この記事の要点
- 完全内製は、Web担当者1名の採用で年間600万〜900万円(初年度は紹介料を含め850万〜950万円)。3名体制なら年1,800万〜2,500万円が目安です。
- 完全外注は1人1日5万〜8万円が相場。週2日依頼で月40万〜64万円、常駐並みに使えば月100万〜160万円になります。
- 実務で最も費用対効果が高いのはハイブリッド型。社内は判断と一次情報だけを担い、専門作業は月額で外部に任せる形です。
- AI検索対策の全工程はディレクター・デザイナー・コーダー・エンジニア・マーケターの5職種分の専門性を要します。1人で全部は現実的ではありません。
- 一次情報を出せるのは社内の人間だけ。ここだけは内製に残し、それ以外を外部に任せるのが最も無駄が少ない配分です。
結論:3つの体制と年間コスト
AI検索対策の進め方は、突き詰めると完全内製・完全外注・ハイブリッドの3つしかありません。年間コストで並べると、判断はかなりはっきりします。
| 体制 | 年間コストの目安 | 実施できる範囲 | 追加採用 |
|---|---|---|---|
| 完全内製(1名採用) | 685万〜755万円 初年度 850万〜950万円 | 1名の得意領域に依存 | 必要 |
| 完全内製(3名体制) | 1,800万〜2,500万円 | ほぼ全範囲 | 必要 |
| 完全外注(週2日想定) | 480万〜768万円 | 全範囲 | 不要 |
| ハイブリッド(月額型) ソシオラの場合 | 60万〜360万円 月換算5万円〜30万円 | ほぼ全範囲 | 不要 |
金額の前提
完全内製は求人相場と厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)等をもとにした採用年収に、社会保険の会社負担・機材費・管理コストを加えて算出しています。完全外注は1人1日5万〜8万円という人日単価をもとに、週2日稼働で試算した金額です。ハイブリッド(ソシオラの場合)は月額5万円〜、平均30万円で運用した場合の年額です。いずれも2026年7月時点の目安で、地域・職種・作業量によって変動します。
なぜハイブリッド(ソシオラの場合)が最も安くなるのか
理由は単純です。AI検索対策の全工程には5職種分の専門性が必要で、それを全部社内に置くと人件費が積み上がるためです。
必要なのは、サイト戦略を描くディレクター、デザイナー、HTML・CSSのコーダー、WordPressやサーバーを扱うエンジニア、SEOとAI検索を追うマーケター。この5領域を一定水準以上で担える人材は「Web責任者兼フルスタック人材」に近く、年収600万〜800万円でも採用が難しい場合があります。
一方で、社内にしか用意できないのは「判断」と「一次情報」だけです。自社の数字、現場の判断基準、顧客から実際に聞かれる質問。これらは外部が取材しても限界があります。逆に言えば、この2つを社内に残し、残りを外部に任せれば追加採用は不要になります。
内製と外注の境界線は「やり直せるかどうか」
どこまでを社内で持つかの判断軸はひとつです。やり直しがきく作業は内製、やり直すと損害が出る作業は外注。
| 領域 | 内製の可否 | 理由 |
|---|---|---|
| AIクローラー設定の確認 | 内製可 | 確認だけなら5分。ブラウザでURLを開くだけ |
| FAQの追加 | 内製可 | 顧客の質問を書き出す作業。社内のほうが精度が高い |
| 原稿の具体化 | 内製推奨 | 一次情報を持っているのは社内だけ |
| AI検索の簡易チェック | 内製可 | AIに質問を投げて記録するだけ |
| 構造化データの実装 | 要検討 | コードの知識が必要。誤ると認識されない |
| 情報構造の再設計 | 外注推奨 | URL変更を伴い、既存の評価を失うリスクがある |
| レンダリング方式の変更 | 外注必須 | エンジニアリングの領域 |
FAQを追加して効果がなくても損害はありませんが、URL構成を変えてリダイレクトを誤ると、数か月分の流入を失います。この非対称性が、そのまま内製と外注の線引きになります。
「社内でやれば安い」という直感は、人件費を計上すると逆転します。完全内製は1名採用でも年685万〜755万円、3名体制なら1,800万〜2,500万円。ハイブリッド型(ソシオラの場合)は年60万〜360万円で、追加採用も不要です。※ 完全内製は求人相場と厚生労働省の統計をもとに、社会保険の会社負担・機材費を含めて算出(2026年7月時点)。
自社で対応できる範囲と、外部に頼むべき範囲の切り分けからご相談いただけます。初回診断は無料です。
無料でAI検索診断を依頼する →そもそも「完全内製」とは何を指すのか
費用の議論に入る前に、言葉を揃えておきます。「内製」にはまったく費用感の違う2種類があり、混同すると比較が成立しません。
採用型の内製(本記事で言う「完全内製」)
専任のWeb担当者を採用し、企画から実装、運用までを社内で回す体制です。人件費が発生するため、年間600万〜900万円(1名)という水準になります。全工程を社内で完結させたい場合はこの形が必要です。
兼任型の部分内製(追加費用ゼロで始められる)
既存社員が本来の業務と並行して、できる範囲だけを担う形です。追加の人件費は発生しませんが、実施できる範囲は限られます。robots.txtの確認、FAQの追加、原稿の具体化、AI検索の簡易チェックまでが現実的な上限です。
本記事の内製できる7つの作業は、この兼任型を前提に整理しています。費用ゼロで着手でき、しかも効果が出る施策なので、どの体制を選ぶ場合でもまず実行してください。
この記事の構成
前半(2〜4章)は兼任型で今日から着手できる範囲、中盤(5〜7章)は3つの体制の年間コスト比較、後半(8章以降)は実行手順と体制の選び方を扱います。費用の比較だけを見たい場合は費用比較へお進みください。
判断の原則は「やり直しがきく作業」は内製、「やり直すと損害が出る作業」は外注です。FAQを追加して効果がなくても損害はありませんが、URL構成を変えてリダイレクトを誤ると数か月分の流入を失います。
内製できる7つの作業
専門知識がなくても、今日から着手できる作業を効果順に並べます。
1. AIクローラーのアクセス確認(所要:10分)
ブラウザで https://自社ドメイン/robots.txt を開き、次のUser-agentが Disallow: / になっていないか確認します。
GPTBot(OpenAI・学習用)OAI-SearchBot(ChatGPT検索のインデックス用)ChatGPT-User(ユーザー操作時の取得)PerplexityBot(Perplexity)Google-Extended(Gemini関連)
ここが閉じていると、他のあらゆる施策が無効になります。まずこれを確認してください。設定の考え方はllms.txtとrobots.txtの使い分けで解説しています。
2. AI検索での現状チェック(所要:30分〜1時間)
ChatGPT、Gemini、Perplexityに、見込み客が投げそうな質問を20件ほど入力し、結果を記録します。
・(業種)で(地域)のおすすめの会社は?
