この記事の要点
- AI OverviewsはGoogle検索のインデックスを土台にしているため、SEOで評価されていないページが引用されることはほぼありません。
- 引用されやすいのは質問に直接答えている短い塊を含むページ。長い前置きのある文章は切り出されません。
- クリックは減っても、露出は増えます。クリック数だけを見て失敗と判断すると、判断を誤ります。
- 対策の中核は見出し直下の結論・Q&A構造・構造化データ・一次情報の4点。特別な技術は必要ありません。
- 全クエリで表示されるわけではなく、情報収集型の質問で出やすく、指名検索では出にくいという傾向があります。
AI Overviewsとは何か
AI Overviews(日本語では「AIによる概要」)は、Google検索の結果ページ最上部に表示される、AIが生成した要約回答です。従来の検索結果一覧の上に、質問への答えが直接表示されます。
従来の検索結果との違い
| 従来の検索結果 | AI Overviews | |
|---|---|---|
| 表示形式 | リンクの一覧 | 要約された回答文 |
| 情報源 | 1ページ=1リンク | 複数ページを統合して生成 |
| ユーザーの行動 | クリックして読む | 回答を読んで完結することがある |
| 企業の露出 | 順位で決まる | 引用されるかどうかで決まる |
| 測定 | 順位ツールで自動計測 | 手動確認が基本 |
企業サイトにとっての意味
AI Overviewsが表示されると、従来の検索結果1位のリンクは画面の下に押し下げられます。順位で1位を取っていても、ユーザーの目に最初に入るのはAIの回答文です。
つまり、企業サイトにとっての勝負どころが「順位で1位を取ること」から「回答文の中に引用されること」へ移りつつあるということです。この変化への対応が、AI Overviews対策の中身になります。
AI Overviewsが表示されると、従来の検索結果1位のリンクは画面の下に押し下げられます。勝負どころが「順位で1位を取ること」から「回答文の中に引用されること」へ移りつつあるということです。※イメージ図です。実際の表示は検索語やタイミングによって変わります。
自社が今どの段階にいるか、無料診断で確認できます。プロンプト単位の実測レポートをお渡しします。
無料でAI検索診断を依頼する →表示される仕組み
AI Overviewsがどう作られるかを理解すると、対策の方向が定まります。おおよそ次の流れです。
ステップ1:クエリの判定
入力された検索語に対して、AI Overviewsを表示すべきかどうかが判定されます。すべての検索で表示されるわけではありません。情報収集型の質問では表示されやすく、特定のサイトを探している検索では表示されにくい傾向があります。
ステップ2:情報源の収集
Googleの検索インデックスから、その質問に関連するページが集められます。ここでインデックスされていないページは、そもそも候補に入りません。AI Overviews対策がSEOの土台の上に成立するのは、この構造によるものです。
ステップ3:回答の生成と引用元の選定
集められた情報をもとに回答文が生成され、根拠となるページがリンクとして提示されます。ここで選ばれるページには傾向があり、後述する5つの条件がそれにあたります。
ステップ4:表示
検索結果の最上部に、回答文と引用元リンクが表示されます。ユーザーは回答を読んで完結することも、リンクをクリックして詳細を見ることもあります。
この仕組みから分かること
対策の起点はステップ2です。インデックスされていなければ、以降のすべてが無関係になります。Search Consoleでインデックス状況を確認することが、AI Overviews対策の第一歩です。
対策の起点はSTEP 2です。インデックスされていなければ、以降のすべてが無関係になります。Search Consoleでインデックス状況を確認することが、AI Overviews対策の第一歩です。
従来のSEOとの関係
「AI Overviews対策は、SEOとは別の新しい施策なのか」という質問をよく受けます。答えは「別ではないが、同じでもない」です。
共通している部分
- インデックスされていること:両方の大前提
