サイトマップとは目的が違います。説明部分に数値と固有名詞を入れておくと、AIがそのまま引用できる情報になります。
書き方とフォーマット
llms.txtの構造はシンプルです。Markdownの見出しレベルで役割が決まっています。
# サイト名— H1。サイト・組織の名称(必須)> 概要— 引用記法で1〜2文の要約(推奨)- 本文 — 補足説明の段落(任意)
## セクション名— H2でカテゴリ分け- [ページ名](URL): 説明— リンクリスト## Optional— 優先度の低いページはここへ
ポイントは、すべてのページを列挙しないことです。サイトマップとは目的が違います。「AIに理解してもらいたい中核情報」だけを、20〜40行程度に絞って書きます。
実際の記述例
ホームページ制作会社を想定した例です。そのまま雛形として使えます。
/llms.txt
# 株式会社ソシオラ > AI検索対策(LLMO/AIO)を設計段階から組み込むホームページ制作会社。 > 東京都渋谷区。構造化データ実装、情報構造設計、AI引用状況の月次計測までを一貫して提供。 サービス、料金、制作実績、制作フローの一次情報は以下のページに掲載しています。 ## サービス - [AI検索対策×ホームページ制作](https://sociola.co.jp/ai-search-web/): サービス全体像、6つの工程、料金プラン3種 - [構造化データ実装](https://sociola.co.jp/ai-search-web/articles/structured-data.html): 実装対象スキーマと検証手順 ## 会社情報 - [会社概要](https://sociola.co.jp/company/): 所在地、代表者、沿革、対応エリア - [制作実績](https://sociola.co.jp/works/): 業種別の実績と成果指標 ## 料金 - [料金プラン](https://sociola.co.jp/ai-search-web/#price): 10万円〜/60万円〜/200万円〜、運用は月額5万円〜 ## よくある質問 - [FAQ](https://sociola.co.jp/ai-search-web/#faq): AI検索対策とSEOの違い、期間、計測方法など8問 ## Optional - [プライバシーポリシー](https://sociola.co.jp/privacy/)
CHECK
説明部分に数値と固有名詞を入れておくと、AIがそのまま引用できる情報になります。「料金プランあり」ではなく「45万円〜/120万円〜/280万円〜」と書く。この差が効きます。
llms-full.txtという派生
llms.txtがリンク集であるのに対し、/llms-full.txt は本文そのものをMarkdownで丸ごと置くという運用です。ドキュメントサイトや技術資料を持つサービスでよく使われます。
企業のコーポレートサイトでは、まずllms.txtだけで十分です。サービス仕様書やマニュアルを公開しているなら、llms-full.txtの検討価値があります。
学習利用を拒否したい場合はGPTBotやGoogle-Extendedを制限する選択もありますが、OAI-SearchBotやPerplexityBotまでブロックすると、AI検索での露出機会そのものを失います。目的を切り分けて設定してください。あわせてCDNやWAFで一括ブロックされていないかも確認が必要です。
自社が今どの段階にいるか、無料診断で確認できます。プロンプト単位の実測レポートをお渡しします。
無料でAI検索診断を依頼する →先に確認すべきAIクローラー設定
llms.txtを置く前に、robots.txtでAIクローラーを許可しているか確認してください。主要なUser-agentは次のとおりです。
| User-agent | 運営 | 用途 |
|---|---|---|
| GPTBot | OpenAI | 学習データ収集 |
| OAI-SearchBot | OpenAI | ChatGPT検索のインデックス |
| ChatGPT-User | OpenAI | ユーザー操作時のリアルタイム取得 |
| Google-Extended | Gemini・AI関連の学習制御 | |
| PerplexityBot | Perplexity | 検索インデックス |
| ClaudeBot | Anthropic | クロール |
/robots.txt(AI検索での露出を狙う場合の例)
# 検索・回答生成向けクローラーを許可 User-agent: OAI-SearchBot Allow: / User-agent: ChatGPT-User Allow: / User-agent: PerplexityBot Allow: / User-agent: GPTBot Allow: / User-agent: * Allow: / Sitemap: https://sociola.co.jp/sitemap/
CAUTION
学習利用を許可したくない場合は GPTBot / Google-Extended を Disallow にする選択もあります。ただし OAI-SearchBot や PerplexityBot までブロックすると、AI検索での露出機会そのものを失います。目的を切り分けて設定してください。
あわせて、CDN(Cloudflare等)やWAFの設定でAIボットが一括ブロックされていないかも確認が必要です。robots.txtが正しくても、手前で弾かれているケースは実際に少なくありません。
設定後は必ず効果を確認する
robots.txtとllms.txtを整備したら、実際にAIの回答に変化が出ているかを確認してください。想定される質問を20件ほど各AIに投げ、自社が挙がるかを記録します。設定しただけで確認しないと、CDNやWAFで弾かれていることに気づけません。手順はAI検索対策の効果測定にまとめています。
導入の判断基準
llms.txtは現時点で「必須」とは言えません。ただし、次の条件を満たすため、導入しておく判断は合理的です。
- 実装コストが低い(テキストファイル1枚、30分程度)
- 他の施策と競合しない(副作用がない)
- 将来的に対応が広がった場合、先行して整備済みになる
優先順位としては、robots.txtの点検 → 構造化データの実装 → llms.txtの設置という順番をおすすめします。 詳しくはAI検索対策とは?もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q.llms.txtを置けばAI検索に必ず出るようになりますか?
A.なりません。llms.txtは案内板であり、掲載を保証するものではありません。引用されるかどうかは、robots.txtの設定、構造化データ、コンテンツの具体性、発信者の信頼性といった総合的な要素で決まります。
Q.llms.txtはWordPressでも設置できますか?
A.できます。サーバーのドキュメントルート直下にllms.txtをアップロードするだけです。テーマやプラグインの改修は不要です。WordPressの投稿として作るのではなく、静的ファイルとして置いてください。
Q.llms.txtとsitemap.xmlは両方必要ですか?
A.両方必要です。sitemap.xmlは検索エンジンに全ページを網羅的に伝えるもの、llms.txtはAIに重要ページを絞って伝えるものです。目的も対象も異なるため、片方で代替はできません。