・(課題)を解決できる会社を教えて
・(サービス名)の相場はいくら?
・(自社名)はどんな会社?
自社名が挙がるか、どの競合が挙がるか、自社サイトが引用元として提示されるか。スプレッドシートに記録しておけば、施策の前後で比較できます。
3. FAQページの作成・拡充(所要:3〜5時間)
営業担当や問い合わせ窓口が実際に聞かれている質問を15〜20問リスト化し、ページにします。想像で作った質問より、実際の質問文のほうがユーザーの言葉に近くなります。
回答は、それ単体で意味が通る完結した文にしてください。「上記のとおり」「詳しくはこちら」といった参照表現は、AIが切り出した時点で意味を失います。
4. サービス説明の具体化(所要:5〜10時間)
既存の文章を1文ずつ点検し、抽象的な形容を数値と固有名詞に書き換えます。
| 書き換え前 | 書き換え後 |
|---|---|
| 豊富な実績があります | これまでに120件のサイトを制作し、うち32件が製造業です |
| 短納期に対応します | 10ページ規模なら、契約から最短6週間で公開できます |
| 幅広いエリアに対応 | 東京・神奈川・埼玉・千葉は対面、それ以外はオンラインで対応します |
点検の基準はひとつです。その一文が競合他社のサイトにもそのまま書けるか。書けるなら、書き換えてください。詳しくはAIに引用される文章の書き方にまとめています。
5. 会社基礎情報のテキスト化(所要:2〜3時間)
所在地、電話番号、設立年、代表者名、事業内容、対応エリア、許認可。これらが画像ではなくテキストで掲載されているかを確認し、不足していれば追加します。AIが「どんな会社か」を判断する土台にあたります。
6. 執筆者・監修者情報の追加(所要:1〜2時間)
記事に執筆者名と所属、可能であれば略歴と顔写真を追加します。匿名の記事より、実在する人物が書いた記事のほうが信頼性の評価が高くなります。
7. 一次情報の棚卸し(所要:3〜5時間)
社内にある数字を洗い出します。平均的な工期、対応件数、修正回数の実績、業種別の内訳、よくある失敗例。社内では当たり前の数字が、外部から見ると貴重な情報です。これがコンテンツの素材になります。
外注すべき5つの作業
1. 情報構造の再設計
1ページに複数トピックが混在している構成を分割する、URL体系を整理する、内部リンクを設計し直す。この作業はURL変更を伴うため、リダイレクト設計を誤ると既存の検索評価を失います。
また、どう分割するのが最適かの判断には、検索需要とAIの質問パターンの両方を踏まえた経験が必要です。ここは外注する価値が最も高い領域です。
2. 構造化データの全ページ実装
プラグインで基本的な出力はできますが、AI検索対策で効く項目(Serviceの価格帯、OrganizationのknowsAbout、FAQPageの詳細など)は不足しがちです。また、テンプレートに組み込んで自動出力する設計にしないと、ページを追加するたびに手作業が必要になります。
コードの知識がある担当者がいれば内製も可能です。実装例は構造化データ実装ガイドにコード付きで掲載しているので、判断材料にしてください。
3. レンダリング方式の変更
JavaScriptに依存して本文が描画されている場合、SSRやSSGへの変更が必要になります。これはエンジニアリングの領域で、内製できるのは社内に開発チームがある企業に限られます。
4. 表示速度の最適化
画像の最適化程度なら内製可能ですが、Core Web Vitalsの改善には、CSSやJavaScriptの読み込み順、フォントの配信方法、サーバー設定といった知識が必要です。
5. 大規模なコンテンツ設計
記事を10本、20本と増やす場合、トピックの重複を避けながらクラスターを組む設計が必要になります。似た内容の記事を量産するとAIにも検索エンジンにも評価されません。全体設計は外部の視点を入れたほうが精度が上がります。
内製に必要なスキルと工数
必要なスキル
| 作業 | 必要なスキル | 習得の難易度 |
|---|---|---|
| robots.txt確認 | ブラウザでURLを開ける | なし |
| AI検索チェック | AIツールの基本操作、記録の習慣 | 低 |
| FAQ・原稿作成 | 自社の業務理解、文章力 | 低 |
| CMSでのページ追加 | WordPress等の基本操作 | 低〜中 |
| 構造化データ実装 | HTML、JSON、schema.orgの理解 | 中 |
| GA4での効果測定 | 探索レポートの作成 | 中 |
| レンダリング方式の変更 | フロントエンド開発 | 高 |
工数の目安
| フェーズ | 作業内容 | 工数 |
|---|---|---|
| 初期(1〜2か月目) | 現状確認、FAQ作成、原稿の書き換え、基礎情報整備 | 40〜80時間 |
| 継続(3か月目〜) | 月次のAI検索チェック、記事1本、更新対応 | 月10〜20時間 |
初期の40〜80時間を人件費に換算すると、時給3,000円で12万〜24万円相当です。これに学習コストと、判断を誤った場合の手戻りが加わることを踏まえて判断してください。
AI検索対策の全工程にはディレクター・デザイナー・コーダー・エンジニア・マーケターの5職種分の専門性が必要です。この範囲を1人で担える人材は「Web責任者兼フルスタック人材」に近く、年収600万〜800万円でも採用が難しい場合があります。※ 2026年7月時点の求人相場と厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)等をもとに整理。
完全内製に必要な人材と年間コスト
ここからは、専任のWeb担当者を採用する「完全内製」の実額を見ていきます。結論を先に言うと、1名採用でも会社負担は年間685万〜755万円、初年度は850万〜950万円が目安です。
職種別の採用年収の目安
AI検索対策を含むWeb業務は、職種によって求められるスキルが異なります。採用時の現実的な年収水準は次のとおりです。
| 職種 | 主な業務 | 採用年収の目安 |
|---|---|---|
| Web更新担当 | 文章・画像の更新、WordPress入稿 | 350万〜450万円 |
| Webデザイナー | サイト・LP・バナーのデザイン | 400万〜550万円 |
| HTMLコーダー | HTML・CSS・JavaScript、レスポンシブ対応 | 400万〜550万円 |
| Webディレクター | 企画、要件整理、進行管理、改善提案 | 500万〜700万円 |