- ページの表示速度:クロールとユーザー体験の両面で影響
- モバイル対応:同上
- コンテンツの網羅性と正確性:評価の土台
- サイトの信頼性(E-E-A-T):引用元として選ばれる条件
AI Overviews固有の部分
- 切り出しやすい文章構造:見出し直下に結論があるか
- Q&A形式の記述:質問と回答のペアがそのまま使える
- 構造化データ:内容の機械的な明示
- 単体で完結する文:前後の文脈に依存しない記述
| SEO | AI Overviews対策 | |
|---|---|---|
| ゴール | 検索結果での順位 | 回答文への引用 |
| 評価の単位 | ページ全体 | ページ内の一部分(塊) |
| 文章の長さ | 網羅性が評価されやすい | 簡潔で完結した記述が有利 |
| 成果指標 | 順位、クリック数 | 表示回数、引用の有無、指名検索 |
評価の単位が「ページ全体」から「ページ内の一部分」に変わるのが、最も本質的な違いです。網羅性の高い長文記事でも、切り出せる塊がなければ引用されません。逆に、短い記事でも質問への答えが明快なら引用されます。
表示されやすいクエリ・されにくいクエリ
すべての検索でAI Overviewsが表示されるわけではありません。傾向を把握しておくと、どのキーワードで対策すべきかの判断ができます。
| クエリの種類 | 例 | 表示されやすさ |
|---|---|---|
| 情報収集型(〜とは) | AI検索対策とは | 高い |
| 方法・手順型 | 構造化データ 実装 方法 | 高い |
| 比較型 | SEO LLMO 違い | 高い |
| 相場・費用型 | ホームページ制作 費用 相場 | 高い |
| おすすめ・選び方型 | 制作会社 選び方 | 中 |
| 地域+業種 | 東京 ホームページ制作会社 | 中 |
| 指名検索 | (社名) | 低い |
| 取引型(購入直前) | (商品名)購入 | 低い |
この傾向から導ける戦略
AI Overviewsで露出を狙うなら、「〜とは」「〜の方法」「〜の違い」「〜の相場」といった情報収集型のキーワードでコンテンツを持つことが有効です。
一方で、これらのキーワードは直接的な問い合わせにはつながりにくい層でもあります。そのため、情報収集型のコンテンツで認知を取り、比較検討型のページへ内部リンクで誘導する設計が実務的です。トピッククラスターの考え方と同じです。
評価の単位が「ページ全体」から「ページ内の一部分」に変わるのが最も本質的な違いです。5,000字の記事でも、質問に直接答える2文がなければ引用されません。逆に800字でも答えが明快なら引用されます。
引用されるページの5つの条件
条件1:インデックスされていること
大前提です。Search Consoleの「ページのインデックス登録」レポートで、対象ページが登録されているかを確認してください。noindexの設定漏れ、robots.txtでのブロック、canonicalの誤設定が主な原因です。
条件2:質問に直接答える塊があること
最も重要な条件です。見出しの直後に、その見出しへの答えが1〜2文で書かれているか。前置きから始まる文章は、冒頭を切り出しても意味のある情報になりません。
条件3:単体で成立する記述であること
「前述のとおり」「上記の理由から」といった参照表現は、切り出された時点で指示先を失います。主語を明示し、その文だけで意味が通る書き方にしてください。詳しくはAIに引用される文章の書き方で解説しています。
条件4:具体性があること
「豊富な実績」より「制作120件、うち製造業32件」。数値と固有名詞が入った記述は、検証可能な情報として扱われます。抽象的な形容は、どのサイトにも書けるため引用の価値がありません。
条件5:発信者が明確であること
執筆者、監修者、運営元。誰が書いた情報かが示されているページは、信頼性の評価が高くなります。特に、医療・金融・法律といった専門性が求められる分野では、この条件の重みが増します。
AI Overviewsが登場して変わったこと
実務の現場から見て、何が変わり、何が変わっていないのかを整理します。
変わったこと1:上位表示の価値が相対的に下がった