| フロントエンドエンジニア | JavaScript、CMS、動的な画面実装 | 500万〜700万円 |
| WordPress・Webエンジニア | PHP、CMS開発、API、保守・セキュリティ | 500万〜750万円 |
| Webマーケター | SEO、広告、GA4、アクセス改善 | 500万〜750万円 |
| 複数業務を担当できるWeb担当者 | 企画・デザイン・実装・SEO・運用 | 550万〜800万円以上 |
参考として、求人統計ではWebデザイナー約460万円、Webディレクター約517万円、Webエンジニア約459万円、デジタルマーケティング約572万円。厚生労働省の統計ではWebデザイナー約539.6万円、Webディレクター約583.3万円、Webサービス開発エンジニア約578.5万円となっています。公的統計は職業分類が広いため、求人相場より高めに出る傾向があります。
給与以外にも会社負担がある
見落とされやすいのが、給与以外のコストです。年収550万円でWeb担当者を採用した場合の内訳を示します。
| 項目 | 年間の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 給与・賞与 | 550万円 | — |
| 会社負担の社会保険・労働保険 | 約85万〜95万円 | 給与の15〜17%程度 |
| PC・モニター・ソフト・サーバー等 | 約30万〜60万円 | Adobe、各種ツールを含む |
| 研修・福利厚生・管理コスト | 約20万〜50万円 | — |
| 通常年の総コスト | 約685万〜755万円 | — |
| 採用紹介料を含む初年度 | 約850万〜950万円 | 紹介料は理論年収の30〜35%が相場 |
社会保険の会社負担について
2026年度は厚生年金保険料率が18.3%で労使折半、健康保険料率は都道府県ごとに設定(例:神奈川県9.92%で労使折半)、雇用保険は一般の事業で事業主負担0.85%です。合計すると、社会保険等の会社負担だけで給与の15〜17%程度になります。料率は年度・都道府県で変わるため、最新の値をご確認ください。
1人ですべて担当できるのか
更新中心の業務であれば、1名でも回ります。具体的には次の範囲です。
- WordPressの記事・画像更新
- 簡単なページ追加
- バナー制作
- HTML・CSSの軽微な修正
- GA4の確認
- 制作会社への依頼・進行管理
一方で、次のすべてを1人に求めるのは現実的ではありません。
- サイト戦略・企画
- Webデザイン・UI設計
- HTML・CSS・JavaScript
- WordPress・PHP開発
- サーバー・セキュリティ対応
- SEO・LLMO(AI検索)対策
- 広告運用
- GA4による分析・改善
- 原稿作成・撮影・動画編集
この範囲を一定水準以上で担える人材は、一般的なWeb担当者というより「Web責任者兼フルスタック人材」です。年収600万〜800万円でも採用が難しい場合があります。加えて、その人が退職・休職するとWeb業務が止まる「属人化リスク」も抱えることになります。
本格的な内製チームを組む場合
実務上、最低限の3名体制を組むと次のようになります。
| 人員 | 年収の目安 |
|---|---|
| Webディレクター兼マーケター | 550万〜700万円 |
| Webデザイナー | 400万〜550万円 |
| コーダー兼WordPressエンジニア | 500万〜700万円 |
| 給与総額 | 1,450万〜1,950万円 |
| 会社の実質的な年間負担 | 約1,800万〜2,500万円 |
※ 採用年収は2026年7月時点の求人相場と、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)等の公的統計をもとに当社が整理したものです。地域・企業規模・スキルによって変動します。
完全内製を選ぶべきケース
年間1,800万〜2,500万円を投じてもなお内製が合理的なのは、Web経由の売上が事業の柱になっている企業です。ECで年商数億円規模、あるいは自社サービスの改善サイクルが毎週回るような事業なら、社内にチームを置く価値があります。逆に、月数件の問い合わせを増やしたいという目的であれば、この投資は過大です。
給与だけを見て判断すると、実際の会社負担を2割以上見誤ります。社会保険等の会社負担だけで給与の15〜17%程度、これに機材費と管理コストが加わります。初年度はさらに採用紹介料(理論年収の30〜35%)が必要です。
完全外注の相場|1人1日5万〜8万円
次に、案件ごと・作業ごとに外部へ発注する「完全外注」の相場を見ます。制作会社やフリーランスに実作業を依頼する場合、1人1日あたり5万〜8万円が目安です。
稼働日数から月額・年額に換算する
人日単価だけでは判断しづらいため、依頼頻度ごとに換算します。
| 依頼頻度 | 月あたりの稼働 | 月額の目安 | 年額の目安 |
|---|---|---|---|
| スポット(月2日程度) | 2人日 | 10万〜16万円 | 120万〜192万円 |
| 週1日ペース | 4人日 | 20万〜32万円 | 240万〜384万円 |
| 週2日ペース | 8人日 | 40万〜64万円 | 480万〜768万円 |
| 常駐並み(月20日) | 20人日 | 100万〜160万円 | 1,200万〜1,920万円 |
この表から分かるのは、外注も「使う量」次第で内製と同等かそれ以上になるということです。常駐並みに依頼すれば、3名の内製チームに近い金額になります。
単価に含まれないもの
人日単価で発注する際、次の費用は別に見込んでおく必要があります。
- 発注側のディレクション工数:指示出し、確認、フィードバック。慣れていないと1人日の作業に対して2〜3時間かかります
- 手戻りの工数:要件が曖昧なまま発注すると、やり直しの分だけ人日が増えます
- ツール・素材の実費:写真素材、有料フォント、プラグインのライセンス
- 最低発注量:会社によっては「最低5人日から」といった条件があります
完全外注が向いているケース
作業内容と分量がはっきりしている場合です。「LPを1枚作る」「構造化データを実装する」「記事を5本書く」といった切り出しなら、人日単価での発注は明快で無駄がありません。
逆に向かないのは、継続的な改善が必要な場合です。AI検索対策は月次で計測し、結果を見て次の施策を決める性質のため、都度発注だと毎回の見積・発注のやり取りが負担になります。この領域では月額型のほうが実務的です。