従来、検索1位は圧倒的な価値を持っていました。AI Overviewsが表示されると、その1位はスクロールしなければ見えない位置に押し下げられます。順位を上げるための投資対効果が、以前より読みにくくなっているのが現状です。
ただし、これは順位が無意味になったという意味ではありません。AI Overviewsの情報源は検索インデックスであり、上位に評価されているページのほうが引用されやすいという関係は維持されています。順位は「目的」から「引用されるための条件」に位置づけが変わった、と捉えるのが正確です。
変わったこと2:ページの一部分が評価の単位になった
これが最も本質的な変化です。従来はページ全体の質が評価されていましたが、AI Overviewsはページの中の特定の段落だけを切り出して使います。
結果として、「網羅性の高い長文記事」が必ずしも有利ではなくなりました。5,000字の記事でも、質問に直接答える2文がなければ引用されません。逆に、800字の記事でも答えが明快なら引用されます。長さではなく、切り出せる塊があるかどうかで評価されます。
変わったこと3:ブランド認知の経路が増えた
クリックされなくても、回答文に社名が出れば認知は生まれます。この経路は従来の検索にはありませんでした。「見られたが訪問されなかった」という状態に、これまでとは違う価値があるということです。
この変化に対応するには、社名やサービス名を覚えてもらう前提で情報を設計する必要があります。回答文に含まれる情報だけで、どんな会社かが分かる状態を目指してください。
変わっていないこと
一方で、変わっていないことも多くあります。正確な情報を、分かりやすく、具体的に書く。この基本は従来と同じです。インデックスされること、表示が速いこと、モバイルで読めること。技術的な前提条件も変わっていません。
つまり、これまで丁寧にサイトを運営してきた企業にとって、AI Overviews対策はゼロから学び直す施策ではなく、既存の取り組みに数点を足す作業です。
ゼロクリック検索への向き合い方
AI Overviewsの普及に伴い、検索してもサイトを訪問しない「ゼロクリック検索」が増えています。これをどう捉えるべきかを整理します。
クリックは減る。これは前提として受け入れる
回答が検索結果で完結する以上、クリック数の減少は避けられません。これを止める方法はなく、対策の巧拙で覆せる変化でもありません。前提として受け入れたうえで、何を成果とするかを組み替える必要があります。
クリックの代わりに得られるもの
- 回答文への社名の露出:クリックがなくても認知が生まれる
- 引用元としてのURL表示:ブランドの想起につながる
- 指名検索の増加:AIで知って、後から社名で調べる動き
- 質の高い訪問:回答を読んだうえでクリックする人は、検討度が高い
指標の組み替え
| 従来の指標 | これから見るべき指標 |
|---|---|
| 検索順位 | AI Overviewsへの引用の有無 |
| クリック数 | 表示回数+指名検索数 |
| セッション数 | セッションあたりのコンバージョン率 |
| 直帰率 | 問い合わせ件数の絶対値 |
判断を誤らないために
クリック数の減少だけを見て「施策が失敗した」と結論づけるケースが増えています。Search Consoleで表示回数が増え、クリック率が下がっているなら、それは露出が増えている証拠です。指標の読み方を先に社内で共有しておいてください。測定の方法は効果測定の記事にまとめています。
それでもクリックを増やしたい場合
クリック数の減少を前提として受け入れつつ、それでも訪問を増やしたい場合の考え方を示します。
1つ目は、回答で完結しない情報を持つことです。AI Overviewsが要約できるのは、一般的で短くまとまる情報です。詳細な事例、料金のシミュレーション、比較表、チェックリスト、ダウンロード資料。「続きはサイトで」と思わせる深さがあるページは、回答の後にクリックされます。
2つ目は、引用元として表示されるページのタイトルを工夫することです。回答文の下に表示されるリンクには、ページタイトルが使われます。ここで内容が明確に伝わるタイトルであれば、クリックされる確率が上がります。「サービス紹介」より「AI検索対策の費用相場|料金体系4タイプと内訳」のほうが、次の行動につながります。
3つ目は、社名を覚えてもらう設計です。クリックされなくても、社名が記憶に残れば後から指名検索されます。回答文に含まれる情報だけで「何をする会社か」が伝わるよう、事業内容の記述を整えてください。
実施すべき12の施策
| # | 施策 | 優先度 | 工数 |
|---|---|---|---|
| 1 | Search Consoleでインデックス状況を確認する | 最優先 | 30分 |
| 2 | robots.txtでGoogleのクローラーを妨げていないか確認 | 最優先 | 15分 |
| 3 | 見出しの直下に結論を1〜2文で書く | 最優先 | ページ数×20分 |
| 4 | FAQページを作成し、FAQPageスキーマを実装 | 高 | 4〜8時間 |
| 5 | 抽象的な表現を数値と固有名詞に置き換える | 高 | ページ数×30分 |
| 6 | 参照表現(前述のとおり等)を排除する | 高 | ページ数×15分 |
| 7 | 構造化データを全ページに実装 | 高 | 1〜3日 |
| 8 | 執筆者・監修者情報を明示する | 中 | 2〜4時間 |
| 9 | 1ページ1トピックに分解する | 中 | 設計次第 |
| 10 | 表示速度を改善する(Core Web Vitals) | 中 | 1〜3日 |
| 11 | 内部リンクでトピックの関連を示す | 中 | 2〜4時間 |
| 12 | 情報の更新日を明示し、定期的に更新する | 中 | 継続 |
着手の順序
1と2は確認作業で、30分程度で終わります。ここに問題があれば、他の施策をどれだけ行っても効果は出ません。まず確認してください。
次に3・4・5に着手します。この3つは既存ページの書き換えで対応でき、効果も出やすい領域です。7の構造化データは技術的な作業が必要ですが、テンプレートに組み込めば以後は自動的に適用されます。
書き換えの原則は3つ。(1) 見出しを疑問文にする (2) 見出し直下に結論を置く (3) 数値と固有名詞を最初の2文に入れる。この3点だけで、切り出される確率が変わります。
ページ内の書き方を変える
AI Overviews対策で最も効果が出るのは、実は技術ではなく文章の書き方です。具体例で示します。
書き換え前
ホームページ制作の費用について
近年、企業のWeb活用はますます重要性を増しています。当社にも多くのお客様から費用に関するご相談をいただいており、その内容は業種や規模によってさまざまです。一般的に、ホームページの制作費用は複数の要因によって決まるとされており、単純に金額だけで判断することは難しいのが実情です。
この文章から、AIが「ホームページ制作の費用はいくらか」への答えを切り出すことはできません。4文使って、金額に一切触れていないためです。
書き換え後
ホームページ制作の費用相場はいくらですか?
コーポレートサイト(10〜20ページ)の制作費は80万〜200万円が相場です。小規模サイト(5〜8ページ)なら30万〜80万円、ブランディングを含む場合は250万円以上が目安になります。金額を左右する主な要因は、テンプレート数と原稿を誰が用意するかの2点です。
1文目で数字が出て、2文目で幅が示され、3文目で変動要因まで説明されています。この3文だけを切り出しても、質問への答えとして成立します。
書き換えの原則3つ
- 見出しを疑問文にする:ユーザーの検索語に近づく
- 見出し直下に結論を置く:背景説明はその後
- 数値と固有名詞を最初の2文に入れる:切り出される確率が上がる
Q&A形式への書き換えが最も費用対効果が高い
既存ページを一から書き直すのは大きな作業です。手軽に効果を出したいなら、各ページの末尾にQ&Aブロックを追加する方法をおすすめします。
そのページのテーマについて、顧客から実際に聞かれる質問を5〜8問。それぞれに、単体で意味が通る2〜4文の回答を書く。作業は1ページあたり1〜2時間で済み、FAQPageスキーマを実装すれば構造化データの効果も同時に得られます。
この方法の利点は、既存の本文を触らずに追加できることです。デザインの調整も最小限で済み、社内の承認も通りやすくなります。まず主要な5ページから着手し、効果を見ながら広げてください。
更新日の明示も忘れずに
情報の鮮度は評価に影響します。記事の公開日と更新日をテキストで明示し、構造化データのdateModifiedにも反映してください。