人日単価を確認するときの質問
「御社の人日単価はいくらですか。職種によって変わりますか」と聞いてください。ディレクター8万円、デザイナー6万円、コーダー5万円のように職種別に設定されている会社が多く、その内訳が分かると見積の妥当性を判断できます。
外注も「使う量」次第で内製と同等かそれ以上になります。常駐並みに依頼すれば3名の内製チームに近い金額です。加えて、この単価には発注側のディレクション工数が含まれません。指示出しと確認の人件費も見込んで比較してください。
費用比較|3つの体制の年間コスト
ここまでの数字を1つの表にまとめます。10ページ規模のコーポレートサイトで、AI検索対策を含むWeb運用を1年間続けた場合の比較です。
| 完全内製 (1名採用) | 完全内製 (3名体制) | 完全外注 (週2日) | ハイブリッド (月額型) | |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 採用紹介料 165万〜200万円 | 採用紹介料 435万〜585万円 | 制作費 別途 | 0円 (キャンペーン中) |
| 月あたりの費用 | 57万〜63万円 | 150万〜208万円 | 40万〜64万円 | 5万〜30万円 |
| 年間コスト(通常年) | 685万〜755万円 | 1,800万〜2,500万円 | 480万〜768万円 | 60万〜360万円 |
| 年間コスト(初年度) | 850万〜950万円 | 2,235万〜3,085万円 | 480万〜768万円+制作費 | 60万〜360万円 |
| 追加採用 | 必要 | 必要 | 不要 | 不要 |
| 実施できる範囲 | 1名の得意領域に依存 | ほぼ全範囲 | 全範囲 | ほぼ全範囲 |
| 費用の変動 | 固定費(減らせない) | 固定費(減らせない) | 使った分だけ | 作業量に応じて調整可 |
| 一次情報の質 | 高い | 高い | 取材次第 | 高い |
| 属人化リスク | 大きい | 中程度 | 小さい | 小さい |
| 社内の負荷 | 採用・育成・管理 | 採用・育成・管理 | 都度の発注と確認 | 判断と一次情報の提供 |
この表から読み取れること
1つ目は、完全内製が最も高くつくこと。「社内でやれば安い」という直感に反しますが、人件費と社会保険の会社負担を計上すれば当然の結果です。しかも固定費なので、業務量が減っても下げられません。
2つ目は、完全外注も使う量次第で高額になること。週2日ペースなら年480万〜768万円で、1名の内製と大差ありません。人日単価が明快である一方、継続的に使うと積み上がる構造です。
3つ目は、ハイブリッドの費用が最も柔軟であること。ソシオラの場合月5万円から始められ、作業量に応じて増減できます。年360万円(月30万円)でも、3名内製の5分の1から7分の1です。
比較の前提について
完全内製と完全外注は「使える時間」を買う契約、ハイブリッドは「必要な作業」を買う契約です。前者は稼働が空いても費用が発生し、後者は作業量に連動します。AI検索対策のように月次で必要な作業量が変わる領域では、後者のほうが無駄が出にくくなります。
コスト以外で比較すべき3点
金額だけで決めると、後で困ることがあります。次の3点もあわせて見てください。
- 属人化リスク:1名採用の完全内製は、その人が抜けるとWeb業務が止まります。引き継ぎ資料が残っているかどうかで復旧の速さが変わります
- スキルの陳腐化:AI検索の仕様は頻繁に変わります。社内1名で最新動向を追い続けるのは負担が大きく、外部の知見を入れるほうが効率的です
- 止められるかどうか:成果が出ない場合、雇用は簡単に止められません。月額契約なら見直しができます
逆に、内製が有利な点
公平に書くと、内製には金額に表れない利点があります。意思決定が速いことと、事業の文脈を理解した人が判断できることです。
「この表現は現場の実態と違う」「この数字は出せない」といった判断は、社内の人間のほうが早く正確にできます。だからこそ、ハイブリッドでも「判断」と「一次情報」は社内に残す設計にしています。すべてを外に出すのではなく、社内が持つべき役割を明確にするのが要点です。
社内にしか用意できないのは「判断」と「一次情報」だけです。この2つを社内に残し、残りを月額で外部に任せれば追加採用は不要になります。外部への依頼を人日単価ではなく月額の定額にすることで、その月に必要な作業へ工数を振り向けられます。
ハイブリッド型の役割分担モデル
前章の比較で最も費用対効果が高かったハイブリッド型を、具体的な分担に落とします。要点は社内が「判断」と「一次情報」だけを持ち、それ以外を月額で外部に任せることです。
ここで重要なのは、外部への依頼を人日単価ではなく月額の定額にする点です。AI検索対策は月次で計測し、その結果を見て次の施策を決める性質があります。都度発注では毎回見積のやり取りが発生し、判断が遅れます。月額であれば、その月に必要な作業に工数を振り向けられます。
| 作業 | 担当 | 理由 |
|---|---|---|
| 現状診断 | 外注 | 比較対象と判断基準を持っている |
| 情報構造設計 | 外注 | 失敗のリスクが大きい |
| 構造化データ実装 | 外注 | テンプレート化して自動出力にする |
| 一次情報の提供 | 内製 | 社内にしかない情報 |
| FAQの原案作成 | 内製 | 実際に聞かれている質問を知っている |
| 記事の執筆 | 内製+外注の校正 | 中身は社内、構成と表現は外部が整える |
| 月次の更新 | 内製 | スピードとコストの両面で有利 |
| 効果測定・改善提案 | 外注 | 継続的な計測の仕組みが必要 |
この分担が機能する理由
AI検索対策で最も効くのは一次情報であり、それを持っているのは社内の人間だけです。取材で引き出せる情報には限界があります。一方で、その情報をどう構造化し、どう配置するかは経験がものを言う領域です。
この2つを切り分けることで、費用を抑えながら質を確保できます。原稿を完全に外注すると、一般論の記事になりやすいのは、この構造によるものです。
内製で失敗しやすい5つのポイント
失敗1:構造化データを実装したつもりで、動いていない
JSONの構文エラーがあると、その構造化データは丸ごと無視されます。末尾のカンマ、全角のクォーテーション、括弧の閉じ忘れ。実装後は必ずリッチリザルトテストとSchema Markup Validatorの両方で検証してください。
失敗2:記事を量産して、評価が下がった
似た内容の記事を短期間に大量投入すると、重複と判断されて全体の評価が下がることがあります。本数ではなく、1本ごとに独自情報が入っているかで判断してください。
失敗3:AIクローラーを全部ブロックしていた
セキュリティ設定やCDNの初期設定で、AIボットが一括ブロックされているケースは実際に多くあります。robots.txtが正しくても、手前のWAFで弾かれていれば同じことです。
失敗4:計測を始めたが、続かなかった
最初の月は50プロンプトを丁寧に測り、翌月から手が回らなくなる。よくあるパターンです。20プロンプト×月1回など、確実に続けられる量から始めてください。計測方法は効果測定の記事にまとめています。
失敗4-1:効果の判定を焦って、施策を次々変えてしまった
1か月で変化がないからと、構成を変え、記事の方向性を変え、また元に戻す。内製でよく起きるパターンです。AI検索での露出は1〜3か月かけて現れるため、短期間で方針を変えると、何が効いたのか分からなくなります。
着手前に「3か月は同じ方針で続ける」と決めておいてください。変更するのは、明らかな技術的問題(クローラーがブロックされている、構造化データがエラーを出している)が見つかった場合だけにします。
失敗5:担当者の異動で、すべて止まった
1人に依存した内製体制は、その人がいなくなると継続しません。作業手順とプロンプトのリストをドキュメント化し、共有ドライブに置いておいてください。
ここまでで費用ゼロ、社内工数25〜30時間です。技術的な対策は含まれませんが、AI検索対策の半分は「何が書かれているか」の問題なので、この段階でも変化は起こりえます。どの体制を選ぶ場合でも、まずこの4週間を実行してください。
自社で対応できる範囲と、外部に頼むべき範囲の切り分けからご相談いただけます。初回診断は無料です。
無料でAI検索診断を依頼する →今日から社内で始める手順(4週間)
1週目:現状を知る
- robots.txtを開き、AIクローラーの設定を確認する(10分)
- 自社サイトのソースを表示し、
ld+jsonがあるか確認する(10分) - 見込み客が投げそうな質問20件を書き出す(1時間)
- その20件をChatGPT・Gemini・Perplexityに投げ、結果を記録する(1時間)
この時点で、いま自社がどう扱われているかが分かります。スプレッドシートに記録しておけば、以後の比較基準になります。
2週目:材料を集める
- 営業・問い合わせ窓口に「よく聞かれる質問」を挙げてもらう(2時間)
- 社内の数字を洗い出す(対応件数、平均期間、業種別の内訳など)(2時間)
- 既存ページの文章を点検し、抽象的な表現に印をつける(3時間)
3週目:直す
- FAQページを作成または拡充する(15〜20問)(4時間)
- 抽象的な表現を、集めた数字に置き換える(4時間)
- 会社基礎情報がテキストで載っているか確認・追加する(2時間)
4週目:仕組みにする
- プロンプト20件の測定を月次で行う担当と日程を決める(30分)
- 記事を月1本追加する体制を決める(30分)
- 技術面で外注が必要な範囲を洗い出し、見積を依頼する(2時間)
4週間で得られるもの
ここまでで費用ゼロ、社内工数25〜30時間です。技術的な対策は含まれていませんが、AI検索対策の半分は「何が書かれているか」の問題なので、この段階でも変化は起こりえます。そのうえで、残りの技術部分を外注すれば投資効率は高くなります。
AI検索チェックの実践手順
内製で最初にやるべき「AI検索での現状チェック」を、手順として詳しく示します。特別なツールは不要で、スプレッドシートと各AIのWeb版だけで実施できます。
手順1:質問文(プロンプト)を設計する
見込み客がAIに投げそうな質問を20〜30件書き出します。次の5カテゴリから、それぞれ4〜6件ずつ作るとバランスが取れます。
| カテゴリ | 質問文の例 | 狙い |
|---|---|---|
| 業種+地域 | 東京で(業種)に強い会社を教えて | 最も基本的な指名獲得の入口 |
| 課題ベース | (顧客が抱える課題)を解決する方法は? | 顕在化していない層への露出 |
| 比較・選び方 | (サービス)の会社を選ぶポイントは? | 比較検討中の層 |
| 価格 | (サービス)の相場はいくら? | AIが最も問われる情報のひとつ |
| 自社名 | (自社名)はどんな会社?信頼できる? | 誤情報がないかの確認 |
この設計で重要なのは、自社名を含まない質問を大半にすることです。社名で聞けば当然自社の情報が出ますが、実際の見込み客は社名を知らない状態で質問します。
手順2:スプレッドシートを用意する
列は次の構成にします。1行1プロンプトです。
- No. / 質問文 / カテゴリ
- ChatGPT:自社名の有無(○×)/何番目か/引用されたURL
- Gemini:同上
- Perplexity:同上
- 挙がった競合名(上位3社)
- 気づいたこと(自由記述)
手順3:実際に投げて記録する
各AIに同じ質問を投げ、結果を記録します。20件×3AIで60回。1件あたり1分程度なので、1時間程度で一巡できます。
記録するときのポイントは、○×だけでなく回答文のニュアンスもメモしておくことです。「挙がってはいるが、3番目で説明が薄い」「競合は具体的な料金まで書かれているが、自社は概要だけ」といった差が、改善の手がかりになります。
手順4:競合との差を分析する
頻繁に引用されている競合が見つかったら、そのサイトを開いて確認します。見るのは3点です。
- 構造化データが実装されているか:ソースを表示して
ld+jsonを検索 - 料金や対応範囲が具体的に書かれているか:数値の有無
- FAQやQ&A形式のページがあるか:AIが切り出しやすい構造か
この3点で差が明確なら、そこが自社の改善ポイントです。競合が特別なことをしているわけではなく、基本を押さえているだけというケースがほとんどです。
手順5:月次で繰り返す
同じ質問文で、毎月同じ日に測定します。生成AIの回答は実行のたびに変動するため、1回の結果で判断せず、数か月の推移で傾向を見るのが正しい使い方です。
この作業の副次的な効果
AI検索チェックを続けると、見込み客がどんな言葉で自社の業界を語るかが見えてきます。社内で使っている専門用語と、顧客が使う言葉のずれに気づくことも多く、それ自体がサイトの原稿を書き直す材料になります。
内製に使えるツールと確認方法
| 目的 | 使うもの | 費用 |
|---|---|---|