ただし、内容を変えずに日付だけを更新するのは避けてください。整合性の欠如として扱われる可能性があります。実際に情報を見直したときにだけ、更新日を変えるという運用にしてください。
構造化データの役割
構造化データは、AI Overviewsに対して「このページの内容は確定情報としてこうです」と宣言する手段です。推測ではなく確定情報として扱われることで、誤解のリスクが減ります。
優先すべきスキーマ
| スキーマ | 効果 | 優先度 |
|---|---|---|
| FAQPage | 質問と回答のペアがそのまま切り出せる形になる | 最優先 |
| Organization | 会社の実在性と事業内容を明示 | 最優先 |
| Article | 執筆者と更新日を示し、信頼性を担保 | 高 |
| BreadcrumbList | ページの階層と文脈を伝える | 高 |
| Service | 提供サービスと価格帯を明示 | 高 |
| HowTo | 手順の各ステップを構造化 | 中 |
| LocalBusiness | 地域検索での引用に寄与 | 中(店舗があれば高) |
実装のコード例と検証手順は構造化データ実装ガイドに掲載しています。実装後は、リッチリザルトテストとSchema Markup Validatorの両方で必ず検証してください。書いたつもりで動いていない、という事故が最も多い領域です。
構造化データだけでは足りない
誤解されやすい点ですが、構造化データを実装すればAI Overviewsに表示されるわけではありません。あくまでページに書かれている内容を正確に伝えるための補助です。ページ本体に引用に値する情報がなければ、タグを足しても意味がありません。
業種別に見た影響の出方
AI Overviewsの影響は、業種によって出方が変わります。自社がどのタイプに近いかを把握しておくと、対策の優先度が判断できます。
影響が大きい業種
情報提供型のコンテンツで集客していた業種です。「〜とは」「〜の方法」といった解説記事で流入を得ていた場合、その内容がAI Overviewsで完結してしまい、クリック数が大きく減ります。
この状況への対応は2つあります。ひとつは、解説記事を入口とし、より深い情報や個別相談への導線を設けること。もうひとつは、AIが要約しきれない一次情報(自社の実測データ、詳細な事例)を記事の核に据えることです。一般論だけの記事は、今後さらに厳しくなります。
影響が中程度の業種
比較検討が必要な高額商材です。AI Overviewsで概要は把握されますが、最終的な判断には個別の情報が必要になるため、サイト訪問は残ります。
この場合、AI Overviewsは認知の入口として機能します。回答文に社名が出ることで比較検討の候補に入り、その後に社名で検索されるという流れが生まれます。指名検索数の推移を追うことで、この効果が確認できます。
影響が小さい業種
地域密着で、指名検索や地図検索が主な流入経路の業種です。「(地域名)(業種)」という検索では、AI Overviewsより地図やローカル検索結果が優先されることが多く、影響は限定的です。
ただし、「(症状)はどの科に行けばいい?」「(課題)は誰に相談すべき?」といった上流の質問ではAI Overviewsが表示されます。この段階で自社が挙がるかどうかは、新規の見込み客を獲得できるかに関わります。
共通する対応方針
どの業種でも、「AIが答えられる範囲」と「自社にしか答えられない範囲」を切り分けることが基本になります。前者はAI Overviewsで完結する前提で入口として設計し、後者に自社の強みを集中させる。この設計ができていれば、クリック数の減少は問題になりません。
表示状況の確認方法
方法1:手動での検索確認
最も確実な方法です。次の手順で実施します。
- 想定される検索キーワードを20〜30件リスト化する
- シークレットウィンドウで1件ずつ検索する
- AI Overviewsが表示されるかを記録する
- 表示された場合、引用元に自社が含まれるかを記録する
- 含まれていない場合、どのサイトが引用されているかを記録する
月1回、同じキーワードで実施すると推移が追えます。所要時間は30件でおよそ1時間です。
方法2:Search Consoleでの間接的な確認
検索パフォーマンスのレポートで、表示回数は増えているのにクリック率が下がっているキーワードを探します。この動きは、AI Overviewsが表示されて回答が完結している可能性を示唆します。
断定はできませんが、対象キーワードを絞り込む材料にはなります。該当するキーワードを手動で検索して確認すれば、実態が把握できます。
方法3:競合の引用状況を分析する
自社が引用されていない場合、引用されているサイトを開いて構造を確認します。見るのは3点です。見出し直下に結論があるか、構造化データが実装されているか、具体的な数値が書かれているか。この比較が、最も実践的な改善のヒントになります。
確認結果の記録方法
手動確認の結果は、スプレッドシートに残してください。列は、キーワード/AI Overviewsの表示有無/自社の引用有無/引用されている他社/回答文の要約/確認日。この6列があれば、推移も競合状況も追えます。
回答文はスクリーンショットで保存しておくと、後から見返したときに文脈が分かります。社内報告や、追加投資の稟議資料としても使えます。「対策前はこの状態でした」という比較資料は、専門知識のない相手にも伝わります。
作業時間は30キーワードで1時間程度です。月1回、担当者と実施日を決めて定例化してください。詳しい記録の設計は効果測定の記事で解説しています。
誤った情報で紹介された場合
AI Overviewsが自社について不正確な情報を提示することがあります。旧社名、閉鎖した事業所、変更前の料金など、古い情報が参照されているケースが典型です。
対応の手順
- 正しい情報を自社サイトに明示する:会社概要ページに最新の情報をテキストで掲載
- 構造化データで宣言する:Organizationスキーマで社名、所在地、事業内容を明示
- 更新日を明示する:情報の新しさを示す
- 外部の古い情報の更新を依頼する:ディレクトリサイト、業界メディアなど
- Googleにフィードバックを送る:AI Overviews下部のフィードバック機能から報告
時間がかかる前提で
修正が反映されるまでには数週間から数か月かかります。即座に直す手段はありません。だからこそ、社名変更や移転の際には、早い段階でサイトの情報を更新し、構造化データも合わせて修正しておくことが重要です。
予防としての情報整備
誤情報が出てから対応するより、そもそも誤解される余地を減らしておくほうが確実です。次の情報は、変更が発生したら速やかに更新してください。
- 社名・屋号:変更時は旧社名との関係も明記する(「〇〇株式会社(旧△△株式会社)」)
- 所在地・電話番号:移転時は、移転日と旧住所を一定期間併記する
- 事業内容:撤退した事業の記述は削除し、開始した事業は追記する
- 料金:改定時は、改定日を明示する
- 取扱商品・サービス:終了したものは終了と明記する
削除するだけでなく「終了しました」と書いておくのがポイントです。単に消すと、外部サイトに残った古い情報だけが参照される状態になります。自社サイトに「〇〇のサービスは2026年3月で終了しました」と書いてあれば、AIはその記述を優先します。
ChatGPTやPerplexityとの対策の違い
AI Overviews対策と、他のAI検索対策はどこまで共通しているのかを整理します。
| AI Overviews | ChatGPT | Perplexity | |
|---|---|---|---|
| 情報源 | Google検索インデックス | 学習データ+Web検索 | 独自クロール+検索 |
| SEOの影響 | 大きい | 中程度 | 中程度 |
| 引用元の表示 | あり | 検索時のみ | 常に表示 |
| 反映の速さ | 比較的速い | ばらつきがある | 速い |
| 対策の起点 | インデックス確保 | クローラー許可 | クローラー許可 |
共通して効く施策
幸いなことに、対策の中核は共通しています。見出し直下の結論、Q&A構造、具体的な数値、構造化データ、発信者の明示。この5つは、どのAIに対しても効きます。
異なるのは技術的な前提条件です。AI OverviewsはGoogleのインデックス確保が起点、ChatGPTやPerplexityはそれぞれのクローラーへのアクセス許可が起点になります。設定方法はllms.txtとrobots.txtの使い分けで解説しています。