| 構造化データの検証 | Googleリッチリザルトテスト、Schema Markup Validator | 無料 |
| 表示速度の測定 | PageSpeed Insights | 無料 |
| インデックス・404の確認 | Google Search Console | 無料 |
| 流入の分析 | Google Analytics 4 | 無料 |
| AI言及の記録 | スプレッドシート+各AIのWeb版 | 無料 |
| ソースの確認 | ブラウザの「ページのソースを表示」 | 無料 |
ソースの見方(構造化データの確認)
- 確認したいページをブラウザで開く
- 右クリックして「ページのソースを表示」を選ぶ
- Ctrl+F(MacはCommand+F)で
ld+jsonを検索 - 見つかった場合、その中身をコピーしてSchema Markup Validatorに貼り付ける
この手順は競合サイトにも使えます。同業他社がどこまで実装しているかを確認しておくと、優先順位の判断材料になります。
内製で記事を書くときの3原則
社内で記事を書く場合、文章力よりも構成のルールを守るほうが効果に直結します。プロのライターでなくても、次の3原則さえ守れば、AIに引用される記事は書けます。
原則1:見出しの直後に結論を書く
日本のビジネス文書では、背景から説明して結論を最後に置く書き方が一般的です。しかしAIは、切り出した塊だけで判断します。前置きから始まる文章は、冒頭を切り出しても意味のある情報になりません。
見出しを立てたら、その見出しへの答えを1〜2文で先に書く。背景や補足はその後に続けます。これだけで、引用される確率が変わります。
避けたい書き方
近年、〇〇の分野では様々な変化が起きています。従来の手法だけでは不十分だという声も聞かれるようになりました。そうした中で注目されているのが△△です。
推奨する書き方
△△とは、〇〇を□□によって解決する手法です。従来の手法と違い、××の点で優れています。
原則2:1段落は2〜4文に収める
1つの段落に複数の論点を詰め込むと、AIは切り出す単位を決められません。1段落1論点を守り、論点が変わったら改行してください。
あわせて、「前述のとおり」「上記の理由から」「これに関しては」といった参照表現を避けます。人間には自然な表現ですが、切り出された瞬間に指示先を失います。主語を毎回明示するほうが、結果的に読みやすくもなります。
原則3:抽象語を数値と固有名詞に置き換える
書き終えたら、文章を上から読み直し、「これは競合他社のサイトにもそのまま書けるか」を1文ずつ確認してください。書けるなら、それは引用されない文章です。
社内では当たり前の数字ほど、外から見ると価値があります。対応した件数、平均的な期間、業種別の割合、実際に起きた失敗と対処。こうした具体が入った瞬間に、その文章は「その会社にしか書けないもの」になります。
生成AIの使い方
下書きや構成の整理にAIを使うのは有効です。ただしAIが生成した文章をそのまま公開すると、一般論の要約になり引用価値が生まれません。AIには「構成を整える」「読みにくい箇所を指摘する」役割を担わせ、中身の具体は必ず社内から入れてください。
内製についてのよくある誤解5つ
誤解1:「専門ツールがないと計測できない」
AI検索の言及調査に、専用ツールは必須ではありません。スプレッドシートに質問文を20行並べ、各AIの回答をコピーして貼り、自社名が出たかどうかを○×で記録する。これで十分に傾向は追えます。
むしろ、手動で回答文を読むことで「どういう文脈で引用されているか」が分かるという利点があります。ツールの数値だけでは見えない、競合との言及のされ方の違いが把握できます。
誤解2:「記事は多いほど良い」
AIは重複した情報を評価しません。似た内容の記事が10本あるより、独自データを含む記事が3本あるほうが引用されます。内製で無理に本数を追うと、質が落ちて逆効果になります。
月1本を確実に続けるほうが、月4本を3か月で挫折するより成果が出ます。継続できるペースを最初に決めてください。
誤解3:「文章がうまくないと書けない」
AI検索対策で求められるのは、文章の巧みさではなく情報の正確さと具体性です。むしろ、比喩を多用した凝った文章より、事実を淡々と並べた文章のほうが引用されやすい傾向があります。
営業担当が顧客に説明している内容をそのまま文字にする。現場担当が新人に教えている手順を書き出す。これで十分に価値のあるコンテンツになります。
誤解4:「一度やれば終わり」
生成AIの仕様は頻繁に変わり、競合も同じ施策を始めます。構造化データの実装は一度でよいが、コンテンツと計測は継続が必要という理解が正確です。
継続の負担を減らすには、作業を仕組みにしておくことです。月次の測定日をカレンダーに登録する、質問文のリストを共有ドライブに置く、記事のテンプレートを用意する。属人的な運用にしないことが、続けるための最大のコツです。
誤解5:「AI検索対策とSEOは別々にやるもの」
内製で取り組む際、SEOとAI検索対策を切り分けて考えようとする人が多いのですが、実務では大部分が重なります。見出しを整理する、1ページ1トピックにする、具体的な情報を載せる、表示速度を上げる。これらはSEOでも推奨されてきた施策であり、AI検索でも同じように効きます。
異なるのは評価される「先」だけです。SEOは検索結果での順位、AI検索は回答文への引用。土台は共通しているため、片方をやりながらもう片方も進める、という発想は不要です。基本を丁寧にやり切れば、両方に効きます。
外注に切り替えるべきサイン
内製で進めていて、次の状況になったら外注を検討してください。
- 3か月続けても、AI検索での言及に変化がない:構造上の問題が残っている可能性が高い
- 構造化データを実装したが、検証ツールでエラーが解消できない:仕様の理解に踏み込む必要がある
- ページの分割が必要だが、URL変更の影響が判断できない:リダイレクト設計は失敗の損害が大きい
- 担当者の業務時間が月20時間を超えている:本来業務への影響が出ている
- 本文がJavaScriptでしか描画されていないと分かった:開発の領域
外注先の選び方はAI検索対策会社の選び方にまとめています。内製で現状を把握しておくと、提案の妥当性を判断する目が養われている状態で発注できるため、無駄な費用を避けられます。
外注先のタイプによって頼める範囲が違う
外注を検討する際、制作会社・SEO会社・専業のどれを選ぶかで、任せられる範囲が変わります。構造の作り直しが必要なら制作会社、記事とテキストの改善なら SEO会社や専業。内製で把握した課題に応じて、依頼先のタイプを選ぶと無駄がありません。比較はどこに頼むべきかにまとめています。
社内体制別の推奨パターン
| 社内体制 | 推奨パターン | 外部費用(年間) | 追加採用 |
|---|---|---|---|
| Web専任者あり・開発もできる | 設計と技術チェックのみ外注。実装と更新は内製 | 60万〜120万円 | 不要 |
| Web専任者あり・開発は不可 | 技術実装と計測を外注。原稿と更新は内製 | 120万〜240万円 | 不要 |
| 兼任担当者のみ | 初期整備と月次運用を外注。一次情報の提供のみ社内 | 240万〜360万円 | 不要 |
| 担当者なし | 全面的に外注。窓口を1名決めるだけ | 360万〜600万円 | 不要 |
| Web経由が売上の柱 | 社内にチームを組み、専門領域だけ外注 | 1,800万〜2,500万円 (人件費含む) | 3名程度 |
注目していただきたいのは、上の4パターンはいずれも追加採用が不要という点です。Web担当者を採用せずに、年間60万〜600万円の外部費用で運用できます。1名採用の年間685万〜755万円と比べれば、多くの企業にとってどちらが現実的かは明らかです。
体制を選ぶときの考え方
この表は目安であり、実際には「担当者が月に何時間を確保できるか」で決めるのが現実的です。専任者がいても他業務で手一杯なら、兼任担当者と同じ扱いになります。逆に、兼任でも月20時間を確保できるなら、かなりの範囲を内製できます。
時間を確保できるかどうかは、担当者本人ではなく上長が判断すべき事項です。「空いた時間でやっておいて」という指示では、まず継続しません。業務として時間を割り当てるか、外注するか。この判断を曖昧にしたまま始めると、中途半端な状態で止まります。
どのパターンでも社内で担うべきこと
体制にかかわらず、次の3つだけは社内で持ってください。
- 一次情報の提供:数字、事例、判断基準。これがないと一般論の記事しか作れません
- 公開する情報の最終確認:事実と異なる記載は、信頼性の低下に直結します
- 成果の判断基準の設定:何をもって成功とするかは、事業側でしか決められません
内製した経験は、外注のときに無駄にならない
内製で試してから外注に切り替えることに、後ろめたさを感じる必要はありません。むしろ実務的には、この順番のほうが結果が良くなります。理由は3つあります。
1つ目は、提案の妥当性を判断できるようになること。自分でrobots.txtを確認し、構造化データのソースを見た経験があれば、制作会社の提案が具体的かどうかを見抜けます。「対応しています」で終わる説明に納得しなくなります。
2つ目は、依頼する範囲を正確に切り出せること。何が自社でできて、何ができないかを把握していれば、必要な部分だけを発注できます。丸ごと任せる場合に比べて、費用を3〜4割抑えられることも珍しくありません。
3つ目は、基準点のデータが手元にあること。内製の段階で測定を始めていれば、外注後の効果を「対策前と比べてどう変わったか」で評価できます。着手前のデータがないと、成果の判定が主観的になります。
おすすめの進め方
まず4週間、内製で現状把握と手を動かせる範囲の改善を行う。そのうえで、残った課題を持って制作会社に相談する。この順番なら、相談の時点で課題が具体化されているため、提案の精度も上がり、見積の無駄も減ります。
最も多くご契約いただいているのは月30万円前後(年360万円)です。1名採用の年685万〜755万円と比べると、およそ半分の費用で5職種分の専門性をカバーできる位置づけになります。現在、期間限定で初期費用0円のキャンペーンを実施中です(適用条件はお問い合わせ時にご案内します)。
内製・外注・ハイブリッドのどれが自社に合うか、現状の診断結果をもとにご一緒に判断します。
無料でAI検索診断を依頼する →参考:当社のハイブリッド運用プラン
ここまで一般的な相場で比較してきましたが、比較の基準として当社(株式会社ソシオラ)のプランも掲載します。前章のハイブリッド型を、そのまま形にしたものです。
料金:月5万円〜、平均30万円
作業量と実施内容によって変動する定額の月額制です。
| 月額 | 想定される使い方 | 年額 |
|---|---|---|
| 5万円〜 | 月次のAI引用状況の計測とレポート、軽微な修正、構造化データの保守 | 60万円〜 |
| 10万〜20万円 | 上記+記事の企画・執筆・公開、サイト更新代行 | 120万〜240万円 |
| 30万円前後 (最も多い契約帯) | Webに関わる業務を包括的に。記事制作、SEO・AI検索対策、Web広告の運用、GA4レポート、更新・改修対応まで | 360万円 |
実際に最も多くご契約いただいているのは月30万円前後です。この価格帯では、Webに関わる業務をまとめてお任せいただく形になります。1名採用の年間685万〜755万円と比べると、およそ半分の費用で、5職種分の専門性をカバーできるという位置づけです。
プランに含まれる作業
| 領域 | 具体的な作業 |
|---|---|
| AI検索対策(LLMO/AIO) | プロンプト単位の言及調査、引用ページの分析、競合の言及状況、優先度つきの改善提案 |
| コンテンツ制作 | 記事の企画・執筆・公開。一次情報のヒアリングを含む |
| 技術対応 | 構造化データ(JSON-LD)の保守、robots.txt・llms.txtの更新、表示速度の改善 |
| SEO対策 | キーワード設計、内部施策、Search Consoleの監視と改善 |
| Web広告運用 | リスティング・SNS広告の設計と運用 |
| 解析・レポート | GA4の設定と月次レポート、AI経由の流入とコンバージョンの分離 |
| 更新代行・改修 | お知らせ・実績の追加、軽微なデザイン修正、フォーム調整 |
すべてを毎月実施するわけではありません。その月に必要な作業へ工数を振り向ける運用です。記事を厚くしたい月はコンテンツに、計測結果を受けて構造を直す月は技術対応に配分します。
初期費用は0円(期間限定キャンペーン)
現在、期間限定で初期費用0円のキャンペーンを実施しています。通常は初期の現状診断・情報構造の棚卸し・構造化データの初期実装に費用が発生しますが、この期間中は月額のみでご利用いただけます。
採用の場合は紹介料として165万〜200万円(1名・理論年収の30〜35%)が初期に必要になります。この差額分を、そのまま施策の実行に充てられる形です。
キャンペーンの適用条件