優先順位の考え方
日本国内で最も利用者が多いのはGoogle検索であるため、AI Overviews対策から着手するのが効率的です。そこで整えた内容は、他のAIに対してもそのまま効きます。
一方で、BtoBサービスや技術情報を扱う業種では、ChatGPTやPerplexityでの露出が商談に直結することもあります。自社の顧客がどこで情報を探しているかを、営業現場に確認してから優先順位を決めてください。
3つのAIを同時に追わなくてよい
限られた工数で始めるなら、まずAI Overviewsだけを対象にしてください。そこで整えた内容は、他のAIに対してもそのまま効きます。見出し直下の結論、Q&A構造、具体的な数値、構造化データ。これらはAIの種類を問いません。
3か月ほど運用して成果の出方を見てから、対象を広げるかを判断すれば十分です。最初から4つのAIを均等に追おうとすると、測定だけで手一杯になり、改善に手が回らなくなります。
まとめ:特別な技術ではなく、基本の徹底
AI Overviews対策と聞くと、新しい技術や特殊な手法が必要に思えるかもしれません。実際には、ページの構造を整え、質問に直接答える文章を書き、事実を具体的に示すという、Webサイト制作の基本の徹底がその中身です。
逆に言えば、これまで丁寧にサイトを作ってきた企業にとっては、追加の負担は大きくありません。まずSearch Consoleでインデックス状況を確認し、主要ページの見出し直下に結論があるかを点検してください。この2つだけで、今週中に着手できます。
全体像の把握にはAI検索対策とは?、文章の書き換え方はAIに引用される文章の書き方をあわせてご覧ください。
よくある質問
Q.AI Overviewsに表示させることはできますか?
A.確実に表示させる方法はありません。表示するかどうか、どのページを引用するかはGoogleのアルゴリズムが決定するため、外部から制御できないためです。ただし、引用される確率を上げる施策は存在します。検索インデックスに含まれていること、質問に直接答える短い塊を含むこと、構造化データで内容を明示していること、発信者の実在性が示されていること。この4つを満たすページは、引用される可能性が高まります。
Q.AI Overviewsが表示されると、クリック数は減りますか?
A.減る傾向があります。ユーザーが回答文だけで満足し、リンクをクリックしないためです。ただし、これは対策の失敗を意味しません。回答文の中に社名とURLが表示されれば、それ自体が認知につながり、後から社名で検索されるという動きが生まれます。クリック数だけを指標にすると判断を誤るため、表示回数、指名検索数、問い合わせ件数をあわせて見てください。
Q.AI OverviewsとSEOは別々に対策すべきですか?
A.別々に考える必要はありません。AI OverviewsはGoogleの検索インデックスを土台にしているため、SEOで評価されていないページが引用されることはほぼないからです。SEOの基本を丁寧に行ったうえで、質問に直接答える書き方、Q&A構造、構造化データの実装を加える。この積み上げ方が実務的です。
Q.AI Overviewsに引用されたかどうかは、どう確認しますか?
A.自動で取得する標準的な方法は現時点でないため、手動での確認が基本です。想定される検索キーワードを20〜30件用意し、シークレットウィンドウで検索してAI Overviewsが表示されるか、自社が引用元に含まれるかを記録します。あわせてSearch Consoleで表示回数とクリック数の推移を見ると、表示回数は増えているのにクリック率が下がっているという形で、間接的に影響が推測できます。
Q.AI Overviewsで自社が誤って紹介されています。修正できますか?
A.回答を直接書き換えることはできませんが、参照される情報を正すことで是正を図れます。自社サイトに正確な一次情報を機械可読な形で掲載し、構造化データで明示してください。会社概要、事業内容、沿革、所在地といった基礎情報の構造化が特に効果的です。あわせて、古い情報が残っている外部サイトがあれば、可能な範囲で更新を依頼してください。Googleのフィードバック機能から報告する方法もあります。