適用条件と実施期限は時期によって変わります。現在の条件はお問い合わせ時にご案内します。初回のAI検索露出診断は、キャンペーンの適用有無にかかわらず無料です。
他社と比較する際に見ていただきたい点
当社を選んでいただく前提で書くつもりはないので、比較の観点をお伝えします。AI検索対策会社の選び方でも詳しく整理していますが、月額プランを検討する際は次の3点を各社に確認してください。
- 月額に含まれる作業の範囲と、その量:記事の本数、計測するプロンプト件数、対象とするAIの種類。「一式」表記のままでは比較できません
- レポートに改善提案が含まれるか:数値の報告だけでは次の打ち手が決まりません。サンプルの提示を求めてください
- 作業量に応じて金額を調整できるか:固定の定額制か、変動制か。繁閑がある業種では変動制のほうが無駄が出にくくなります
まず現状を知ることから
プランの検討以前に、そもそも自社が今どういう状態にあるかを知ることをおすすめします。無料のAI検索露出診断では、次の内容をレポートにしてお渡しします。
- 主要な質問文で、AIが御社を挙げるかどうか
- いま引用されている競合3社と、その理由
- 現サイトの構造化データの実装状況
- AIクローラーがアクセスできているか
- 優先度順の改善提案(3〜5項目)
この診断結果があれば、内製で対応できる範囲と外部に任せるべき範囲の切り分けができます。当社にご依頼いただかない場合でも、他社と比較する際の基準としてご利用いただけます。
内製・外注・ハイブリッドのどれが自社に合うか、現状の診断結果をもとにご一緒に判断します。初回の診断は無料です。
無料でAI検索診断を依頼する →まとめ:判断と一次情報だけを社内に残す
本記事の結論を1文にすると、AI検索対策で社内に残すべきは「判断」と「一次情報」だけということです。
全工程を社内で回そうとすれば、5職種分の専門性が必要になり、1名採用でも年間685万〜755万円、3名体制なら1,800万〜2,500万円かかります。逆に全部を人日単価で外注すれば、週2日ペースでも年480万〜768万円です。どちらも、月額のハイブリッド型(年60万〜360万円)より高くつきます。
一方で、費用がかからず、しかも最も効果が大きい作業も社内にあります。robots.txtの確認、FAQの追加、抽象表現の数値化、AI検索の簡易チェック。この4つは追加費用ゼロで、どの体制を選ぶ場合でも先に実行すべき施策です。
まずは4週間の手順を実行して現状を把握し、そのうえで残った課題を外部に相談してください。この順番なら、相談の時点で課題が具体化されているため、提案の精度も上がり、見積の無駄も減ります。何から着手すべきか迷う場合は、AI検索対策とは?の「今すぐやるべき5つのこと」も参考にしてください。
よくある質問
Q.AI検索対策は専門知識がなくても自社でできますか?
A.一部はできます。robots.txtでAIクローラーがブロックされていないかの確認、顧客からよく聞かれる質問をFAQページとして追加すること、サービス説明の抽象的な表現を数値と固有名詞に書き換えること。この3つは専門知識がなくても実施でき、効果も期待できます。一方、構造化データの実装、情報構造の再設計、レンダリング方式の変更は、判断を誤ると既存の検索評価を失う恐れがあるため、外部の支援を受けることをおすすめします。
Q.構造化データの実装はプラグインで代用できますか?
A.土台としては使えますが、それだけでは不十分です。WordPressのSEOプラグインは汎用的なOrganizationやArticleを出力しますが、AI検索対策で効くServiceの価格帯、OrganizationのknowsAbout、FAQPageの詳細といった項目は不足しがちです。プラグインの出力を土台にしつつ、必要な項目を手動で追記する形が現実的です。追記後は必ずリッチリザルトテストとSchema Markup Validatorで検証してください。
Q.内製した場合、どのくらいの期間で効果が出ますか?
A.外注した場合と大きくは変わらず、着手から1〜3か月で変化が見え始めます。ただし内製の場合、作業に割ける時間が限られるため、着手から完了までに時間がかかりがちです。実務では、初期の集中的な整備を外注し、その後の更新と記事追加を内製する形が最も早く成果につながります。
Q.社内にWeb担当者がいない場合、内製は無理ですか?
A.全面的な内製は難しいですが、部分的には可能です。特に、営業担当者が顧客からよく聞かれる質問をリスト化する、現場担当者が実際の工程や判断基準を書き出す、といった作業はWeb知識がなくてもできます。この情報こそがAI検索対策で最も効く一次情報なので、これを社内で集め、形にする部分を外注するという分担が現実的です。
Q.内製と外注、どちらが安くつきますか?
A.専任のWeb担当者を採用する完全内製は、年収550万円の1名採用でも会社負担は年間685万〜755万円、初年度は採用紹介料を含めて850万〜950万円が目安です。一方、完全外注は1人1日5万〜8万円が相場で、週2日依頼なら月40万〜64万円(年480万〜768万円)になります。既存社員が判断と一次情報だけを担い、専門作業を月額で外部に任せるハイブリッド型なら、月5万円〜、平均30万円(年360万円)が目安です。追加採用が不要な点も含めて、多くの企業ではハイブリッド型が最も費用対効果が高くなります。
Q.Web担当者を1名採用すれば、AI検索対策は社内で完結しますか?
A.更新中心の業務なら1名でも回りますが、全工程を1名に求めるのは現実的ではありません。サイト戦略、UI設計、HTML・CSS・JavaScript、WordPress・PHP開発、サーバーとセキュリティ、SEO・LLMO対策、広告運用、GA4での分析、原稿作成や撮影まで含むためです。この範囲を一定水準以上で担える人材は「Web責任者兼フルスタック人材」に近く、年収600万〜800万円でも採用が難しい場合があります。加えて、その人の退職や休職でWeb業務が止まる属人化リスクも生じます。
Q.外注の「1人1日5万〜8万円」には何が含まれますか?
A.ディレクション、デザイン、コーディング、原稿制作といった実作業1人分の稼働1日あたりの単価です。会社の規模や担当者の職種によって変動し、上級のディレクターやエンジニアであれば8万円を超えることもあります。注意点は、この単価に社内での指示出しや確認の工数が含まれないことです。発注する側にもディレクションの時間が必要になるため、その分の人件費も見込んで比較してください。
